読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

笹本稜平著『越境捜査』

2010-04-29 | さ行
警視庁と神奈川県警の確執をバックに、警視庁捜査一課の窓際刑事刑事・鷺沼が14年前に起こった巨額詐欺事件の被疑者の死の謎を追及していくというサスペンス。
14年前、12億円をだまし取った男・森脇が横浜本牧埠頭で水死体で発見されたというのが事件で、他殺犯人のめどがつかぬまま捜査は打ち切られ、森脇が持ち逃げした12億円も未だ見つかってはいなかったのだが・・・。
時効まで残り1年となった最近、手配番号の旧札が県警で発見され、どうやらその金の一部が警察の裏金としてそっくり県警の裏金庫の中にあるらしい。
ヤクザに借金がある不良刑事の宮野、横浜の暴力団幹部の福富など個性的な登場人物が消えた12億円を我が物にすべく、鷺沼と手を組むかけひきが非常におもしろい。
公務員、警察の裏金問題の話題が未だに後を絶たないだけに話だけにリアルさが増す。
後半最後の黒幕が直接手を下す場面と、ラッキーな偶然が多いのが気になるところだが、誰が敵か味方か解らない点、話しの早い展開と次々に明らかになるめまぐるしい事実に最後までワクワクさせられて一気に読めました。
つぎは鷺沼、宮野コンビが再タッグを組む続編の「越境捜査2 挑発」2010年2月刊を読みたい。
『人生を棒に振ってでも闘いとる価値のあるものってなんなんだ。「正義です」』(373P)
2007年8月双葉社刊

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