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輪廻 [監督 : 清水崇、主演 : 優香]

2006-01-25 00:51:40 | 映評 2006~2008
クライマックスの重層的な展開が興奮を誘う。さして演技が上手いわけでもない優香から、それなりの演技を引き出す。「ホラーは夜」という常識を覆して、昼間の暗がりを舞台にすることで、色あせた壁や床、破れてめくれ上がった壁紙、ゴミと埃と染みなどを映し出す(呪怨なんかもそうだけど)。夜の映像ではそれらは判らない。夜の照明はどうしても作り物っぽくなるが、昼なら自然光っぽく照らすことができる。
やっぱ巧い監督なのだな。

しかし・・・ラストのどんでん返し、というかサプライズというか
もう少しなんとかならなかったのか?
展開の先が読めたわけじゃない。全く読めなかった。
しかし、謎が明かされても、驚きも感動もしない。
輪廻転生について、ほとんど説明らしい説明をしないことで、実体の無いもやもやした恐怖がフィルムに憑依する感じはよい。でも説明がほとんど無いため、謎が明かされた時の感動が薄れる。清水崇って脚本家としてはあんまし優れていないと思うなあ。

絶望的に怖い話である。前世のために亡霊に襲われ殺されることが決まっているなんて、逃げ場も何もない。「呪怨」だってなす術も無く人々が憑り殺される話だったが、あれは一度もあの家に近づかなきゃ大丈夫という救いがあった。
「輪廻」は救いがない。生まれた時点で襲われることは決定している。
ラストの拘束服の優香。輪廻にがんじがらめにされた絶望的な運命が表現されている。
むろん「拘束服の女の子」には男を、少なくとも私をエロティックな気分にさせる効果があり、そっちの方が遥かに重要である。

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2 コメント

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拘束衣の女の子 (にら)
2006-01-25 11:46:28
ラストの絶望感、優香だからこそ醸し出せた気がします。



あれがもしプリンセス・テンコーこと2代目引田天功さんだったら、絶望感も監禁感も沸きません。でも、テンコーさんがヒロインだったら、別の意味で「コワさ」と「イタさ」が加わるかもしれませんね(笑)。



てなわけで、TB及び、しんさまの意外なフェチ部分も垣間見せて頂き、ありがとうございました。
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プリンセス・テンコー (しん)
2006-01-29 07:53:03
プリンセス・テンコーなら拘束衣からの脱出はもちろん、トイレからいなくなったことも、いつのまにか押し入れにいたことも、どこからともなく8mmカメラを取り出した事も、全て説明がつく上に、ラストは爆発大炎上するホテルからの脱出(もちろん爆発の前に拘束衣も着ている)も堪能できて、最高の娯楽作品になったと思います。

というわけでコメントありがとうございました。
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