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木蓮の「7つの言葉」を探す日記

小説、PSO&PSU、アニメ(ぼく地球/エスカフローネ)、UVERworld、IT関連を木蓮の日記形式で書いています。

死霊。埴谷雄高。私にここまで小説を書きたいと思わせるもの。

2010-10-25 00:07:52 | 本関係
こんばんわ。木蓮です。

戦後文学の代表とも言われる作家の埴谷雄高さん。

この方は、知る人ぞ知る日本を代表する作家さんなのですけど、
たぶん文学を少しでもかじってない人には無名の作家さんだと思います。
超難解と言われる作風を持っているからです。

この方はよく言ってました。
「ぼくの作品は、分かる人だけに読んでもらいたい。」
19歳の時に、代表作『死霊』を読んでから、
その時に読んだこの本が未だに忘れないで残っています。



わたしみたいな文章を書くことが苦手な人を
本気で作家にさせようとしてしまう、
強烈なインパクトを持った内容です。

人に認められたいから作家になるのではなくて、
わたしがこれから先に一生悩み続ける問題を解決したくて、
書くことによってそれを打破したくて、文章を書こうと思います。

別に作家にならなくてもよいのでは?とも思いました。
そうかもしれません。

ただ、わたしが感じているこの問題は、
他の人、特にわたしと気の合う方皆さんが感じている問題と思うから、
そんな人に読んで欲しいと思うから書くんです。

埴谷雄高さんの『死霊』はそのことを私にはっきり感じさせてくれました。

エヴリン (Eveline : James Joyce)

2010-10-03 01:03:55 | 本関係
ジェイムス・ジョイス「ダヴリナーズ」に収められた短編の1つ。

文庫本7ページ分の短さ。
長い小説は私は好かない。短いほうがいい。
ただ、短すぎるのは中身を損ねる。

文学は結論を持たない。精神性・観念という質を映し出す。

ドストエフスキーの「罪と罰」「悪霊」「白痴」を
学生の頃の私は愛読した。
授業中に机の中に本を置いて、
渡された問題用紙にまったく手を付けない。
わたしにはこれが必要だったから。

エヴリンの筋は単純だ。

田舎町に住む年頃の女の子(エヴリン)が、
遠くから来た船乗りに恋をし、生まれ育った町を出て行こうと決心する。
女の子は、粗雑な父親への抵抗とと亡くなった母の思い出に浸る。
閉鎖的なこの町の空気から開放され、新しい世界に身を委ねようとしている。

その恋人と共に船出をしようとしていた瞬間、
「さあ、行こう」という言葉に、突如女の子は恐怖を覚える。
女の子の顔には、彼への愛情の色も、別れを惜しむ色も浮かんでいなかった。


 (写真:+cameraな毎日様からお借りしています♪)

エヴリンは、癖のある黒髪をいつもまとめず後ろに流していた。
くっきりとした輪郭をもった、彫りの深い顔立ち。
特に黒真珠のような瞳が、彼女の頑なな意思を相手に感じさせる。

デパートでの仕事が終わって、毎日の家事をし、
夜中に買い物に出かけ、偏った保守的な考えの父親に心が安らぐ暇がない。

この子は、一度自分が決めたらもう他の人の意見など聞かないだろう。
自分の願望をもってはいるが、いつもそれとは逆のことをしてしまう。
特に誰かと親密になろうともしない。
でも、そういう自分を変えようと努力する。

この子は短命に終わるだろう。
人生における大事な何かを紛らわせる術を持ち合わせていないから。
未成熟な精神。

このダヴリンの町は、どこか日本と似ている、ように私は思う。
だからこんなにも、エヴリンの顔がはっきり浮かんできたり、
親近感を感じるのだろう。

島国への想い。さんさんと輝く太陽と溶け合う時間。

2010-09-18 19:02:12 | 本関係
こんにちわ。木蓮です。

今日は、blogramというサイトで、栞友達となった、
「hopper-k」さんのサイト、
hopper-k's “ISLAND BOOK REVIEW”
についてトラックバックしたいと思います。

