器の話(⌒‐⌒)

2016-07-16 | 雑記

 
万葉集巻の二第百四十二首、「有間皇子」(ありまのみこ)の詠んだ歌に
「家にあれば 笥(け)に盛る飯を
草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る」とあります。

有間皇子は、孝徳天皇の子。
658年19歳の時に中大兄皇子、後の天智天皇の罠にかかり、斉明天皇に対する謀反の疑いをかけられ絞殺されました。

有間皇子は、紀州湯の崎で尋問された後、紀州藤白の坂まで連行されて殺されたが、この歌はその途中で詠んだものだそうです。

「笥」とは当時の食器のこと。
歌の大意は
「家にいれば、飯は笥に盛るのに、心に任せぬ旅の途中なので、こうして椎の葉に盛って食べる」と云うこと。

僅か19歳の少年が「笥」と「椎の葉」
言わば、食器の違いひとつで、自らの悲哀をここまで深く表現したことに、心打たれますが、同時に日本の食文化の原点のひとつがここにあります。

日本人にとって食べ物は、食べられれば良いと云うものではありません。
器がきちんとしていないのは食べ物全体、ひいては生活がきちんとしていないと云うこと。

それこそが料理を芸術として扱う、日本の食文化の原点です。

7世紀に、すでに日本の食文化の根底は、築かれていました。
(美味しんぼ 88話より)

本当に日本の「器」って多種多様で面白いし、風情がありますよね☆
よくぞ日本人に生まれしです☆


☆☆☆☆このブログに訪れて頂いた皆様が愛と笑顔と喜びに満ち溢れますように☆☆☆☆