野球小説。低迷にあえぐかつての名門プロ野球チーム「スターズ」は本拠地を副都心・新宿の新球場に移転し、開幕を迎えた。周囲に高層ビルがそびえ立つ形状で“ザ・ウォール”の異名をとる野球場スターズ・パークには、大リーグ好きオーナーの沖の意向が盛り込まれている。選手、勝利よりも黒字経営をモットーに施設やサービスの魅力で観客増を目論むオーナー。狭くて打者有利の球場に四苦八苦しつつ、堅実な采配で臨む樋口監督。オーナーと監督の「ズレ」は両者間に軋轢が生じ、序盤は苦戦が続いたチームの成績は、後半戦に入ると徐々に上向き始め・・・。
ファンが求める「面白い野球」とは。「理想のボール・パーク」とは。球場が主役の野球小説。監督やオーナー以外にもエース投手・移籍してきた投手、捕手・新人・ベテラン、ヘッドコーチ・GMそれぞれの立場の思いや思惑の違いが面白い。
2019年2月PHP研究所刊
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