中年おじさんの散策part2-3

東京都内・海外の散策を楽しんでいる叔父さん。いろいろなところを散策し記憶として記録しています。よろしかったらご覧ください

散策(案内)136 「東京中心部南 618」 高輪消防署二本榎出張所

2021-06-14 06:42:34 | 東京中心 南

このブログは「中年おじさんの散策」3の継続版です 

この企画は 私が引率します sosamu@ya2.so-net.ne.jp

参加したい方はご連絡ください。090-3436-8532 ネットでカルチャー(散策・グルメ) https://blog.goo.ne.jp/sosamu25

 

高輪消防署二本榎出張所
東京港区の高輪消防署二本榎出張所
火の見櫓は今も昔も町のランドマーク、
                                                                高輪に建つ築76年のモダン消防署
 本日は東京高輪にある昭和モダンな消防署のご紹介。
 冒頭の写真でご覧いただいた搭の付いた何となく愛嬌のあるこの建物が、今回紹介させていただく高輪消防署二本榎出張所だ。昭和8(1933)年に竣工したこの消防署、何と今も現役の消防庁舎として使われているという、まさに町の生きる文化財といった存在の建物である。
 個人的にはこの建物を見に行くのにはお気に入りのコースがある。
 それは品川駅を下車し、第一京浜を泉岳寺方面を北上するというルート。駅を降りて間もなくは、最近建てられた品川駅東口のビルばかり目について少し面白みがないが、5分ほど歩くと進行方向左側(西側)に桂坂という坂がある。湾曲でかなり傾斜のある坂だがそこを上っていくと、周辺には古い洋館や戦前に建てられたコンクリート製のモダンな区立高輪台小学校など風情ある佇まいの建物が幾つかあり、坂のきつさはあまり感じない。そして桂坂のゴールに建っているのが、この二本榎出張所(消防署)だ。
 実は二本榎出張所は町のいちばん高台にあり、最近では周辺に幾つかの高層建築が建てられているが、竣工当初この塔は、まさに火の見櫓の役目を果たしていた訳だ。実際にこの周辺を歩いていただくと、どうしてこの場所に消防署が置かれたかというのが分かっていただけるのではないかと思う。
 また、このような火の見櫓の付いた鉄筋コンクリート製の消防署は、大正12(1923)年以降かなりの数が建てられたというが、戦後になり徐々に姿を消していったという。
 そして今回紹介している消防署も今から二十数年前に解体が予定されていたが、地元の人や日本建築学会など有志の運動により保存が決定し、今も現役の消防庁舎として使われ続けている。
 ちなみに二本榎出張所の周辺には、先に紹介した建物のほかにも、同時期に建てられた高輪教会や、坂下には明治学院の歴史ある学校施設などがあり、その街並みの中心(高台)に、町のシンボル的な存在としてこの消防署が建っている訳だ。
 そして何より、偽物ではない本物の歴史的建造物が町の象徴として残り、それが大切に使われて続けているというのが素晴らしい。坂の上にこんな素敵な建物があってこそ、高輪の町は輝いているのではないかとも思ってしまった。

◆高輪消防署二本榎出張所
 ◎設計:越智操(警視庁)
 ◎施工:間組
 ◎竣工:昭和8(1933)年
 ◎構造:鉄筋コンクリート造り2階建て、一部3階
 ◎所在地:東京都港区高輪2-6-17

 

 

 

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