読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

中山七里著「越境刑事」

2023-06-01 | な行
『逃亡刑事』の高頭冴子シリーズ第二弾。「県警のアマゾネス」の異名を持つ千葉県警の高頭冴子は、留学生の不審な失踪が相次いでいるという噂を耳にする。その数日後、中国国籍で新疆ウイグル自治区出身の留学生カーリの死体が発見される。捜査に乗り出した冴子は、事件に中国公安部が絡んでいることを掴むも、やがてカーリの雇い主のカーディルも殺害される。冴子に保護を求めていたカーリの同僚のレイハンも連れ去られてしまい、その容疑者は逃亡。レイハンを救い、事件の真相を暴くため、冴子と部下の郡山は中国への捜査を強行するが、そこで二人が目にしたのはウイグル民族が置かれた恐るべき状況だった・・・。中国公安部のウイグル人弾圧と殺害がテーマの物語。民族や文化が異なるウイグル人を漢人に同化させる政策の中で実際起きている中国での現状、ウイグル人弾圧の凄まじさ。自国民を拉致されても手も足も出ない日本政府、ウイグル人ジェノサイドの現実にも他の民主主義国の対応と異なるし、沈黙する国会のだらしなさや無策さは、同じ日本人として情けない。後半中国での展開から失速感があるがスパイ天国日本の現状に憂慮御覚えた。
2022年9月PHP研究所刊


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