[Capricious Model Rail Factory] ** 気まぐれ鉄道模型工房 **

European/British/Japanese railway modelling in OO/HO/N

英国通信 29 Tyne川の鉄道施設

2017-10-28 16:39:31 | [jp] 鉄道施設

所用で新城(Newcastleとも言う)まで行ったので、ついでにTyne川の畔に降りてみた。

南岸(Gateshead側)の、Team川河口にある、石炭積み出し桟橋 Dunston Staiths の遺構。木造の桟橋の上に石炭列車が乗り入れ、船に直接石炭を卸していた。日本では小樽に同様の施設があったが現存しない。

中間部分が失火で焼失している。残存部分は展望台として使われていた様だが、さすがに傷みが激しく、今は立ち入り禁止。

奥側で地上の引き込み線と接続。岸側の船溜まりは、泥が堆積して船が入れなくなっている。 

全景。19世紀末、日本は幕末の頃に、英国ではこんなのを民間資本で造っていた。 

説明看板の写真を複写。撮影年は書いてなかったが19世紀末頃か? 

振り返って下流側を見る。前回撮った橋梁群を別アングルから見たところ。 

King Edward VII橋。前回は逆光で道路橋と重なった酷い写真を載せてしまったので、仕切り直し。

当時の最先端技術、材料を投入し、スパン延伸に挑戦した技術者の仕事の証。原形のまま百年以上使われてるのは流石物持ちが良い。 

High Level BridgeをTranspenine Expの列車が通過。 

帰りに模型屋に寄り道して散財してしまったのは嫁には内緒。またつまらぬ物を買ってしまった…

 

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英国通信 26 High Level Bridge

2017-09-10 22:26:25 | [jp] 鉄道施設

キングス木製客車キットに取り掛かっているのだが、これが中々手強く、最初の工程で躓いて先に進めない。他の仕掛品に手を付けたりしつつ、何度もやり直しているが、心が折れそう。仕事の方も納期に追われて、逃げ場が無い。久しぶりに猫カフェでも行くか。

というわけで、鉄道構造物シリーズ、今回は小ネタ。

近所にある新城市(英語でNewcastle upon Tyne)は、その名の通りTyne川の北岸に位置する城塞都市である。Tyne川はこの辺りまで外航船が遡上できたので、北岸のNewcastleと南岸のGatesheadは交易と石炭の積み出しで栄えていた。

 LondonとEdinburghを結ぶ鉄道はここでTyne川を渡ることになるのだが、両岸の段丘上に敷設された線路と高さを合わせるために、高い位置に架橋する必要があった。High Level Bridgeの名前はここから来ている。建設当時まだ鋼材は使えず、鋳鉄のアーチでスパンを稼ぎ、二層構造にして下段の道路の通行料で建設費を回収することを目論んだ。1849年完成。

この写真で奥に紅白の橋が写っているが、これは船を通すため旋回橋になっている。High Level Bridge架設まで、段丘上の駅からこのレヴェルまで鋼索式鉄道で貨車を上下させていた。 更に奥に鋼アーチ橋が架かっているが、道路橋なので割愛。

架設当時はこの橋が本線だったが、Newcastle駅でスイッチバックが必要だったため、後に西側にKing Edward VII橋を架設し、東海岸本線の直通列車はそっちを通る様になった。High Level Bridgeも補修されて一応現役だが、御覧の通りローカル列車しか通らない。下段の道路は、補強追加で道幅が狭くなり、南方面専用バスレーンになっている。

逆光で潰れているが、振り向いてKing Edward VII橋を見たところ。IC225列車が通過中。錬鉄のラティスガーダ橋で、High Level Bridgeよりスパンが少し伸びている。更に奥にあるPC桁の道路橋と重なってしまっているが、気にしないで下さい。手前は20世紀末に架けられたMetro路線のQueen Elizabeth橋。技術の進歩で流路を一気に跨いでいる。流石大英帝国だけあって、地方都市に立派な橋を幾つも建設し、しっかり維持するだけの経済力がある。建造物ヲタとしては、色々な橋を眺められて飽きない。

 

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英国通信 24 Forth Bridge完結編

2017-08-26 22:23:31 | [jp] 鉄道施設

Forth湾に停泊していたクルーズ船。やっぱり昼間外から見ると高層アパートwww。夜景は綺麗だが。

  

上陸用内火艇。上写真で舷側に吊られていたのを降ろして使ってる模様。護衛用戦闘機も積んでいそう。

Forth鉄道橋の隣に架かっている新旧道路橋。奥の最新の斜張橋は8月供用開始予定で最後の仕上げ中。構造は異なるが、3連の斜張橋は先祖返りした様にも見える。

 

