読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
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東野圭吾著「真夏の方程式」

2013-11-21 | 東野圭吾
ガリレオシリーズ第6弾。この原作で2013年6月同名映画が公開された。
夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった小学5年生の恭平。一方、手つかずの美しい海が残る玻璃ヶ浦。そこでは海底資源の開発計画を推進する企業側と、環境保護グループが意見を衝突させ、地元の住民も賛成派・反対派に分かれ、町全体がこの問題に大きく揺れ動いていた。開発計画の説明会にアドバイザーとして招聘された湯川は、川畑夫妻と、その一人娘・成実が細々と経営する旅館「緑岩荘」に滞在することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つる。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。美しい海を誇る町・玻璃(はり)ヶ浦で発見された男の変死体。当初単純な事故と思われたものが、やがて16年前のある事件との関係が浮かび上がってくる。「科学技術と環境保護」というテーマが物語に織り込まれていて、科学者の湯川が環境保護活動家との対立を通し、どのような考え方を持っているのかを描いているのが興味深い。
死んだものより生きている者の未来を重視?問題先送り、切ない幕切れで不満が残るが最後まで面白く読めた。「どんな問題も答えが必ずある・・・だけどそれをすぐ導き出せるとはかぎらない。人生においてもそうだ。・・・悩むことには価値がある。しかし焦る必要はない。答えを出すためには、自分自身の成長が求められている場合も少なくない。だから人間は学び、努力し、自分を磨かなきゃいけないいんだ」(P412)

2011年6月文藝春秋刊 /文春文庫

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