ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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氾濫する“無資格違法マッサージ店”でけが人続出

2013年08月22日 | Weblog

 2013年8月5日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「氾濫する“無資格違法マッサージ店”でけが人続出」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 けさの産経新聞に「マッサージ店『けが人』続々 あばら骨折・脊髄損傷・皮膚障害…背景に無資格施術」という記事がある。これによると、マッサージ、指圧、整体、カイロプラクティックといった医療類似行為ついて、国民生活センターと全国の消費生活センターに寄せられた相談は昨年度、1,265件で過去最多だったという。例えばこんな被害が出ている。

 「ブキッ」。埼玉県に住む女性(60代)は近所のマッサージ店で1時間半にわたって全身の指圧を受けたとき、鈍い音とともに胸に激痛を覚えた。息ができないほどの痛みだったが、数分で元に戻ったため、施術者に何も言わずに帰宅した。しかし、その夜に発熱して痛みが再発したため、整形外科で診てもらったところ、あばら骨の骨折と判明。全治1か月の重傷だった。

 ほかにも、「背骨を強い力で押されたことによる神経・脊髄損傷や、おきゅうでやけどしたという皮膚障害、関節を無理にひねられたことによる捻挫」などが報告されているという。

 ちなみに、国民生活センターが12年8月に発表した「手技による医業類似行為の危害 整体、カイロプラクティック、マッサージ等で重症事例も」によると、20~60歳代の約3,000人を対象としたアンケート結果では、手技による医業類似行為の利用者は「マッサージ」33%、「整体」27%、「カイロプラクティック」16%に達する。そのなかには以下のような事故が報告されている。

 愛知県の女性(40代)は、腰部椎間板ヘルニアの持病があり、評判の良い整体へ行ったところ、「2日おきに通って」と言われ、3回目に、腰から足へ激痛が出て、救急病院送りに。

 北陸の女性(30代)は、体のゆがみを直すとの広告を見て整体サービスを受けに行ったところ、逆に腰が痛くなり病院に通うハメに。

 神奈川県の男性(60代)は、健康ランドでマッサージを受けたところ、腰、脚に痛みが出て歩行困難になり、1か月間、仕事もできない身体になってしまった。

 東京都の女性(30歳代)は、接骨院でカイロプラクティックのコースを受けたところ、肋軟骨を負傷し、頸椎捻挫に陥った。

 神奈川県の女性(50代)は、お試しのハワイアンオイルマッサージが良かったので全身マッサージに行ったところ、背中などをグリグリと痛いくらいマッサージされた。数日後、首や頭の周りが痛くなり、病院に行くと、頸椎捻挫と診断された。

 こうした被害を与える店の大半は、無資格で医療知識の乏しい人がマッサージをしている。本来、手技による医業類似行為は、国家資格が要る。

 「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」の第一条には「医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許を受けなければならない」とあり、「何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法の定めるところによる」(第十二条)となっている。違反者は「50万円以下の罰金」である(第十三条の七)。

 だが世の中には、無資格の○△整体、○○マッサージ、△△カイロプラクティックといった店が溢れているのが現実である。もはや行政に取り締まる意思は見られない。無資格の店とは知らずに入って大ケガをしても、自己責任となってしまいそうだ。そういうなかだからこそ、マッサージに行く場合は、事前に情報収集して自己防衛する必要があるのではないか?(佐々木奎一)


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