高校生とか浪人生の時とかにこれを観れば、数学に興味が沸くこと間違いなし。
博士が数式や数字の薀蓄を語れば、画面が切り替わりNHK教育みたいな映像で、吉岡秀隆先生が丁寧に丁寧に補足説明してくれる。なんとも奇妙な構成。
まあ、どうせなら中学校の数学教師の第一回授業という設定でなく、フィールズ賞を受賞した若き天才数学者の記念スピーチという設定にしてほしかったですが・・・
数字トリビアかよ!!と思う人もいるだろうが、数式とか数字とかいうものが、絵画や書道や音楽と同じくらい、その美しさに心奪われるものであるということを、これほど丁寧かつ親切に教えてくれる映画は少ない。
主人公の博士が前向性健忘症であるという設定から、同じ説明台詞が何度も何度も反復されるが、それもくどいとは感じず、何か心地よい。途中入場した人へのバカ丁寧な配慮であるとも言える。
記憶障害の博士を優しく慈しむようにスタートした映画はいつの間にか、博士の優しさに包まれている映画に様変わりしている。
ただし気をつけねばならぬのは、博士はシーンが変わるごとに記憶がリセットされ、映画ないで見たり聞いたり話したりしたこと全てを忘れているというところ。博士の気持ちが判る、なんて言っちゃいけない。80分ごとに博士は自分が記憶障害であるという自覚を失っている。上着のメモに気づかず80分たってしまうこともあるだろうし博士の"気持ち"は事故以来何も変化していない。
そのことを忘れて博士に感情移入すると本質を見誤る気がするが、映画はわざと見誤らせるのを目的としているかのように、ごく普通の時系列展開となっている。
黒澤の愛弟子が、黒澤から受け継いだかのような師弟の絆を描き、上田正治ら黒澤組出身のベテランスタッフがさすがの堅実な仕事を見せ、俳優陣も上手い。
何の文句もなく、けっこう好きな映画ではあるのだけど、過去に「メメント」を観ちゃった人間としては、フッと鼻で笑ってしまいたくなる映画でもある。
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自主映画撮ってます。松本自主映画製作工房 スタジオゆんふぁのHP
博士が数式や数字の薀蓄を語れば、画面が切り替わりNHK教育みたいな映像で、吉岡秀隆先生が丁寧に丁寧に補足説明してくれる。なんとも奇妙な構成。
まあ、どうせなら中学校の数学教師の第一回授業という設定でなく、フィールズ賞を受賞した若き天才数学者の記念スピーチという設定にしてほしかったですが・・・
数字トリビアかよ!!と思う人もいるだろうが、数式とか数字とかいうものが、絵画や書道や音楽と同じくらい、その美しさに心奪われるものであるということを、これほど丁寧かつ親切に教えてくれる映画は少ない。
主人公の博士が前向性健忘症であるという設定から、同じ説明台詞が何度も何度も反復されるが、それもくどいとは感じず、何か心地よい。途中入場した人へのバカ丁寧な配慮であるとも言える。
記憶障害の博士を優しく慈しむようにスタートした映画はいつの間にか、博士の優しさに包まれている映画に様変わりしている。
ただし気をつけねばならぬのは、博士はシーンが変わるごとに記憶がリセットされ、映画ないで見たり聞いたり話したりしたこと全てを忘れているというところ。博士の気持ちが判る、なんて言っちゃいけない。80分ごとに博士は自分が記憶障害であるという自覚を失っている。上着のメモに気づかず80分たってしまうこともあるだろうし博士の"気持ち"は事故以来何も変化していない。
そのことを忘れて博士に感情移入すると本質を見誤る気がするが、映画はわざと見誤らせるのを目的としているかのように、ごく普通の時系列展開となっている。
黒澤の愛弟子が、黒澤から受け継いだかのような師弟の絆を描き、上田正治ら黒澤組出身のベテランスタッフがさすがの堅実な仕事を見せ、俳優陣も上手い。
何の文句もなく、けっこう好きな映画ではあるのだけど、過去に「メメント」を観ちゃった人間としては、フッと鼻で笑ってしまいたくなる映画でもある。
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実は、ブログのタイトルを変更しました。
五七五七七に縛られず、自由に書きたくなったものですから。
よろしかったら、また、いらしてください。
「博士の愛した数式」のコメント欄で失礼しました。
ブックマークのタイトルを変更しました。
楽しい感想、(時々短歌付き)を期待してますね