ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

※ブログ下記移転しました(2015年7月以降)
http://ssk-journal.com/

対岸の火事ではないチェニジア〝情報革命〟

2011年02月03日 | Weblog


 「チュニジアで起きたジャスミン革命が北アフリカから中東全域へ拡散しそうな勢いだ。エジプトのムバラク政権はもはや風前のともしびで、革命成就は時間の問題といってもいいだろう。反政府デモはさらに、イエメン、ヨルダン、アルジェリア、モーリタニアなどでも始まっている。(略)

  この革命の背後には、日本をはじめ世界中で起こりつつあるもうひとつの「革命」がある。それは、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブ、ユーストリームといったソーシャルネットワークによる情報革命だ。

  チュニジアのジャスミン革命の発端は、26歳の青年青果商の焼身自殺事件だった。地元警察の嫌がらせで商売道具の屋台を没収された青年が、自殺を図った事件である。それが、ツイッター、フェイスブックなどを通じてまたたく間に国中の若者に広がり、政府批判へのきっかけとなったというのだ。

  事態収拾を目指したベンアリ前政権に追い討ちをかけたのが、ウィキリークスが公表した米大使館の公電だ。そこには、前大統領とそのファミリーの豪奢な暮らしぶりがリポートされていた。国民の怒りは頂点に達し、各地のデモが過激化する。そのようすがまた、衛星テレビ局アルジャジーラやユーチューブなどのソーシャルメディアを通じて全世界に配信された。また、民衆はツイッター、フェイスブックなどを使って情報を共有し、デモ参加者を膨らませた。

  前政権は、国内のインターネット回線を遮断したが、それがかえって火に油を注ぐことになり、ついに前大統領の一族は亡命を余儀なくされたというわけだ。(略)

 かたちのない「情報」という妖怪はどんな小さな隙間でもすり抜け、ソーシャルメディアなどを通じて一瞬にして全世界に広がり、市民社会を動かし始める。新聞やテレビがメディアの中心だった時代は明らかに変わりつつある。そしてこれは、けっして対岸の火事ではない。(略)

  国民にウソや隠しごとをする政権の末路は惨めなものだ。政権を担う人たちはそれを肝に命じたほうがいいだろう。」(抄)

 
 

2011年1月31日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号で

週刊朝日編集長・山口一臣氏の記事

「対岸の火事ではないチェニジア〝情報革命〟」

を聞き書きしました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。