この方のブログは、
毎回更新楽しみにしています^^

紹介されている島国のことはもちろん、
hopper-kさんの思い入れの気持ちが伝わってきそうです。

島国の魅力について、
このブログを見て感じたことが多くありました。

大陸には、いろいろな人種、思想、風土が入り混じって成す1つの形が、大変興味をそそる部分も多いのですけど、自分にとって大切なものはそれほど多くないと思うのです。

島国は、いろいろな制限がある分、
その大切なものをじっくり考える時間がたっぷりあって、
安らぎとか充実感をわたしに与えてくれる存在なのかもしれません。

最新記事:
No.0053 “ 色のない島へ 脳神経科医のミクロネシア探訪記 ”


ミクロネシアの南方に浮かぶピンゲラップ島のお話。

「視覚障害」となって生まれてきた人はそれを欠点として考えず、他の健常者の人もその障害を当然のように振舞えるというのは、島国の一体感、倫理観、温か味を感じます。

わたしは想像でものを考えるのが好きなので、
このお話を読んでいて色んなことを想像していました。

これから、全地球単位で天変地異が起こって、人口が激減して、
大陸が分断された島国になってしまう、
という未来のイメージが沸いてきて、
それほど遠くない、島国のお話に親近感を感じていました。

つまり国という単位がなくなってしまって、
島国の中だけのコミュニティーとなった場合、
わたしたちは今とは違った未来を目指すのでしょうか。

すみれ色のそら

2010-09-16 00:52:57 | 本関係
現象を、繊細に見つめる力。または感性。

樹木の枝葉の先端だけが、風もないのにペラペラとゆれている。
音のない動き。ひとの微笑。


わたしの心に響いた言葉。心に映し出される風景。

ジェイムズ・ジョイス
 「ダブリナーズ(旧題:ダブリン市民)」
                新潮文庫 訳:柳瀬尚紀

 頭上にひろがる空は見る見る変る菫色(すみれ)、
 それに向かって、立ち並ぶ街灯がかよわい角灯をもたげた。



写真:+cameraな毎日+

この写真、綺麗でしかもとても幻想的でしたので、
使わせて頂きました☆

最近の読書:夜明けの街で 東野圭吾・著

2010-09-12 20:43:35 | 本関係
皆様、こんばんわ。木蓮です。

今日は土曜日から読み始めた、東野圭吾さんの文庫本についての感想です。

【タイトル】夜明けの街で
【出版社】角川文庫

【あらすじ】
不倫をするやつなんて馬鹿だと思っていた。
ところが僕はその台詞を自分に対して発しなければいけなくなる―――。

建設会社に勤める渡部は、派遣社員の仲西秋葉と不倫の恋に堕ちた。
2人の仲は急速に深まり、渡部は彼女が抱える複雑な事情を知ることになる。
15年前、父親の愛人が殺される事件が起こり、秋葉はその容疑者とされているのだ。

彼女は真犯人なのか? 渡部の心は揺れ動く。
まもなく事件は時効を迎えようとしていた……。

  ---

最初にわたしが見たまんまのあらすじを書こうと思ったのですけども、
文庫本の裏にある、あらすじ書きがうまくて、負けました・・・^^;

余談ですけど、このあらすじ書きを書くのも技がいりますよね。
まず最初はストーリーの全体のイメージが分かるキャッチコピー的な文言を入れて、
読む人にどんなお話がはじまりますよ、というのを準備してもらう。
この準備というものがないと、読者の理解に訴えることができない。

次に、物語りの背景を簡潔に書いて、このお話の趣旨を伝える。
ここは簡潔に書くということが大事。

最後にこの物語の醍醐味、見所を書く。できるだけ後味の残る文言を盛り込む。

あらすじ書きを見て、色々と考えさせられました^^
また他の本のあらすじ書きもよく見てみようかな♪

  ---

で、この本の感想。
わたし的には、この手の本、あまり興味ないですし、物足りないです。
でも、文章が非常に簡潔で、登場人物への感情移入の度合いがハンパないです。
この作家さんの手腕なんでしょうね。

