[75点]
映画のファーストショットは水の中を泳ぐ魚(金魚だったか)。
培養液に使ったまま生かされる脳という映画の出だしとして非常に象徴的な画である。
脳だけの状態で生かされたとしたら、常に夢でも見ているような感覚になるのではないか?そのワンアイデアの映画ではある。
以前の脳の持ち主だった若い女性の、五体満足状態での最後の記憶となる場面から始まり、そこからは培養脳に関わる人たちのエピソードと、 . . . 本文を読む
[80点]
映画が始まって最初のショットは舞台となる平田家の家の外観だった。
特に凝った画でもなんでもない、ただの物語の場面説明のためのショット。
ここんとこ、映画のファーストショットやファーストシーンがやたら気になる自分としてはつまらない始まりだな…とかるい失望を覚えた…のだが、いやいや待てよ、家という不動の象徴から映画を始めるというのは山田洋次映画にとっては非常に重い意味を持つのではないか、と . . . 本文を読む
68点
原題はThe Big Short でこれだと「デカい空売り」って意味なんだけど、「マネーショート」という株式用語ですらない謎の和製英語にしてしまうのはいかがなものか
まあ、意味不明な邦題なんて昔から死ぬほどあるからよいけど
後にリーマンショックと呼ばれる金融恐慌をいち早く予期し、絶対暴落が起こると信じて信用売(空売り)を仕掛けるが、なかなか暴落が起こらずヤキモキする男たちの物語
映画の . . . 本文を読む
71点
オープニングはスリランカの郊外、熱帯風の林が奥にあり、そして何かが燃えている
カットが変わりカメラが近づくと燃えているのは死体の山だったことがわかる。
死体を燃やしている兵士、ディーパン。作業の後兵士の服を脱ぎ棄てて出ていく。
どうやら脱走するつもりらしい。
そして場面は変わり一人の女性が親を亡くした見ず知らずの女の子を連れて、難民申請の簡易施設に行き母娘ですと嘘をつく
さらにディーパンが . . . 本文を読む
[80点]
ファーストショットは装飾された鉄の網飾り。実は地下鉄の排気口のフタなのだけど、それを最初に写すのはどういう意味があるのか?
思うに精神的な自由を奪われ檻に閉じ込められたような生活を送るキャロルのような女たちのメタファーなのだろう。
カメラはそこからカットを入れずにティルトアップしてレトロのデザインの服装の人々や車や町並みを写し50年代のアメリカの都会の風景を映し出す。
ファーストショッ . . . 本文を読む
[77点]
なんて軽いリドリー・スコット映画!むしろ弟トニーが得意そうな映画。たしかゴールデングローブ賞のスピーチでトニーがいれば、みたいな事言ってたのはそういうことであったか。
「プロメテウス」の方が別の種類の大笑いがあったけど、巨匠ぶるのやめたリドリーはなんか心地よい。
そうこれはコメディとは言いすぎかもしれないが、深いところ何もない、頭空っぽで楽しめるとってもライトなSF
火星でジャガイモ . . . 本文を読む
[95点]
一昨年、ホドロフスキーやウェス・アンダーソンの映画を観て、映画とはパンフォーカスだ!!と天啓のようなものを感じた(気がした)
自主映画が一眼で撮るのが主流になり、背景がぼけてて登場人物にだけくっきりとピントのあった、ナローフォーカスの美しい映像が自主映画コンペでたくさん見るようになった。一方で要するに背景ぼけてりゃかっこいいだろと勘違いしている(ように思える)映画もたくさん作られていた . . . 本文を読む
[68点]
産経新聞が反日映画だから上映してはいけないと愛国的な素晴らしいことを言っていたおかげで俄然見たくてたまらなくなったアンジェリーナ・ジョリー監督の「アンブロークン」鑑賞。
力強い映画だった。コーエン兄弟が脚本に加わっているのだけど、折れない曲げないブレないという点で彼らが脚本書いた「ブリッジ・オブ・スパイ」との共通点がある。
とはいえ若干映画として構成面に疑問。
許しがテーマだとすると . . . 本文を読む
[78点]
久しぶりにいい意味で志の超低い、低予算のアクション映画を堪能できた。
クライマックスの決戦の舞台がホームセンターというところ、偶然ついこないだ録画で観た「イコライザー」と似ている(さらにCIAの大物をビル・プルマンが演じている点も奇妙な一致だ)
記憶の底に封印されていた諜報員としての能力が覚醒するあたりは、完全にジェイソン・ボーンのパクリだろう。
いろんなスパイ映画の要素寄せ集めて若い . . . 本文を読む
75点(100点満点) 2015年1月10日、丸の内ピカデリーにて鑑賞 マーケットを大切にしながら作った娯楽ファンタジー映画。作家性よりもヒットメーカーとしての仕事をきっちりこなすノーランの職人芸。 ゼロ・グラビティ直後に、アカデミー受賞直後のマシュー・マコノヒーで超大作宇宙映画ポンと作るこのタイミングを逃さないところ含めて時代に選ばれた凄い人だと思います。 本格SFっていうよりはディズニーフ . . . 本文を読む
78点(100点満点)
2014年1月4日、丸の内ピカデリーにて鑑賞
思ったより感動してしまったホビットの完結編。第一部と第二部はちょい盛り上がりに欠けていた感じが否めないのだけど、最後まで付き合ってよかったと思った。
というよりそこそこ次が気になるように作ってきたシリーズ運営の上手さを褒めよう。
ようするに最後に大軍団バトル持ってくりゃ楽しめるという感じもなくもない。
軍団バトルにしても過 . . . 本文を読む
78点(100点満点)
2014年11月30日、丸の内ピカデリーにて鑑賞
【ストーリー紹介】
悪い国や悪い奴らをアメリカのためにやっつけることを主業務としているスタさん他エクスペンダブルズの皆さんは今日も軍事独裁国家っぽいところで戦っています。
やたら警備の厳重な囚人護送列車にヘリコプターで攻撃をかけています。
動けるハゲとして有名なジェイソン・ステーサムらが列車に乗り込み、見張りなど次々ぶっ . . . 本文を読む
99点(100点満点)
2014年11月23日、新宿武蔵野館にて鑑賞
時間の流れを楽しむ映画。
たぶん私の今年のベストワン。
もっとも「ゼログラビティ」見たときも「エレニの帰郷」見たときも「アデル、ブルーは熱い色」見たときもそんなことを思ったので、年末にはどうなってるかわかりませんが…
子供が大人になるまでの12年間を同じ役者で実際に12年間かけて撮ってみよう…そんな映画制作者なら一度は夢に . . . 本文を読む
80点(100点満点)
2014年10月20日、新宿シネマカリテにて鑑賞
インド映画の佳作。といっても事あるごとにスーパースターがかっこいいダンスをキメまくる映画ではなく、欧米の映画祭狙いのような静かで詩的な語り口の切なくも心あたたまるドラマ。
こういう映画悪く思う人はいないだろう。その点でオススメしやすいが、物語的には予想を超える展開にはならない。
「物語の中で主人公は成長しなくてはならない」 . . . 本文を読む