気持ちの良い秋晴れです。 四谷大塚の合不合の結果が届いて気持ち新たにされている方も多いかと思います。結果に関して常に冷静に分析をして次につなげていきましょう。
さて本日は改めて中学入試の必要性について掲載します。
中学入試は必要善
光ファイバーの権威で「ミスター半導体」の異名を持つ東北大学名誉教授であり首都大学東京前学長の西澤潤一氏は、以前「日本の教育を考える」というテレビ番組で次のような内容でお話されていました。「戦後の日本の教育は、与えられた事柄を確実に処理する力を育てることに力点をおいて、みごとにそれは実践された。しかしその反面独創性や個性を伸ばすことに関しては欧米に比べ遅れをとっている。その独創性や個性を伸ばす手っ取り早い教育方法は、入試問題の改革である。入試問題を独創性や個性が要求される設問内容にすれば、それに対して予備校や塾がしっかり指導し、そういう力のついた生徒が合格していく。これがこれからの日本に必要な教育である。」
この話を聞いて私は、まさしく中学受験がそうであり、またそうでなくてはならないと思いました。特に小学生にとって大切なのは、知識よりも柔軟な思考力を身につけることだと思います。また幸いにして中学入試の問題は、柔軟な思考力や豊かな表現力を求める問題が多くあります。単なる知識の詰め込みで解ける問題ではなく、必要最小限の知識をもとに、荒削りでもしっかり子どもの発想や思考を引き出すように工夫された問題がいっぱいです。
またそういう問題に対して子供たちは「難しいけど面白い!」「学校ではやらないけど楽しい!」「もっとやりたい!」と反応してくれます。こちらも教えていて楽しくなります。これが現在の中学受験を指導している塾現場の実態ではないでしょうか?
毎年私の教室では「ポテンシャル・パワー・コンテスト」と銘打って全学年(小2から高3)同じ思考力を重視した問題を解いて、分野ごと学年ごとに順位を発表する企画があります。分野は「漢字」「計算」「理社・英語の身近な知識」「雑学」「なぞなぞ」等ですが、トップグループは決まって小学生の受験クラスの生徒たちです。このことは中学受験の学習が、いかに幅広い思考力をつけさせているのかを物語っています。
以上いろいろなことを述べましたが、結論はタイトル通り「中学受験は必要善」なのです。公教育のあり方が、学力のボトムアップを計り平均値を上げることである以上、将来のエリート達を養成するためには中学受験は必要であると私は確信しております。
豊かな個性の上に独自の考えが表現でき、柔軟な発想力をもとに、多角的に物事を考えることができる人に育てることが、小学生を指導する立場の大人の役割であると思います。
「受かる親子のコツブック」はじめにより
雲を引き寄せる富士山