犬小屋:す~さんの無祿(ブログ)

ゲゲゲの調布発信
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枯死

2018年04月09日 | うつろい
今の家に引っ越して来てから45年住んでいる。
南隣の酒屋さんとの境目には、珊瑚樹を植えた。
珊瑚樹は常緑で、よく防火のために植えられる。
成長は速くはないので、手入れしやすい。

昔、女の子が生まれると桐を植えたと言う。
十何年経つとそれで箪笥が一棹作れるほどに育つ。
その箪笥を嫁入り道具とするのだ。

そういうふうにほいほいと成長する木は、やわらかい。
やわらかくすなわち軽い。
軽くすなわち燃えやすい。
(桐は乾燥して材にすると、燃えにくくなるそうです。)

珊瑚樹の幹は、比較的堅い。
堅い部類の木ほどではないが、やはり防火に適しているのは、
常緑ということだけではなさそうに思う。

どうも毎年、初夏に丸ッぱげになる。
サンゴジュハムシという虫が付くのだ。
そりゃそうだよな。サンゴジュだもの。
それでも毎年、夏には盛り返して、青々と新しい葉を付ける。
常緑樹の暗い葉の色が隣家との間に立ちふさがっているのはなんだか威圧的に感じてきたのだが、
新芽はやはり明るく気分がいい。
そうやって更新されて生きて行くのなら、初夏にちょっと虫に分けてやってもいいか。

そのせいかどうか分からないが、何本か枯死してしまった。
特に今年は、隣合わせの2株が枯れてしまった。
しかもそこはお隣さんが一番出入りする裏庭の部分だ。
目隠しの木が無くなって、隣の二階も見通せる。

枯れた木はやがて朽ちる。
と言うより、既にかなり朽ちてきている。
ほったらかしていて、風の日に他の木の枝が当たって朽ち木が倒れて
しかもそれが隣家の側へでも倒れた日には、大迷惑だ。

後で根こそぎ倒す時に力を掛けるために、地上1mばかりを残す。
自宅側を斜め下から切り、隣家側は斜め上から切る。
すっかり切れ目を繋ぐ前に、隣家側から押してやる。
かるくメキッと音を立てて、木は倒れる。

枝葉も無いし、朽ちて軽くなっているとは言え、4mくらいは有る。
間違って隣家の軒などにぶつけたら壊してしまうだろうから、慎重になる。
慎重に、しかし荒々しく作業する。

倒すならどの方向へ倒すか。
自宅側の他の庭木を傷めないようにするにはどの角度が良いか。
あるいは、だるま落としのようにストンと落とす方法もある。
倒すのではなく、その場で落とすのだ。
これがうまくいくと、とてもコンパクトでよろしい。

このような作業を5,6本やった。
枯れ木でも少々の目隠しにはなっていたようだ。
無くなってみると、いやにスカスカする。

代わりに何か植えようと思う。
目隠しという意味では常緑樹が良い。
花が咲くものがいいな。
でも椿は既に有るし、ドクガの毛虫で散々な思いをしていて、コリゴリだ。
花の時期が春や初夏ではなく、夏場のものが有ったら、いろんな時期に目を楽しませてもらえて良い。
何か実を付ける木なら、鳥も集まる。
今有るハゼの木と違った実なら、また違った鳥が来る。
蝶の幼虫が好む樹木も良いな。



隣家の酒屋のおばちゃんが、今年の初めに亡くなってしまった。
おばちゃんは、うちの庭の花や、木に来る鳥などを楽しみにしてくれていた。

木を選ぶにも、おばちゃんを楽しませたい、という気持ちが働く。

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