ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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絶妙な野田内閣の党閣僚人事

2011年11月13日 | Weblog


 
 「パッとしないという評価がある内閣人事。サプライズも目玉もなく、官房長官は、藤村WHO? といわれるほど知名度のない人物である。しかし、私は、この人事は絶妙なバランスの上に立っていると思っている。

 その象徴は幹事長人事である。輿石東参院議員会長を据えたことに対し、大方は、小沢系が金と人事を握る幹事長ポストを得た、と見ているが、そうでもない。輿石は、小沢の直系で小沢の影響を受けている、という見方は違う。むしろ小沢自身が極めて気を使っている人物である。

 こんなエピソードがある。輿石と小沢が料理屋で会合をするときには、必ず、小沢が先に来ている。待ち合わせの時間の二、三分前になると小沢が席を立ち、玄関に迎えに出る。なぜ気を使うか。
 それは小沢が自民党幹事長時代からねじれ国会を経験し、参議院が国会運営で最も大事であることを知っているからだ。輿石は参院議員会長として長年ドンと言われてきた人物である。彼をないがしろにして政権の維持はできないというのが小沢の考えであろう。

 小沢系の議員は「今後、輿石さんに迷惑をかけられないから、野田首相にはあまり強いことは言えないな」ともらしていた。小沢からすれば、輿石幹事長は半分人質をとられたような形であろう。
 
 小沢系に幹事長ポストを譲ったように見せながら、実はこの力関係を知った上での人事――。

 野田佳彦首相は、民主党代表選の演説で、書家・詩人の相田みつを氏の「金魚のまねすることねんだよなあ」という作品を引用し、「ドジョウにはドジョウの持ち味がある。金魚のまねをしてもできない。泥臭く、国民のために汗をかいて働いて、政治を前進させる。ドジョウの政治をとことんやり抜きたい」と語ったが、ドジョウと言いつつ、なかなかしたたかな人物である」

 

 
 2011年9月2日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」でジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「絶妙な野田内閣の党閣僚人事」
 
を聞き書きしました。


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