夏期講習真っ只中です。宿題(家での学習)と言うとほとんどの生徒と保護者の方は、課題プリントや指定された問題を連想されます。が、最も重要な家庭学習は取りも直さず授業の復習です。復習することで夏期講習の受講内容を2倍にも3倍にも定着させる相乗効果があります。ではその復習の仕方を紹介します。以下「受かる親子のコツブック」より抜粋です。
「4科目の特性と復習のコツ」
授業の復習の大切さはよく言われることですが、実際に復習はどのように取り組ませていますか? 教科書やノートを見直して終わりにさせていませんか? 効果のある復習をするには、それぞれの科目の特性に合わせた細かい配慮が必要です。授業の復習をより効果的なものにするためにも、親子で以下の内容をよく読んで実行しましょう!
<国語>
国語を支える3つの力「読解力」「記述力」「知識力」のうちどの力をつけさせるのか目的意識を持たせましょう。読解力の復習は文章の音読に限ります。まず音読をする前に授業で扱った設問を読み、そして先生の説明したことや自分が気付かなかったことなどを思い浮かべながら音読します。記述力の復習も音読ですが、問題の文章ではなく、自分の記述した文章を音読してください。文の構成に無理がありすらすら読めない箇所があればそこを修正すると、さらに記述力に磨きがかかります。知識力の復習は手、目、耳、口を使って知識を書き出し暗記します。文法事項は問題をもう一度解き直して内容を理解し、知識として定着させます。単語カードの利用も効果的です。
<算数>
つまずいた問題やヒントありで解けた問題をヒントなしで解き直すことです。私は生徒に復習用として「再挑戦ノート」「リベンジノート」「わかできノート」などのネーミングでノートを作らせて、「わかった」から「できた!」にレベルアップさせるようにとアドバイスしています。そして解き直しの際解説を書くかのように言葉を添えるよう指示しています。本当に考え方がわかっていないと言葉は添えられないからです。さらに拡散的思考力(発想の転換)をつけさせるために、授業で紹介された別の解法(別解)を自分のものにするようこの解き直しも宿題にしています。しっかりやっている生徒は確実に実力アップしています。
<社会>
国語の知識力と同じです。手、目、耳、口を使って知識を単語カードに記入しコツコツ暗記します。地理分野は白地図、歴史分野は年表をサブノートとして作成し知識を確認していくと繰り返しの復習に役立ちます。さらに断片的に覚えていくのではなく、複数の事柄を関連付けて覚えることも大切です。例えば地形と気候と産業をセットにして、原因と結果を考えながら覚えると理解が深まり忘れにくくなります。また社会が苦手でいつも後回しにしている場合は、一問一答のクイズ形式で親子一緒に復習したり、リビングに地図帳や資料集を置いて話題に応じて調べるようにすると良いでしょう。
<理科>
理科ほど分野が孤立している科目はありません。それだけに復習の仕方も分野によって変える必要があります。「生物」「地学」「科学」の知識に関しては社会と同じ手法で単語カードを活用して暗記します。さらに理科と言えば「原理」「法則」などの知識ではなく、現象や実験から変化や動きを考えさせる理科特有の問題もあります。この分野に関してはテキストの説明の文章を繰り返しよく読むことです。「なぜ?」「どうして?」の疑問を解消させるために読んでいるという意識を強く持って、原因や理由が説明してある箇所を何回も読むことです。そして「物理」の計算問題は算数と同じで、ヒントなしで解き直して「できた!」にしていきます。理科においても計算分野用の「再挑戦ノート」を作成しましょう!