2011年1月31日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
「朝刊ピックアップ」で記事
「アジア杯決勝、ザック監督の指示に両手で×印のワケ」
を企画、取材、執筆しました。
キーワードは「×印」
サンケイスポーツによると、ザッケローニ監督は「練習後も常に選手に声をかけ、食事時には選手の他愛のない会話にも耳を傾ける」「会見では出場機会のなかった選手、負傷離脱した選手をたたえた」といった姿勢でチームの和を心かげていたという。
しかもスポーツ報知によると、監督の「和」を重んじる信念は欧州チーム監督の時代からずっと変わらないものだというから、「筋金入り」といえそうだ。
もともと日本代表はチームの「和」が持ち味なので、はからずも監督と選手たちの「気質」は、はじめから合致していた。決勝戦ではそれを象徴するかのような、こんな場面もあった。
それは後半6分。監督が、長身の岩政大樹を守備に投入しようと決断したときのこと。岩政がピッチに入ろうとした瞬間、なんとDF今野泰幸が両手で×マークを出して、いったん交代が中止となったのである。
スポーツニッポンによると、×印のワケは「3ボランチ(中盤のポジション)はやったことがないし、(ケガで)ボランチは無理だった」(今野談)。
こうしてベンチに戻った岩政とザッケローニ監督、コーチ陣が話し合う間、選手たちも試合中に器用に話し合い、MF遠藤保仁が選手の総意として代替案をベンチに伝え、なんとその意向を監督が受け入れたという。
しかも結果的にそのフォーメーションにより、左サイドバックから左MFに上がった長友が、決勝点をアシストすることになった。監督と選手が一体になってあげた得点であり、戦略、戦術を、監督と選手間で理解し合えていることを物語るエピソードといえそうだ。
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2011/01/31/kiji/K20110131000157340.html