読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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大沢在昌著「暗約領域 新宿鮫Ⅺ」

2020-10-08 | 大沢在昌
シリーズ11作目。犯罪者に食らいついたら離さない「執拗な捜査」で闇社会の住人から「新宿鮫」と恐れられる新宿署刑事・鮫島。信頼する上司・桃井が死に、恋人・晶と別れた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、孤独の中、仕事に没頭することで虚ろな気持ちを誤魔化し捜査に没入していた。北新宿のヤミ民泊で男の銃殺死体を発見した鮫島に新上司・阿坂景子は、単独捜査をやめ、機動隊出身の新人刑事・矢崎と組むことを命じる。一方、国際的犯罪者・陸永昌は、ヤミ民泊で殺された友人の死を知って来日する。彼は闇のコネクションを駆使し、真相究明に奔走する。地を這うような鮫島の捜査と怜悧な永昌の動きが次第に交錯していく中、公安も密動を開始『東亜通商研究会』・香田も前に立ちはだかる。怪しい人物が次々と鮫島の前に現れる。708頁に及ぶ長編も渋味を加味し益々カッコいい鮫島にワクワクして読了した。暴対法に窮する暴力団、ヤミ民泊で荒稼ぎするフロント企業・極道より得体が知れない中国残留孤児の2世3世たちのグループ、北朝鮮のスパイ・在日朝鮮人・脱北者・今どきの世相を反映した事柄を背景に取り込み展開される感動のサスペンスミステリー小説です。
「新宿鮫」(1990年)「毒猿」(1991年)「屍蘭」(1993年)「無間人形」(1994年)「炎蛹」(1995年)「氷舞」(1996年)「風化水脈」(1999年)「灰夜」(2000年)「狼花」(2001年)「絆回廊」(2010年)以来八年ぶりのシリーズ最新作。
2018年11月光文社刊

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