作家の高見順が戦争中に書いた「敗戦日記」(中央公論新社刊)の、この言葉が心に残った。
「家に閉じこもり『カラマゾフ』と格闘。正に格闘だ。第一巻四百二十頁読了。第二巻にかかる。」
「書け、病いのごとく書け」
「業のごとくに書け」
「病のごとく書け 痴のごとくに書け 日記においても然り 自己反省のため、自己鍛錬のため(否、実際は、自己慰楽か)の日記、――かように考えていたが、目的などいらぬ。作用を考えるに及ばぬ。病のごとく書け。」
作家の高見順が戦争中に書いた「敗戦日記」(中央公論新社刊)の、この言葉が心に残った。
「家に閉じこもり『カラマゾフ』と格闘。正に格闘だ。第一巻四百二十頁読了。第二巻にかかる。」
「書け、病いのごとく書け」
「業のごとくに書け」
「病のごとく書け 痴のごとくに書け 日記においても然り 自己反省のため、自己鍛錬のため(否、実際は、自己慰楽か)の日記、――かように考えていたが、目的などいらぬ。作用を考えるに及ばぬ。病のごとく書け。」