南岸のSouth Queensferryの街並。古い建物を手入れして使っている。宿も外見は古いが部屋は綺麗にリフォームされていた。近くには高そうなレストランと地元民で騒がしいパブしかなかったので、晩飯は街外れのインド飯屋に行った。店は空いていたが、お持ち帰りの注文電話が頻繁に架かってくる。インドカレーは家で食べるのがデフォらしい。 

 

 

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英国通信 23 続Forth Bridge

2017-08-16 20:36:25 | [jp] 鉄道施設

折角近くに泊ったので、終列車の頃に宿を抜け出して、夜景を撮影。

(写真はクリックで拡大します)

夜間に航行する船舶のために橋脚をライトアップしている。通過する列車を長時間露光で撮ってみたが、やはり小さくて目立たない。

クルーズ船がまだ停泊中。時折、夜遊び帰り?の乗客を送迎するために内火艇が往復している。灯火が綺麗だが、燃料の無駄のような。

停泊中も、風向き、潮目に合わせて律義に船の向きを変えている様子。終列車が行ってしまったので寝る。

翌未明、夜明けのForth橋。

通過列車のシルエット。

 

 

 

 

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英国通信 22 Forth Bridge

2017-08-10 20:09:25 | [jp] 鉄道施設

英国の歴史的鉄道建造物シリーズしょのに。今回はEdinburgh近くのForth橋を訪問した。以前に渡ったことはあるが、今回は橋の撮影のために南岸のSouth Queensferryに宿泊した。

Forth橋の詳細は様々な文献(「英雄時代の鉄道技師たち―技術の源流をイギリスにたどる」 1987/4 管健彦著 など)に詳しい。英国東岸ルートを北上しEdinburghに達したNorth Eastern鉄道-North British鉄道連合が更に北のPerth、Aberdeenを目指す際に、東岸から内陸に深く切り込んだForth湾が障壁となった。湾岸を迂回すると西岸ルートを北上してきたLondon & North Western鉄道-Caledonian鉄道連合に対する優位が逆転してしまうため、湾口に延長3km近い橋を架けることを決断。1890年に完成。

Dalmery駅で下車し、徒歩10分程で海岸に出る。

(写真はクリックで拡大します)

橋がやたらと巨大で、列車を入れて撮っても殆ど見えないが、鉄道写真に車両が写ってないのも何なので、列車通過を待って撮影。Edinburgh近郊路線なので、10分置き位に列車が来る。

丁度この日は豪華クルーズ船が来航していて、沖泊めした船から乗客をランチで港に運んでいた。豪華といっても、中身は豪華かも知れないが、外から見たら海に浮かぶ巨大アパートにしか見えない。

全景を入れようと思ったが、ズームを広角側一杯(18mm)まで開いても南岸側のガーダ橋がアングルに収まらない。

ガーダ橋部にHST125編成が全部入ってしまった。

あと何回かForth橋ネタで引っ張ります。 

 

 

 

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英国通信 20 Royal Border Bridge

2017-07-09 20:03:05 | [jp] 鉄道施設

世界で最も叙情的な鉄道構造物、と言われる、Royal Border Bridgeを見て来た。

この橋は、EnglandとScotlandの国境の街、Berwick upon Tweedにあり、Tweed川を28連の石造アーチで越えて、北岸のBerwickの街に達している。Berwickは城塞都市で、旧市街は函館五稜郭の様な防塁に囲まれていて、防塁は今でもほぼ完全な姿で残っている。城は防塁の外にあったが、城跡に駅が造られている。

橋はTweed川を南北に渡っている。南岸側には橋を見渡せる場所は無く、写真は横からか北側から撮るしかない。駅の近くに展望台があるが、北東からのアングルになり、夏場の早朝でないと順光にならない。よって今回わざわざ前泊した訳だが、生憎の曇り空で、満足な写真は撮れなかった。

 (写真はクリックで拡大します)

日曜の早朝で列車本数も少なく、効率も悪かった。IEPの運行が始まったらここに撮りに来ることにし、今回はその練習ということにしておく。見応えのある橋なので、行っただけのことはあった。夜はライトアップされるらしいが、そういった演出は余り好きでは無い。

因みに、この橋は、York, Newcastle & Berwick鉄道により1847-1850に3年以上掛けて建造されたもの。1846年にNorth British鉄道によりBerwickからEdinburghまで開通していたので、この橋の完成によりLondon - Edinburgh間のレールが繋がった。

 

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