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中学入試は必要善

2013-09-28 09:20:09 | 中学受験

 気持ちの良い秋晴れです。 四谷大塚の合不合の結果が届いて気持ち新たにされている方も多いかと思います。結果に関して常に冷静に分析をして次につなげていきましょう。

さて本日は改めて中学入試の必要性について掲載します。

 

中学入試は必要善

 光ファイバーの権威で「ミスター半導体」の異名を持つ東北大学名誉教授であり首都大学東京前学長の西澤潤一氏は、以前「日本の教育を考える」というテレビ番組で次のような内容でお話されていました。「戦後の日本の教育は、与えられた事柄を確実に処理する力を育てることに力点をおいて、みごとにそれは実践された。しかしその反面独創性や個性を伸ばすことに関しては欧米に比べ遅れをとっている。その独創性や個性を伸ばす手っ取り早い教育方法は、入試問題の改革である。入試問題を独創性や個性が要求される設問内容にすれば、それに対して予備校や塾がしっかり指導し、そういう力のついた生徒が合格していく。これがこれからの日本に必要な教育である。」

 この話を聞いて私は、まさしく中学受験がそうであり、またそうでなくてはならないと思いました。特に小学生にとって大切なのは、知識よりも柔軟な思考力を身につけることだと思います。また幸いにして中学入試の問題は、柔軟な思考力や豊かな表現力を求める問題が多くあります。単なる知識の詰め込みで解ける問題ではなく、必要最小限の知識をもとに、荒削りでもしっかり子どもの発想や思考を引き出すように工夫された問題がいっぱいです。

 またそういう問題に対して子供たちは「難しいけど面白い!」「学校ではやらないけど楽しい!」「もっとやりたい!」と反応してくれます。こちらも教えていて楽しくなります。これが現在の中学受験を指導している塾現場の実態ではないでしょうか?

 毎年私の教室では「ポテンシャル・パワー・コンテスト」と銘打って全学年(小2から高3)同じ思考力を重視した問題を解いて、分野ごと学年ごとに順位を発表する企画があります。分野は「漢字」「計算」「理社・英語の身近な知識」「雑学」「なぞなぞ」等ですが、トップグループは決まって小学生の受験クラスの生徒たちです。このことは中学受験の学習が、いかに幅広い思考力をつけさせているのかを物語っています。

 以上いろいろなことを述べましたが、結論はタイトル通り「中学受験は必要善」なのです。公教育のあり方が、学力のボトムアップを計り平均値を上げることである以上、将来のエリート達を養成するためには中学受験は必要であると私は確信しております。

 豊かな個性の上に独自の考えが表現でき、柔軟な発想力をもとに、多角的に物事を考えることができる人に育てることが、小学生を指導する立場の大人の役割であると思います。

                                                                                         「受かる親子のコツブック」はじめにより

 

 

雲を引き寄せる富士山

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ラストスパートの学習 7つのコツ

2013-09-26 09:33:24 | 中学受験

今週は6年生の保護者の方と個人面談を行っています。そこでお話ししている内容は、先週台風のために中止となった保護者会で話す予定だった「過去問の取り組み方」「残り4か月のラストスパートの学習」「併願校の決め方」についてです。

今日はその中の「ラストスパートの学習」について記載します。

 

 

 分野を追ったカリキュラムは全て履修し、あとはどれだけ弱点分野をなくし得意分野に磨きをかけるか、またいかにして実戦力をつけていくか、さらには志望校の過去問に取り組むといった、追い込みの学習が10月あたりから始まります。このラストスパートの学習において、実践すべきコツが以下の7つです。

 

①偏りのある学習は避ける。

・科目、分野を始めとして以下②~⑦の内容についてバランスよく学習する必要があります。

 

 

②弱点補強の時間を設定する。

・苦手分野や過去問の間違い直しなど自分しかあてはまらない弱点分野をしっかりやり直す時間を固定で設定する。土曜日もしくは日曜日の夕食前の時間帯などがよい。

 

