メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

あなたはわたしに何も望まない

2006-04-09 20:04:31 | lyrics
あなたはわたしに何も望まない

あなたが望むものは全て

わたしが望んでしまったからかもしれない

毎日家には地震がおとずれ

地球の割れ目になにもかも

引きずりこまれているというのに

最期まであなたはわたしに何も望まない

首に呪術(まじない)をかけたいのだけれど

獣からちょうど我が身を守っているあなたの首に

そのころにはきっと

苦労も水の泡となり

なんのかいなく

我が身もガスへと変わる

そのまえにあなたの特徴ある

tの音をください


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古い記憶のよみがえる時はいつでも

2006-04-08 20:00:10 | lyrics
古い記憶のよみがえる時はいつでも
月夜のかすれたしらべが聴ける
いいかげんに汚れたぬいぐるみを
手一杯に抱えた小さいやつが
鼻をなびかせて 夜空を裸足で歩く
冷感にそってピタピタと足を鳴らして
裸足で
深い森に向かって
湖底に向かって
すりばち状の
ライ魚の棲んでいる


新しい靴で一生懸命走り続ける
盲目の少年の
足音さえも一瞬にして奪う
月のでている夜
古い記憶が宙をひたひたと
踏んでゆく
わたしを自由自在に
さらってゆく
この快いしらべの霧のなかを
さらってゆく
どこまでも
どこまでも
さらってゆくよ

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元気ですか

2006-04-07 19:53:07 | lyrics
元気ですか
元気でいらっしゃいますか
1日3度聞いてみる

朝元気でも
昼にはもう元気じゃないかもしれない
夜になれば もう分からないから

お元気ですか
見ている月の形は同じでも
出ている位置が少し違う

赤いシャツや 緑のシャツをはおった人たちが
自分と関係なくホームから
毎日ゾロゾロと出てくる中でひとり
ぼーっと灰色の空を眺めてみたら
雲ひとつない灰色の空
鳥さえ飛ばない灰色の空です

この限られた空間の中で
誰かが誰かと話している
毎日誰かが触れ合っている

この空はいっこだから
自分の声はいつか届くだろう
届くかもしれない
届けばいいね

毎日3回以上

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なにも後悔することがなかったら

2006-04-06 19:59:14 | lyrics
何も後悔することがなかったら
じぶんとじぶんの間で
ひっそりと交わされる 古い約束の数々
それらをひとつずつ 小指で紐解き
ひとつずつに 小さな慈悲を与える

あなたの跡を 誰が追(つ)いてこよう
こまいと
あなたの行く末を 何かがはばもうと
はばむまいと
あなたの横で 指をからませて
共に歩む者が いようといまいと
こんな穏やかな呼吸で
往(い)ったり来たり


どこかに途方もなく 迷ってしまったと
思わないでいれたら
わたしとわたしたちの間で
ひっそり交わされる 魔術の呪文のひとつひとつを
無心になって
つぶやきながら


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しあわせ ~ある晩冬の一日

2006-04-05 19:58:13 | lyrics
なにもかもがまっしろな 新しい朝
目覚める前に見ていた 不可思議な夢
意識と無意識の 橋を渡っている時間
私を永遠に引き留めようとする ブランケットの肌触り

満員電車の見知らぬ顔のあいだに見える
赤ん坊のまるい目と 小さな手
空腹を満たしてくれる スイーツの味

私を地獄から救いあげる
金星のどこまでも聖なる ひかり
真っ暗なポストからのぞく
久しい友からの 一枚の絵葉書

冷えきった手足をうつ 熱いシャワー
出窓に心地よくおさまっている 三日月
眠りにつく前のヨガの無心状態と 熱いココア
愛する者の頬に くちびるを寄せ
うずもれてゆく ながい抱擁


私はささやかな しあわせをみつけた
日々のくらしのなかに
私はささやかな しあわせをもらった
この世界で
日々のくらしの ときおりに

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はじめよう

2006-04-04 19:56:09 | lyrics
ソロソロ始めようかと思う
何かを始めようかと思う
なぜかといわれたら 大した理由もないけど、
何も始めないよりは マシだと思うから
一体全体どこから始めようかしら?
実際、なんの見当もつけていないけど
ソロソロ始めてもいい時期じゃないかと思う
そうじゃないと言われたら、
反対出来るほどの 確証は持っていないけど

「はじめよう。」と思わない限り始まらないのなら、
私は今ここから始めよう
他の人はどう始めたか知らないけど
私は今ここから始めようと思っている

たまには間違えるかもしれないし、
たまには途方もなく 迷うかもしれないし、
ああ、でも今ここで始めよう

カッコのいい始まりかたじゃなくても
スタートの合図がとっくに鳴ってしまった後からでも
私は私のスタイルで
たった今の
ちょうどここから
何度でも
始めていこう

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嵐のなかのベビー

2006-04-03 19:55:00 | lyrics
記憶の中の広場には
夕暮れの風が吹き
捨て犬が駆け抜ける
僕たちは1秒毎にバランスをとりながら
歩いていた

高い秋空の向こうから注がれる
視線にあいさつを返す手段があったら
僕たちは1マイル毎に尋ねていた
「こうしてる自分は誰なんだい?」って

'70のベビーを見てごらん
もうすっかり荷をまとめて
ここから手を引こうとしている
わからない わからない
君はあのストレートな笑顔を
どこへ捨ててきたんだろう?

