ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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自公320議席超、民主崩落、維新は分裂の兆し!?

2012年12月17日 | Weblog

2012年12月17日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「自公320議席超、民主崩落、維新は分裂の兆し!?」
 
を企画、取材、執筆しました。

 


 けさの各紙は昨日投開票の第46回衆院選で、自公が320議席超で圧勝したことを報じている。自公政権は、参院のねじれにより否決された法案の再可決に必要な、衆院の3分の2を超える議席を確保したことになる。

 一方、民主党は公示前から173議席減の57議席。各紙は一面に大見出しで「民主惨敗」(読売新聞、日本経済新聞)、「民主、壊滅的敗北」(朝日新聞)、「民主50台 壊滅的敗北」(毎日新聞)と報じている。

 民主崩落の象徴は、田中角栄以来の強固な地盤を誇った新潟5区で田中真紀子文科相が落選したことだ。奇しくも昨日は田中角栄の命日だった。

 ほかに藤村修官房長官(大阪7区)も落選。現職の官房長官の落選は、1947年の長官ポスト創設以来初めてという。

 ほかに、仙谷由人元官房長官(徳島1区)、平野博文元官房長官(大阪11区)、樽床伸二総務相(大阪12区)、小宮山洋子前厚労相(東京6区)、松本龍前震災復興担当相(福岡1区)なども落選した。

 なお、菅直人元首相(東京18区)、海江田万里元経産相(東京1区)、原口一博元総務相(佐賀1区)は、小選挙区で敗北したが比例で復活当選した。

 野田佳彦首相は、「痛恨の極みだ。政治は結果責任。厳しい敗北に至った最大の責任は私にある。重く受け止め、代表を辞任する」と表明した。

 一方、民主党から分裂した小沢一郎氏を中心とした日本未来の党も9議席と公示前の61議席から大幅ダウン。小沢王国といわれた岩手県の小選挙区でさえ、小沢氏以外は全員落選。小沢氏の側近の東祥三・元国民の生活が第一幹事長(東京15区)、山岡賢次元国家公安委員長(栃木4区)らも落選。小沢ガールズの三宅雪子氏(千葉4区)、太田和美氏(福島2区)、姫井由美子氏(千葉8区)、岡本英子氏(神奈川3区)らも落選した。

 1993年の細川政権の発足以来、日本の政治は「小沢中心に政治が回っている」とも言われてきたが、転換点を迎えたのかもしれない。検察や官僚組織、新聞、テレビの大手メディアによる小沢バッシングを原因とする見方もある。それとともに、311の大震災後、小沢氏は被災地岩手県が選挙区にもかかわらず、剛腕を振るって被災地に利益をもたらした形跡はない。この点を有権者はみていたのかもしれない。

 一方、日本維新の会は54議席となったが、早くもほころびがみえはじめている。読売新聞によると、自民党政権への対応について、国会議員団代表の平沼赳夫氏が、憲法改正を巡る連携が必要だ、と明言するなど旧太陽の党の出身議員を中心に協力への積極論が根強いのに対し、橋下徹代表代行は「みんなの党とか民主党の一部と、政権党に対抗できるグループを作っていかなければいけない」と強調し、「考え方が一緒の人と一つの政党を作るべきだ」と新党結成にも言及したという。維新は早くも分裂の兆しを見せている。

 今回の選挙は、09年の政権交代以来の民主党の政治に対し、国民が審判を下したものといえよう。その結果、漬物石のように安定した政権を望む気分が国民の間に広がり、自公が圧勝したといえるのではないか。しかし、独裁を好まない日本では、今後、民主党に代わる新たな巨大野党勢力が生まれるかもしれない。(佐々木奎一)


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