 

③実戦力をつける演習時間を設定する。

・土日に行われるオプションの入試対策の授業の受講がお勧めです。受講しない人はお家で時間を計って総合問題の演習を行う。

・四谷や首都圏模試を積極的に受験する。ただしどちらかに決めて9月から12月まで同じ模試を通しで受ける。

 

④過去問演習を計画的に行う。

結果は実施時期を考慮して合格最低点と比較する。(詳しくは前述の「リズムを崩す3大要因の事前策」を参照)

 

⑤単語カードによるすき間学習を推進する。

・ 覚えていない知識をすべて記録し、暇さえあれば常に見て覚える。覚えたらカードをはずし、予備カードとしてもう1つカードを閉じて、しばらくしてからまた確認し、2種類のリングのカードの入れ替え戦を行う。

 

⑥計算、漢字は日々怠らずに練習する。

・計算は目標を決めて取り組む。ひた向きに前向きに!

 

⑦授業の復習は入試直前の最後まで丁寧に行う。

・人に教えるように復習する。お家の人に話すことはとても効果的なので、家族ぐるみで授業の内容について話題にする。

 

過ごしやすいこの季節「実りの秋」としましょう!

 

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合格率80%偏差値 ( 保護者会でお話ししたこと 2 )

2013-09-25 10:08:08 | 中学受験

偏差値はその場限りの参考数値であり、母集団の違うテストを比較することには無理があります。先日の保護者会で例をあげながらその実情をお話しました。まず極一部の事例を挙げてから分析し、原因を含めた検証をしていきます。

 

<事例>

その1:2月1日受験日の鴎友学園、洗足学園、広尾学園(午後)の合格率80%偏差値

四谷大塚(7月版)では3校ともに62、それに対して首都圏模試(9月版)では鴎友学園は65、洗足学園は67、広尾学園は63です。

 

その2:2月1日受験日の日大藤沢の合格率80%偏差値

 四谷大塚(7月版)では男子50、女子51、それに対して首都圏模試(9月版)では男子57、女子56。

 

<額面通りの数値上で判ること>

①当たり前のことですが、各種テストによって偏差値は違う。

事例1のように洗足学園は四谷大塚では62、首都圏模試では67と5ポイントも違います。

 

 

②各中学校間の難易度が各種テストによって違う。

事例1では鴎友学園、洗足学園、広尾学園(午後)は四谷大塚では横並びに対して、首都圏模試では65、67、64と3ポイント幅の中にある。事例2に至っては日大藤沢の男女の難易度は四谷大塚と首都圏模試では逆転現象です。

 

<分析>

前述の事柄は当たり前として起こる現象です。初めて受験される方の多くは驚かれることが多いのですが、毎年同じ現象が生じます。ではどうしてそうなるのか原因を探ってみましょう。 

各種模擬試験の合格率80%偏差値の算出方法は、今年度入試の合格者が昨年の受けたそれぞれの模擬試験の平均偏差値(多くが9月~12月の4か月)をもとに作成されます。よって受験生全体を母集団とした偏差値ではありません。それぞれのテストを受けた合格者の結果であり、それぞれが正しい参考数値です。

受けている人が違うことで、レベルや抽出される合格サンプル数に違いが生じ、全体平均点や合格率の違いが出てきます。このことでこういう現象が生じます。

 

<結論>

数値をそのまま鵜呑みにしないことで、あくまで冷静に参考数値としてとらえましょう。ましてや出題傾向は実際の入試問題と模擬試験の内容とでは大きく違う場合があります。難関校ほどそれが顕著です。模擬試験と同じ傾向の入試を受けるならともかく、それぞれ自分の志望校の過去問をしっかり解いて対策を十分に行うことが先決です。また9月、10月、11月、12月と同じ模擬試験を受けてお子様の成績の推移を見ていくことも大切です。