君は言った
「ひとかどの人物になってみせる
いつか、いつかね」
君は忘れても、僕は覚えてる
淋しくなったら占いの列に加わるといい
時間料金制の話し相手だっている
太陽だった君が今じゃ
無菌状態のワンルームに閉じこもり
サイコリストを必要としている

「人間は独りじゃない」と彼らは言う
「どこにいても人はいつも一人だ」と彼らは言う
ああ 無責任な声たち
君らの言いなりになるのは止めにするよ
いま心に忍び込めるのは
フィービー・スノウの歌声
one & only の正直なつぶやきだけ

大切な 大切な純白の翼が
青い秋空に飛び去ってゆく
わからない わからない
君はあのやわらかな魂を
いつブリキの板と取り替えてしまったのか?


僕はいつかとびきりハッピーな歌を書くよ
みんなを金魚鉢の底からすくい上げるんだ
その尖った涙と心臓を
ピラミッドのてっぺんにいる
太陽神に捧げてしまおう
どうぞ 受け取ってください
それからストロベリー・アイスクリームみたいに
溶けてしまう
'70のベビーは許しを乞い
北極の氷の底に眠る
真実を探しにいくのさ
からだ一杯の情熱を与えるために


日々のあちこち、1秒毎に
死の影は潜んでいる
無臭の香り、静寂な足音
見えているけど気付かない
ガスコンロの中、アクセルペダルの上、
垂れた電線、石畳の隙間
隣人の瞳、ペットの愛らしい動きにさえ
明日の朝 無事に目覚められたら奇跡!

'70のベビーは非現実主義のモラリスト
足首には LOVE & PEACE の刺青
僕らは筋の通らない小説の中で生きている
自己を考える時間すら許されていない
切り傷から流れる血の中に
両親の顔が見える
夜昼鳴りっぱなしの電話
そのコールひとつひとつが
帰ってこないかという叫びに聞こえる
僕らをただのボヤッとした甘えん坊にしたいのかい?

'70のベビーたちを見てごらん
裏通りを時速200kmで滑ってゆく
ニセモノのユーレイみたいだ
みんなこのメッセージを受け取ったかい?
どうにかこうにか全力を尽くして
あの「太っちょのオバサン」のために
暴風雨が荒れ狂う嵐の中を
僕らは突っ走っていくのさ


ああだから 僕はきっと底抜けにハッピーな
歌を書くよ
ひとり残らず暗くて冷たいトンネルから
ひき出してやるんだ
あてにならない社会福祉制度なんかよりは
いくらか役に立つだろう
'70のベビーはどうすればよいかを全部
メモにとって この迷路を抜け出すのさ

月の女神はとてもゆっくり降りてきて
生命はつづいてゆく つづいてゆく
生命はつむいでゆく つむいでゆく
つぎの朝陽の上昇へ
これこそ素晴らしい奇跡なんだ

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last days

2006-04-02 19:49:53 | lyrics

let's have a party on Friday Night
涙を浮かべたグラスをかかげて
ホラ、幻の青い馬の後ろを少年が駆けてゆく
くちぶえを吹くような顔をして
そして私たちは
いつまでも時の無いカレンダーをめくり続ける

let's have a party on Friday Night
街角の巨大な振り子時計が 自転を繰り返しながら
路(みち)行く人たちをせかしている
ホラ、彼らの歩いた後にたくさんの札束が
ばらまかれている
そして黄色いイチョウは
カラカラと私の足跡を追いかけている


色々なマスクをかぶった人たち
せわしなく歩きながら 道端の石ころを拾って
それぞれのコートのポケットにつめてゆく
小さな石はポケットいっぱいにふくれあがり
それはひとつひとつささやかな愛と
交換される

冷たい風のどこかでベルが鳴っている
みんな終了の合図
みんなせかせかと生きるのを止めて
素敵な歌をうたいはじめる者
つぎからつぎへと側転をする者
ノラ犬や羽虫に名前をつけてあげる者
窓に映して笑顔を練習する者
みんなそれぞれ
ベルが鳴ったから
それはすべて終了の合図

解放された群衆たち
己れの醜態も様々なしがらみも忘れて
枯れ葉の寄せた歩道に勢いよく飛び出す

長い間続いた
そして永遠に続くと思われた
悲しい疲れをいやして
みんなおおきな水たまりを跳び越えて
小さくしめった舌を交わした


let's have a party on Friday Night
いろんなひとがいる いろんなひとがいる
涙を浮かべたグラスをかかげて
無限大の妖しい人々が
目ま苦しく 白い肢体を揺らして
ほんのひとかけらでも 未来の記憶を
とり戻そうとしている


忘れられた人々も
忘れた人々も
忘れかけた人々も
みんな、みんなが
互いに抱き合って
流れる行列を見ていた

いろんな人がいる
いろんな人がいる
いろんな・・・・

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sasayaki

2006-04-01 19:46:32 | lyrics
ささやく

ささやく

窓の眺めに

空に

太陽に

小さく かすれた 静かなこえで

ささやく

まぶたに

髪に

シーツに

腿に

わたしは 愛する

そこで時間は止まる

ささやいてほしい

あなたの こえにならないこえで


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