平成二十六年一月十七日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「朝刊ピックアップ」で記事
「年間4千人超、交通事故死が自動運転車で激減?」
を企画、取材、執筆しました。
昨年一年間で交通事故で亡くなった人の数は、4373人――。実に一日当たり12人近くもの人が亡くなっていることになる。その中には、常習的に乱暴な運転をする悪質ドライバーや、よそ見や居眠り運転により人をひき殺すケースも多い。
そうした中、けさの産経新聞に「実現なら事故が激減、渋滞も緩和 夢の自動運転車」という記事がある。それによると、人間の代わりに機械が運転する「自動運転車」の開発を自動車メーカーが進めており、自動車業界では、「交通事故撲滅の切り札」として期待されているという。「事故原因の9割超は脇見運転など人為的ミス。センサーなどで周囲を把握しながら走行する自動運転技術が確立されれば事故は劇的に減少する可能性がある」のだという。
記事では自動運転車の仕組みを図解している。それによると、自動運転車の前面と屋根にはGPS(衛星利用測位システム)を使った「周辺監視センサー」があり、レーザーで周辺環境を認識する。また、屋根の前面には「前方確認センサー」と呼ばれるカメラがあり、交差点の信号などを認識する。「ハンドル」は白線を踏み出さないよう自動で走る。これらの機能により、車間距離を調整したり、見通しの悪い交差点で衝突を防いだりできるのだという。
技術開発で先行する米グーグルは、07年に自動走行実験を開始しており、すでにネバタ州、カリフォルニア州では公道で試験走行ができる法案が成立。2017年には商用化する予定。
トヨタは、運転手主体は運転手であることを前提にした運転支援システムを開発しており、来年以降の商用化をうたっている。日産は、2020年までに完全自動運転車を複数車種で導入する計画。ホンダも2020年までに商用化する予定で、昨年10月には無人運転で空きスペースに入る技術を披露している。
なお、今後の課題は、自転車などが複雑に行き交う街中で周囲の動きを認識し、ハンドル、ブレーキ、アクセルを最適に操作するため、膨大な量の情報処理する人口知能の開発。悪天候時にも正確に作動するレーザー、カメラの高性能化。一台数千万円の高コストの改善、道路交通法の改正などがあるという。
仮に今後、これが市場に出回り、本当に交通事故の悲劇を減らしていけるならば、違反や事故の多い危険なドライバーには「自動運転車限定」免許の取得を課すとよいかもしれない。(佐々木奎一)