読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

奥田英朗著「純平、考え直せ」

2012-05-27 | 奥田英朗
主人公の坂本純平、21歳。新宿・歌舞伎町のチンピラにして人気者。心酔する気風のいい兄貴分の北島の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。女は苦手だが、困っている人はほうっておけない。
そんな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。決行までの三日間、純平は小遣いを貰い自由時間を与えられ、
羽を伸ばし、様々な人びとと出会う。
しかしその間、携帯サイトのネット掲示板ではなんと「純平」に関するスレッドが立ち、純平ネタで盛り上がる連中が
勝手に様々なことを書き込んでくるのだった・・・。
テンポのよい展開感情移入しやすいキャラの主人公、一見ハチャメチャな話しだけど「純平考え直せ!」と叫びたくなる。
結末にもうひとひねり有るべきと思うけれどこんな終り方も余韻が残っていいのかも。
途中出会うジイサンのセリフがいいのだが何故か残らない。
再読して確認
「殺し屋よりも、殺される人間のほうが価値が上」(P240)
「若者が死を恐れないのは、人生を知らないからである。知らないのは、ないのと同じだから惜しいとも思わない。・・・
ろくな経験がないから、今燃え尽きてもいいなどと平気で言う。・・・
おまけにやっかいなのは、渦中にいる者はその価値がわからないということだ。」(P241)「
「若いと大変だなあ。成功体験が乏しいから、待つことを知らない。今しか見えない。待った先に何があるかわからない。ああ青春は面倒だ。」(P242)

2011年1月光文社刊

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