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「帝国の逆襲」アーヴィン・カーシュナー監督死去

2010-12-01 01:47:22 | 映画人についての特集
「米エンタメイサイトCollider.comは、カーシュナー監督は長年、病気を患っており11月29日に死去したものと伝えている。87歳だった。」
引用元ハリウッドチャンネル 2010/11/30の記事

帝国の逆襲、ネバー・セイ・ネバー・アゲイン、ロボコップ2と続編請負人の感のあるアーヴィン・カーシュナー監督が亡くなられた。
いままで知らなかったのだがジョージ・ルーカス監督の学生時代の恩師であったそうな。
「帝国の逆襲」はたしかに中学時代は私もシリーズ最高傑作だと思っていた。
けれどもやはり第一作にしてエピソード4が結局一番面白いよねと今では思っている。ただ1作目では今ひとつ個性を発揮しきれなかったレイア姫やハン・ソロが魂を持ったキャラとして自立したのはやはり「帝国の逆襲」だったと言うべきだろう。

アルバート・ブロッコリ制作の本家007に対抗して映画化権取得の曖昧さの隙をついて「サンダーボール作戦」をリメイクした「007 ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」は本家じゃない筈なのに当時の本家より面白かった。あからさまに本家を意識して原作を無視した荒唐無稽さや、本家に匹敵する「Q」の秘密兵器も面白かった(レーザー内蔵腕時計とか)。ボンドガールにキム・ベイシンジャー、スペクターの首領にマックス・フォン・シドー(本家の演出を真似て猫をいつも可愛がっているのだが、原作には猫を可愛がるなどという描写はたしか無い・・・)、ボンドと直接対決する悪役にクラウス・マリア・ブランダウアー、そしてボンド役はショーン・コネリーと本家を超える豪華キャストだった。(ちなみにコネリーとブランダウアーはその後スパイ映画「ロシア・ハウス」で共演する)。さらに言えば物語は本家の「サンダーボール作戦」よりもイアン・フレミング原作の「サンダーボール作戦」に近い(そうは言っても相当異なるのだが)。
むしろ本家がこれに刺激を受けて傑作「オクトパシー」を作り、その中でシリーズ中もっとも「Q」を大活躍させ(なんと「Q」のアクションシーンまで用意)、鳴りを潜めていたボンドのテーマをやたらと鳴り響かせたのだ。
「帝国の逆襲」よりむしろ「ネバー・セイ・ネバー・アゲイン」の方が映画界への貢献度は大きかったと僕は観ている。

「ロボコップ2」は決して悪い出来の映画じゃなかったはずなのに、音楽を一作目のベイジル・ポールドゥリスからレナード・ローゼンマン(キューブリックの「バリー・リンドン」でオスカー受賞)に変えたために、テーマ曲が変わって「♪ローボーコーップ♪ローボーコーップ」と変なコーラスのかかる曲になってしまい苦笑を誘った。
「ロボコッブ3」で音楽がベイジル・ポールドゥリスにもどってほっとしたファンが多かったことと思う。

そういえば黒澤明の「影武者」で協力を買って出た人物としてフランシス・コッポラ、ジョージ・ルーカスに混じってアーヴィン・カーシュナーの名前が紹介されていたことも忘れてはなるまい。

映画界に貢献したアーヴィン・カーシュナー監督のご冥福を祈ります。

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