ジャーナリスト活動記録・佐々木奎一

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二木啓孝氏が語る、TPP公約とガス抜き党会議の裏で置き去りにされる有権者

2013年10月29日 | Weblog

 平成二十五年十月十一日、auのニュースサイト EZニュースフラッシュ増刊号
 
「今日のニュースに一言」で
 
 ジャーナリスト・二木啓孝氏の記事
 
「二木啓孝氏が語る、TPP公約とガス抜き党会議の裏で置き去りにされる有権者」
 
を聞き書きしました。

 

 本当は「関税の聖域は守れない」と、自民党のTPP賛成派も反対派も思っていたのではないのか。

 バリ島で行われたTPP交渉の首脳会談で安倍晋三首相は「年内合意への大筋合意」を了解した。日本が「関税自由化に反対する聖域5項目」⇒①コメ②麦③乳製品④牛・豚肉⑤砂糖など甘味料は、交渉する時間もなく自由化にさらされることになった。

 自民党は昨年暮れの衆院選で「聖域なき関税撤廃を前提にする限り、交渉参加に反対する」という公約を掲げ、今年7月の参院選でも「重要5品目の聖域は確保する」と掲げた。TPP合意は、どう見ても公約違反⇒有権者への説明ナシの政策転換だ。安倍首相は自民党に「5項目の製品別586品目について点検する」ことを指示し、昨日開かれたTPPの自民党合同会議では100人以上の議員が出席し、「公約違反だ」と批判が噴出した。例えば、「自民党の失墜は計り知れない」「今まで守ってきた関税はTPPでも守るのが必然だ」「検証の結果、586品目全ての関税を維持できるのか」「守らなければ交渉脱退する覚悟で臨むべきだ」といった批判だ。

 しかし、反対派もホンネでは守れないと思っているはず。仮に5項目を死守すれば関税の自由化率は93.5%。他国は100%を主張し、強気の米国でさえ自由化率95%だから、日本はそれ以上の「ワガママ」は通らない。

 そもそも、安倍首相の成長戦略は「日本製品を海外に売って、海外からも資本や製品を入れる」自由市場での経済活性化路線。それを高い関税でカベを作っていては成り立たない。つまり、聖域5項目を守ることは最初から無理である。そのことはTPP反対派も分かっていたはず。本当に聖域を守るなら、まず安倍戦略に異議ありと言わねばならないが、この高い支持率の内閣にはタテつくわけにはいかない。

 昨日の自民党合同会議での議員たちの批判は、ガス抜きで、選挙区に帰った際に「5項目譲歩には最大限に抗議した」というエクスキューズつくりだ。

 むしろ問題なのは、2回の国政選挙で掲げた公約に対しての有権者への説明である。


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