哀愁のHammaren

程よく過ごしやすい季節が過ぎ,冬の気配さえも少し感じてしまう今日この頃

今回は数年前のそんな時期に伝説となったある選手について紹介したい。

今回紹介するのはシェル・ヨハンソン

またオールドファンにとってまた堪らない名前を出してしまった

60年代後半から70年代にかけて活躍した選手で,フォアハンドのスマッシュ強打を得意としている。

これがスイングスピードがなかなかの速さで,顔面を腕で巻き込まんばかりの振り切りようが目立つ。

半ばミドルネームみたいにつけられた｢Hammaren(ハマレン)｣は,その特徴的なスマッシュに由来するためについたと考えられる。



動画の前半に少しだけ出てくるのだが,強打の時のフォームは豪快そのもの

振り切る瞬間は思いっ切り身体を回しているのが分かる。

ただ,スイングの途中で肘がちょっとブレているのが気になるが

その豪快さを持ち味に,ヨーロッパ選手権でもチャンピオンになるだけでなく,73年世界選手権ではダブルスと団体で優勝。

肝心のシングルスでは中国の希恩庭を相手に競り合いにもつれ込むも,エッジボール2本続けざまにお見舞いされて敗れると言う悲運の持ち主でもある。

そんな輝かしい経歴の持ち主のヨハンソンだが,去る2011年10月24日,骨髄腫が原因で65歳でこの世を去った

最近復権の兆しを見せているスウェーデンだが,あの世からどんな思いで見守っているのだろうか。

では,また

カリスマ去る

昨日ネットニュースで見たのだが,結婚と出産で実戦から遠のいていた福原愛ちゃんが,とうとう引退を表明。

思えば幼くして卓球を始め,その世代の中でタイトルを総なめして注目を集め,世界選手権やオリンピックでも活躍

特に世界卓球パリ大会に出た時のことは,当時の卓球レポートを見て驚いた覚えがある。

同じ世代の選手としては,卓球そのものを世に知らしめた功労者なのは間違いない。

ただ,特に結婚前までの晩年に言えることなのだが,けがや思わぬ敗北で苦しんだのは見ていて辛かった


ブレイクのきっかけの1つ,世界卓球パリ大会より。

今後は選手とは違う形で,卓球界に関わっていくとの事。

愛ちゃんがいなくなる分,若い選手たちには頑張ってほしいものだ

ありがとう,そしてお疲れした,愛ちゃん

東北の伏兵 Part2

性懲りもなくまた選手紹介

今回紹介するのは鵜養大輝

現在東北大学に籍を置く4回生で,ドライブマン全盛のこのご時世においては珍しいペン粒の選手の一人である。

今活躍しているペン粒の中でも,ブロックの堅実さはピカイチ。

特徴的なのはそのラケット角度の使い方で,とにかくヘッドを下げてカット性ブロックを繰り出すため,初見ではもはやツッツキの延長線上かとツッコミたくなるほどである。


今年のインカレの1回戦・対専修大戦より。

相手は鵜養と正反対の出雲北陵から来たエース・郡山北斗

サウスポーの郡山の切れ味鋭い両ハンドドライブに対し,持ち前のブロックで確実に止めている。

それによって帰ってくるボールの球種があまりに変化が激しいため,相手もミスを連発しているのが分かる。

レシーブもフォアハンドの軽い流しで無理なく入れ,得意の展開への伏線にしている。

バックショートもさることながら,台から少し下がった時のフォアのブロックに至っては最早カットかと言うぐらいのオーバースイング

しかも粒高のままフォアでスマッシュしたりシュート気味に打ったりと,攻撃面でも癖がある。

この一戦が,鵜養大輝と言う存在を全国的に知らしめるきっかけとなった。

その多彩な技術とトリッキーな戦い方で,いつの日か張本をはじめとするドライブマンたちに対抗してほしいと思う

では,また

紳士の国のニュースター

10月に入ってやっとの更新

今回はところ変わってイギリスのある選手について少し。

イギリスと言えば2016年世界卓球でブレイクしたピッチフォードとかウォーカーを思い浮かべられる方もおられると思うが,さにあらず。

今回紹介するのはティンティン・ホウ

今年20歳になったばかりのニューホープで,ヨーロッパから出た数少ないペンホルダー表ソフト速攻型である。

小気味よい連打を武器に,今年のヨーロッパ選手権では,ピッチフォードと組んだ混合ダブルスでベスト16に食い込んでいる。


スティガの公式チャンネルのインタビュー。

練習場以外にも,リビングや寝室の紹介もされているので,恐らくは実家暮らしでありながら日々鍛錬を重ねているようだ。

動画では父のリチャード氏や,兄(弟か?)とのゲーム練習の様子も見られる。

男子はブレイクによって知名度を一気に高めたが,女子に至ってはまだまだ未知数な印象。

なので,彼女を筆頭に日本の好敵手の一角として,成長を期待したい。

では,また