こんにちは。Chicoです
これは平成13年に婦人生活社より出版された詩集です。
以前、Mieがお世話になっていた小児科の先生の御友人で、
鮫島浩二(さめじま こうじ)先生という産婦人科のお医者様が書かれています。
「お母さんの子宮の中は、こんな感じなのだろうか、
そう思った瞬間に次から次へと言葉があふれ出てきた」のだそうです。
この詩集を一部抜粋して紹介させてください
『おとうさん、おかあさん、あなたたちのことを、こう、呼ばせてください。
あなたたちが中睦まじく結びあっている姿を見て、
わたしは地上におりる決心をしました。
きっと、わたしの人生を豊かなものにしてくれると感じたからです。
汚れない世界から地上におりるのは、勇気がいります。
地上での生活に不安をおぼえ、途中で引き返した友もいます。
夫婦の契に不安をおぼえ、引き返した友もいます。
拒絶され、泣く泣く帰ってきた友もいます。
【中略】
おかあさん、わたしを知った日のことをおぼえていますか?
あなたは不安に襲われました。
そしてあなたは、わたしを受け入れてくださいました。
あなたの一瞬の心のうつろいを、わたしはよーくおぼえています。
つわりのつらさの中でわたしに思いをむけて、自らを励ましたことを、
わたしの重さに耐えかねて、自分を情けないと責めたことを、
わたしはよーくおぼえています。
【中略】
おかあさん、あなたの期待の大きさに、ちょっぴり不安を感じます。
初めての日に、わたしはどのように迎えられるのでしょうか?
わたしの顔はあなたをがっかりさせるでしょうか?
わたしの身体はあなたに軽蔑されるでしょうか?
わたしの性格にあなたはため息をつくでしょうか?
【中略】
おとうさん、おかあさん、今、わたしは思っています。
わたしの選びは正しかった、と。
わたしがあなたたちを選びました』
作者である鮫島先生は「あとがき」に一部こう記していらっしゃいます。
「命を粗末にするな・・・と他人事のように言うのは簡単でも、
それを真正面から向き合って伝えることができる人と人の絆すら、
見失ってはいないでしょうか。自分はどこからうまれてきたのか、
見つめ直す一助になれば、うれしく思います。」
私たちも生まれる前、こんな風に思ってきたのでしょうか。
勇気をもって生まれてきたのでしょうか。
両親を選んで生まれてきたのでしょうか。
子供たちもそう思って生まれてきてくれたのでしょうか。
命の重さと意義を考えさせられる一冊でした