秘策その1は塾における授業の受け方に対する姿勢について取り上げました。秘策その2はご家庭でお子様からの質問に対する受け答え方のポイントです。
算数の質問を受けると多くの方は「どれどれ・・・」と言ってまず問題を解き、次にその自分の解き方を教えようとします。
しかしここでよく考えてみましょう。質問に答える究極の目的は、お子様自身が質問した問題の類題をヒントなしで自力のみで解くことができるようすることです。その問題の解き方をわからせるのではなく、そのような問題を自力で解けるようにさせることです。
つまり教える人の考え方の式を教えるのではなく、式をたてる前段階の手順を教えることが大切だということです。式は考え方の結果にすぎません。なぜその式がうまれるのかを理解させないと、少しパターンが変わっただけで「式がわからない」という状態になります。質問をした問題に対して式をたてて教えても、その問題に限ってはできるようになっただけで、そのような問題全般に対応できるようになったとは必ずしも言い切れません。ましてや別解がたくさんあるのが算数です。発想が生まれる指導こそが望まれる指導です。
さらに教えすぎは逆効果です。必死になって教えれば教えるほどお子様はますます受け身になり、自分で工夫して考え解く糸口に気づいて解く力は弱まります。その時はわかったつもりでもテストではできないというパターンに陥るケースをたくさん見てきました。
では式を立てないで教えるにはどうしたらよいのでしょうか? 具体的な対応として2つあります。
1つは条件を図や表やグラフにかかせることを教えることです。この作業ができないと応用力はつきません。
2つは条件を理解した後の解く方向性を示すコツをアドバイスすることです。(「合格コツブック」参照)
これには長い目で解く過程を楽しみながら一緒にがんばる覚悟が必要です。まさに“急がば回れ”。
塾での授業においても全く同じことが言えます。解き方を教えるのではなくて、解けるようになる取り組み方を指導することが解く力を伸ばすポイントです。
その結果お子様自ら解法の糸口を発見して、式をたてられるようになるはずですし、今までの生徒が見事にそれを実証してくれています。