特殊急襲部隊「SAT」を題にした警察小説。柿田亮は研修を終えたばかりの新米巡査。当初地域課に配属されるが自分が警察官に向いているのか悩みつつも、機動隊を志望し、ハイジャックなど凶悪事件を解決する特殊急襲部隊(SAT)の隊員を目指す・・・。
警察小説であり、一人の警察官の成長物語でもある。「失敗は許されない。敗北も許されない。SATが最後の砦だ。俺たちは軍隊じゃない。あくまでも警察官だ。闘うという意味が違う。軍隊のように、相手を打ち殺すという意味じゃない。テロリストを制圧して検挙するために戦うんだ。」機動隊に選ばれる人、訓練の様子、自衛隊との合同訓練。自衛隊員の平和についての告白や思いなどを通じた著者の見解と主人公の心理の変化など面白く読めた。
「日本人は、平和や安全がただで手に入ると考えている。平和ボケだなんて言われているが、・・・平和を切望したり、安全な生活を夢見るような世の中になったらたいへんだよ。そうならないように俺たち自衛隊員や・・・警察官ががんばらなくちゃ・・・」(P261)
2015年2月朝日新聞出版刊
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