秋葉は、いまどきの”本気になった”女性像に描かれていて、
彼女達は、もういまの生活に命を掛けてるんですよ。
男は今の生活と将来像、夢を追いかけているのですけど、
Nowが一番大事なんです。
でも、Nowを充実しようと思うと、とても色んなことを考えないといけない。

だからといって、わたしは彼女たちの考え方には賛成しませんけどね^^;

不倫なんていうのは、その傾向が強くでますよね。
妻帯者の男性をこんなひどい目に合わせてはいけません。。と思いながらも、
この渡部というひとは、ほんとしょうがないな・・・と思ってしまいます。

このお話、大体の不倫関係のどろどろしたお話と、
殺人事件というミステリー小説のお話を掛け合わせていて、
両方の才能がないと書けないものですね。

最後は、秋葉が渡部のこと、利用してたのよって告白があるのですけど、
ほんとの秋葉の気持ちは、神様だけが知っているっていう終わらせ方がうまいと思いました。

もう2日間というもの、空いた時間はずっと読んでました^^
通勤途中の電車で読むにはいい本です♪

14歳からの哲学 池田晶子・著

2010-08-27 00:22:20 | 本関係



こんばんわ。木蓮です。

今日はお仕事の帰り道に、
大阪・梅田の店舗改装が進んでいる紀伊国屋書店に行ってきました。

すごく通路が通りやすくなっていて、本棚の中の本が手にとってゆっくり吟味
できるぐらいのゆとりスペースになっていました。
あと、書籍検索パネルが一杯増えていましたね。

まだ店舗の半分は改装中だったため、
書籍の数自体が少なくて、欲しかった技術書の本は見当たらず・・・


代わりに人文科学の棚で
池田晶子さんの本を発見!

(いつのまにか、こんなに本が出てる・・・)

わたしが読み始めた頃、池田さんの本って
(初めて読んだのがこの前かいた残酷人生論)
数冊しかなかったのに、もう20冊以上陳列されていましたね。

その中の1冊
「14歳からの哲学」という本にかじりつくこと数十分。
この方の考え方は、私の源流にあることと同じだなとは、
ものすごく感じます。

わたしがいて、あなたがいて、
わたしとあなたが別々なのは何故だろう。
別々なこと、それが無性に嫌。

この本の感想はまた休日の日にでも書くことにしますね☆ミ

で、
何故か無性に、カニを一杯食べたくなったので(ほんと突然思ったんですよ!)
9月の連休はかに食べ放題ツアーにいくことにしました♪
兵庫県の浜坂~鳥取砂丘までの日帰り旅行プランがあって、
明日でも申し込んでおこうかな。

お相手も、いいよといってくれているので^^

ではでは、今日はこの辺で。

小説家鍛錬サイト:作家でご飯!

2010-08-25 01:02:27 | 本関係
こんばんわ。木蓮です。

いつもこんな遅い時間にしかブログ書けないですね・・・
もうちょっと時間の余裕が欲しいですね。

今日は、わたし最近見ている小説家志望者の為の鍛錬サイト、
作家でごはん!』について書きたいと思います。

このサイトは、自分の書いた小説をフリーで公開して、
誰にでも読めるようにしてもらえること、
また、読んだ人からコメントをもらえる有益なサイトのようですけど、
わたしの見た限りでは、コメントの質が悪すぎます;;

確かに人の作品を読んで、自分が思ったことをそのまま書けばいいのですけど、
あまりにも抽象的で相手を揶揄するようなコメントが多く見受けられので、
コメントを見ていると腹が立つくらいです!

確かに公開作品を何点か読みましたが、
はずれかなと思えるような作品が多いです。
(ここは、とりあえず自分の作品は棚に置いて発言しています。)

