ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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参院選の争点「憲法改正手続き」、日本だけ厳しいって本当?改憲手続きの海外事情

2013年05月23日 | Weblog

2013年5月3日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「朝刊ピックアップ」で記事 
 
「参院選の争点「憲法改正手続き」、日本だけ厳しいって本当?改憲手続きの海外事情」
 
を企画、取材、執筆しました。

 

 この夏には参院選挙がある。そこでにわかに争点化してきたのが「憲法96条」改正だ。

 憲法96条とは、「衆参の両議院」で総議員の「3分の2」以上の賛成で発議した上で、国民投票で過半数の賛成を得て、初めて改正が実現するという規定。

 この衆参の「3分の2」がハードルが高いので「2分の1」に下げようというのが、争点となっている「96条改正」である。

 96条改正に賛成している政党は、自民党、日本維新の会、みんなの党、新党改革。公明党は曖昧なスタンスだが自民党と連立して選挙協力をしている党である。

 一方、96条改正に反対しているのは、民主党、共産党、生活の党、みどりの風、社民党など。新党大地は4月30日現在、まだ方針をまとめておらず協議中。

 なお、日本憲法のように、通常の法改正に比べ改正条件が厳しい憲法を「硬性憲法」と呼ぶ。反対に、通常法と区別しないのは「軟性憲法」という。諸外国をみると、大半が硬性憲法である。例えば、憲法改正に次の手続きをしている。

 米国では上下両院の出席議員の3分の2以上の賛成で発議し、全50州のうち4分の3以上の州議会で承認が必要。

 ドイツでは連邦議会、連邦参議院のそれぞれ3分の2以上の賛成が必要。フランスは両院の過半数に加え、両院合同会議の5分の3以上の承認がいる。イタリアでは、各院の過半数の賛成の後、3か月以上経過した後に、各院の3分の2以上の賛成、又は国民投票が必要。韓国では国会の3分の2以上の賛成を経た上で、国民投票を実施する。

 デンマークでは、国会の過半数の議決後、総選挙をした後、再度、国会で過半数の議決を経た上で、国民投票をする。カナダでは各院の過半数の議決に加え、3分の2以上の州議会の承認が要る。

 このように3分の2以上の議決が必要な国は多い。では、それにより憲法改正がされていないかというと、そうでもない。戦後の改正回数はアメリカ6回、フランス27回、ドイツ59回、カナダ19回、デンマーク1回、韓国9回とハードルが高くても改正している。(参考4月13日付東京新聞朝刊)

 こうした海外の事例は、有権者にとって参考になるのではないか。(佐々木奎一)


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