読書の記録

評論・小説・ビジネス書・教養・コミックなどなんでも。書評、感想、分析、ただの思い出話など。ネタバレありもネタバレなしも。

中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?

2012年12月01日 | エッセイ・随筆・コラム

中の人などいない @NHK広報のツイートはなぜユルい?

NHK_PR1号

 おそらく企業広報としてのツィッターとして最も成功しているNHKのnhk_pr。
 以前から、タダ者ではないと思っていた。おそるべき全体を見渡す洞察力、そこまでやるかという実行力というかその度胸、体力と執念深さ、アイデア力。そしてかなりのボキャブラリー。ユルい軟式のヒトを装っていながら、実は相当のツワモノであるとふんでいただけに、本書を読んでやっぱりそうか! と思った。

 だいたい、あの震災の状況下でユルいツイートを再開させた度胸がまずあっぱれだが、そのクレームに対してのコメントがすごい。

 「不謹慎ならあやまります。でも不寛容とは戦います。」

 並みの言葉ではない。

 自分の胸に手をあてても、ゼッタイにこのコトバは出ない。仮に僕がクレームに反論を試みたとしても「不寛容とは戦う」というコトバは絶対に思いつかないだろう。それを推敲に推敲を重ねる小説や論文ではなく、ツイートというテンションの中でやりのける。

 その一方で、プロフィールの時計が3時をさしているのは「おやつの時間」だから。

 

 これはもう確信に近い想像だが、NHK_PR1号はかなり優秀な女性ではないかと思う、たぶん。あえて女性を装っている男性というセンもあるが、どうもこの人の仕事ぶり(ツイートぶり)は、何かと予防線やレギュレーションを守りたがる男性にはできない芸当な気がする。

 で、本職は構成作家かシナリオライターに違いないと思うのである(まったくの憶測。違ってる可能性大)。
 だからこそそうとう場面状況を描くことに長けており、また効果的なコトバをボキャブラリーの中から持ってくることができる人なのである。140字という短い枠の中に言いたいことをちゃんといれてこれる技術も、短い秒数内にコトバをおさめなければならない放送作家なら持ってしかるべき技術だろう。


 ただ、そんなプロファイルなんかどうでもよい。この人を採用したNHKは大当たりである。もし、この人が民放局や他の企業へ行ってしまっていたら、今頃、日本の企業ツイッターは10年遅れたかもしれない。

 


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« レッドアローとスターハウス... | トップ | ノーベル平和賞で世の中がわかる »