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保護者会でお話ししたこと 1 

2013-09-24 11:18:04 | 中学受験

昨夜から毛布を利用しましたが、それでも朝寒さで目が覚めました。しかし日差しは強くまだまだアンダーシャツの着替えを必要とします。

昨日の祝日を利用して午前中は4年生、午後は5年生の保護者会を開催しました。そこでお話しした内容の一部を2日にわたって紹介します。まず今日は4年生の保護者にお話しした「宿題ノートチェック」についてです。

 

 

宿題ノートチェック

 

教室に入ると私の座る座席の机には、宿題ノートが積まれていて、宿題を終えた最終ページがうまくかみ合うように、またプリント類はそのページにはさまれています。そのノートを生徒が小テストを受けている間に点検します。毎回決まって次の4つについてチェックをし、アドバイスと日付を書き、評価印とよりとも印を捺印しています。

 

チェック1 「再挑戦ノート」と「計算練習ノート」の2冊にやっているか?

私が宿題で一番重要視しているのは「授業の復習」です。それを「再挑戦ノート」に宿題始めに行っているかをまずチェックします。小学生の多くは一度やった問題はなかなかやり直そうとしません。それであえて「再挑戦ノート」を作らせてもう一度授業でやった問題を復習するように指導しています。仕切り直して解いてみて本当に「できた!」にしているのかを自分でチェックさせています。また「再挑戦」という意識を強めて欲しいという思いもあってわざわざノートを分けさせています。もう一冊は計算練習やテキストの指定問題など新しく問題を解く場合のノートです。

  

チェック2 「日付」「タイトル」「ページ」「番号」をきちんと記入しているか?

これも目的意識を高めるために指導していることの1つです。タイムリーな学習は効率の良い学習につながります。特に「授業の復習」はその日のうちにやるように薦めています。いつ、何を行っているのか常に気持ちを込めて学習してほしいからです。

 

 

チェック3 途中を丁寧に書いているか?

 小学生のミスのほとんどが不注意によるミスです。注意力散漫となる最大の要因は慎重さの不足です。途中を丁寧に書いて解くとおのずと慎重さが生まれてきます。是非習慣にして欲しいものです。

 

 

チェック4 ○×をつけて×を再挑戦しているか?

せっかく解いたのに正解したのかどうかわからない、では解いたことが報われません。○なら達成感に、×なら次なる課題の発見に、とそれぞれつながっていきます。即時性のある学習こそ集中したテンポの良い学習と言えます。

 

以上の事柄をチェックして、「大変よく出来ました」(オレンジ)、「良く出来ました」(ピンク)、「まあまあかな?」(みどり)、「もうすこし努力」(青)「もっとがんばろう」(紫)の評価印を押し、なぜその色になったのかのコメントをしています。毎回同じことを書く場合も多々あります。

 

 以上です。

是非ご家庭でもノートチェックをしていただいて、お子様の学習が効率の良いものになるように、一緒にがんばりましょう! と、お伝えしました。 

 

 

道端に咲いていました。暑さ寒さも・・・。

 

 

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全範囲の実力模試

2013-09-21 07:59:29 | 中学受験

本日はアタックテスト。9月、10月、11月、12月と今日の回数を入れてあと4回となりました。

 すでに3大外部模試(四谷大塚、首都圏模試、N研)は始まっており、結果も返ってきています。それぞれ全範囲が試される実力模試ですが、4回を通してすべての分野が網羅できるように作成されています。よって同じ種類の模試を4回通して受験することを薦めています。

 本日もアドバイスしようと思っていますが、4回を通していろいろ自分のテストの受け方を試してほしい。例えば算数において初めの計算問題で、緊張しているためミスが多い人は、大きい2番(基本問題)から解き始めて、落ち着いてから1番に戻る、というような作戦です。自分なりの受け方を模索して、いかにすれば実力が発揮できるかを実践してみるチャンスです。

教わったやり方ではなく、自分流がいいんです。やってみよう!

サツマイモの収穫です。実りの秋と行きたいものです。

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