2013年5月10日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「今日のニュースに一言」で
ジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
「まさに『今でしょ!』? 二木啓孝が語る、橋下維新代表の出馬次期」
を聞き書きしました。
「日本維新の会」が足踏み状態になっている。共同代表の石原慎太郎氏が7日の維新国会議員団の会合で「参院選をどう戦うかが重要なのに、維新は賞味期限をむかえつつある」と挨拶したのは、決して暴走老人の暴言ではない。
昨年暮れの総選挙では、自民、民主とは違う「第三極」勢力の中心として注目されたが、安倍政権が高い支持率を維持するようになって、その主張が似通っていることから、自民党の補完物的な存在になっているのだ。
加えて橋下徹代表、松井一郎幹事長の在阪指導部と、東京の国会議員団との連携がうまくいかず 、ギクシャクが表面化している。
だから、7月の参院選に向けた準備も遅れがちで、「みんなの党」との候補者調整が進まない中で候補者を立てて、共倒れの可能性も出てきた。
維新の政党支持率も月を追うごとに低下中だ。昨年12月から今年3月までの各月の支持率は、日本経済新聞の調査では11%→6%→7%→6%と半減。読売新聞の調査に至っては8%→7%→5%→2%と激減している。橋下氏が言う「ふわっとした民意」は離れているように見える。
起死回生策はあるのか。石原氏は「橋下君の参院選への出馬を議員団の総意として伝えないといけない」と述べていたが、たしかに打開策があるとすれば、橋下氏が市長を辞めて国政選挙に出ることだろう。
維新人気の9割は橋下人気と言ってもいい。今のところ本人は「一部の国会議員からメールをもらったが、市長を辞職して、ということはできない」(7日)、「僕が国会議員になったって、税金の無駄使いですよ。もうずっと議員宿舎に閉じこもったままで、近くのラーメン屋かそば屋台に毎日行って、あとは誰とも会わずにずっと閉じこもったまま。そんなことで議員報酬をもらったら失礼ですよ」(9日)と重ねて否定しているが、このままでは維新は賞味期限が切れて、安倍自民党の尻押し部隊になりかねない。