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映画ブロガーら有志23名による「10年代映画ベストテン」発表!

彼とのこと

2018-06-27 12:10:26 | 自主映画関連
2018年の6月25日に、彼の知り合いから連絡があった

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実は彼と初めて出会った日の記憶がない
気がつけば彼は私が2005年に撮った映画にちょい役で出演していた
それ以前に私と彼に接点があった気がしない
いや、十中八九演劇関連の接点だったに違いないのだが、私と彼はそれ以前も以後も舞台上で共演したことは一度もない。
私が撮ったさる劇団のエンディング映像に彼は出てくるがそれは2006年のことだ

私の2005年の映画のそのシーンには演劇畑の人間がほかに2人写っているので、そのどちらかが彼を呼んだのかもしれない。

1人はAさん(男性)
Aさんは当時私の所属劇団に客演参加しており週一くらいでは稽古場で顔を合わせていた。Aさんにカフェのシーンでお客役のエキストラが欲しいからと頼んだことは覚えている。Aさんは翌年主演してもらったし、さらに未完のままの8mmフィルム作品でも主演してもらった。
Aさんと彼は知らない仲ではなかったはずだ。

もう1人、Rさん(女性)
彼女はたまたま私と同じ職場というか、同じ事業所で働いていた。
その作品の前年に私は初めての自作品上映会を行い、その噂を聞きつけてRさんは私を探して声をかけて来たのだ。
その時の彼女は所属劇団を辞めて、自分の表現や活動の場を模索していたころだった。映画作るんなら何でも手伝います、と彼女は言った。
事実それから何作品かで彼女は自身の出演のみならず、いい役者やできるスタッフを沢山紹介してくれた。
その一環でRさんが彼を呼んだのかもしれないし、彼がRさん経由で撮影のことを知ったのかもしれない

当時を振り返ろうとメーラーの底をのぞいてみたが2007年より前のメールはすべて消去していて、当時の私が彼とどのようにコンタクトを取っていたのか思い出す手がかりはなかった。

とにかく彼はその作品のラスト近くにカフェの客として登場する。
ぶっちゃけ、顔はイケメンでもハンサムでもなく、体型はスマートとは言い難いがただのデブとも違う、足は細長いが体は太く顔はでかい。あちこちバランスの悪いかなり特殊な容貌だった。ハンプティダンプティに似てる気がする。
そして、服が、言っちゃ何だが、無駄にオシャレだった。
ただ、映画の中で浮くほど派手ではなく、存在感を誇示して記憶には残るという、絶妙なオシャレ加減だった。
後に知ることだが、車やバイクもオシャレだった。
後年の別の映画の外ロケでやたら存在感あるバイクが停まっていて、目立って困ったことがあった。撮影に参加している誰かのバイクだとは思わなかったので仕方なくそのまま撮った。撮影が終わり、「お疲れ様です」と言った彼はその妙にカッコいいバイクにまたがって颯爽と帰っていった。

彼はビジュアルに関するセンスがあった。
彼の写真は美しかったし、動画も綺麗でかっこよかった。
2005年の撮影は仮にAさんやRさんがいなくても、彼は関わったのではないか?
ビジュアル的な創作活動に対する彼のレーダーは高感度で、私が松本でどんな映画を誰と撮っていても、どのみち私と巡り合うことになっていたのではないか。
いまはそう思う。

2005年の映画は私にとってターニングポイントとなる作品だった。
初めて演劇関係者に出演してもらい、初めて映画コンペティションに入選を果たした。その転機となった作品の片隅に彼がいるという事実が、私には何か特別な意味があったように思えて仕方がない。
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