ですが、真面目に小説の技法を磨くことを目的として作品を公開し、
真摯なコメントを待っている人も少なからずいます。

わたしも気にいった作品があれば、最後まで読んで
コメントを書きたいと思います。
他人の作品を批評することも、自分が書く上での勉強になると思うので。

残酷人生論<著・池田晶子>

2010-08-10 01:02:03 | 本関係
この本に出会って私の人生は大きく変わったと思います。

初めて読んだのは17歳ぐらいの時でしょうか。
わたしはこの時期、ものすごく憂鬱な精神状態で、
毎日の日々を楽しむことができなくなってました。

この時期に考えたこと、目標にしていることは、
いまのわたしにしっかり根付いているし、
何を起こすにも精神的な礎となっているような気がします。

今日は本棚に眠っていたこの本を見つけて、
愛おしい様な、懐かしい気分になりました。

本を開けて目次を見てみると、
一番読んでいる章句の箇所に『◎』が付けてあります。

一番強く印を付けている箇所。
なぜ人を殺してはいけないのか

(・・・わたしはその手の方々とは考え方が違いますので悪しからず。。)

単純に思ったのですよ。何でだろうって。
ちゃんと答えられるでしょうか?

夕食の際、わたしの母親に同じ質問をしたら、
本に書いてあるのと同じことを言っていました^^;

数年振りにか読んでみましたが、当然のことを書いていました。
この当然なことが曲者ですね。

それは規則だからです。
日本では車が左側を走るのと同じような規則だからです。

当然です。
では何故みんな同じような疑問を抱くのか。
ここまで色んな偉い人達が何人も出てきて議論し続けるのか。
何故みんな納得できないのか。

著者の方の結びは、次のようになっています。
理由なんてない。何故人を殺してはいけないのかを問うこと自体がその人を殺してはいけない理由なのである。イエス・キリストが汝、殺すなかれと述べたとき、彼は規則を述べたのではない。いかなる理由によってかこの問いを所有する我々のこの思考の事実を述べたのである。

この結びは何か頭の奥をくすぐられる様な感触をもっていますが、
わたしはこの章句で、『価値観がすっぽ抜けた』と思いました。変な感触です。

この方が言いたかったのは、ここからはあくまで私個人の意見ですが、

 まだまだその問題は行き止まりではないよ。
 もっと奥があるよ。
 もっと考えなきゃいけない問題があるんだよ

ってこと。
で、今のわたしがこの問いに答えるとしたらこう答える。

 人を殺したくないから。
 したいと思わないから。
 規則なんてなくてもそんなことしない。

そう考えると、
私たちは、規則以外に見出される共有的な価値観で結ばれている。
「倫理的直感」と著者は述べているけれども、
何がしかの共有情報を私たちは知らないうちにもっていること。
いつもは意識をしないけれども。
規則を決めるには、こういった共有的な価値観がなければ決められないのかなと思った。

みなさんは、どのように感じましたか?

05. 学ぶ

2009-01-12 20:49:39 | 本関係
失敗してこそ学ぶことができる。
下手にうまくいきすぎるとなにかを見損ねるよ。
失敗は悪いことじゃない。

女の悪い癖を見て見ぬふりする男。女は男にずっと自分のこと見ていてほしいのに。わたしを見て。

仕事は絶対が絶対。求められるもの。
企業とは営利目的で動く組織である。また、会社は家族的でなければいけない。
大きな失敗して、落ち込んでいるその人に対してわたしの愛を分けてあげよう。
わたしも分けてもらった愛を。

親を大切にすること。他人は全て教えてくれないが、親は1から10全て教えてくれる。愛があるから。家族はかけがえの無い、唯一他人でない人間だから。

これは事故で無くなった女の、自宅の日記に書かれていることだった。

04. 旅

2009-01-12 10:03:41 | 本関係
自分自身の中から、真実を見つけ出す旅。
アイドリングした車の中で、エンジンのさみしく震える音に耳を傾ける。
冷徹な、人の心に無関心な音。

行き過ぎていく車の中から、懐かしい歌謡曲のメロディー。
学生時代、喫茶店で聞いた曲。思い出と一緒に運んでくるもの。
忘れていた自分の夢。透明のガラス箱にかざったまま。
もういかなきゃ。キーをまわして車を出す。

03. 卒業

2008-12-31 13:11:33 | 本関係
「ご卒業、おめでとうございます。これからも精進してください。」
校門を出た時、学生であることを失った。
マクドナルドで親友とおしゃべり。思いついたことを言う。
1年前から始めた東北地方の友人との文通。
いまはめったに出さないけど、書いてみたくなった。