メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少年少女世界推理文学全集 No.6 魔女のかくれ家 ディクスン・カー著 あかね書房

2023-05-06 18:09:48 | 
1985年 第35刷 内田庶/訳 後藤一之/絵

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します


【注意】
トリックもオチもネタバレがあります
極上のミステリーなので、ぜひ読んで犯人当てをしてみてください







ギデオン・フェル博士が活躍する
つき出た腹、メガネの奥の小さな目、恵比寿様のようにニコニコしている
偉い学者であり、世界に名の響いている探偵

身近な家族が犯人かと思わせて
意外な人物が犯人で当てることができなかった
その代わり、惨い殺人に見合わない動機の薄さが気になった



【内容抜粋メモ】

魔女のかくれ家
ランポールはロンドンの駅で父の親友フェル博士を待つがなかなか来ない

駅で兄マーチン・スタバースを待つドロシーと出会う
ランポールが行こうとしているチャターハムに住んでいる

電車の中でフェル博士と落ち合い、ペイン弁護士に紹介される

チャターハムには昔、監獄があった
その近くに「魔女のかくれ家」がある
魔女を縛り首にして殺した







つくったのはスタバース家の先祖
魔女の祟りか、代々首の骨を折って死ぬ伝説がある

明日、マーチンは監獄の「長官の間」の金庫を開けて
中のものを調べる

長男が25歳になったら、真夜中の11時頃
「長官の間」に一人で1時間こもることになっている

絞首台の下には囚人が逃げられないように井戸のような濠がつくられている







サンダース牧師、いとこのハーバートも来ている
ハーバートはマーチンと背格好が似ている
(すり替えが行われると分かる伏線

ドロシーの父、チモシーも井戸で首を折って死んだ
落馬と見せかけて殺されたと思っているフェル博士

チモシーは死ぬ時「ハンカチ」と言った

マーチンが家を出たら、ドロシーに電話で連絡するよう言い渡すフェル博士

「長官の間」に明かりが灯り、みんなが見守る中
約束の12時10分前に明かりが消えた
ランポールが駆けつけると、マーチンは井戸で死んでいた

ベンジャミン署長が捜査にあたる

ハーバートは夕食後、バイクで出て帰っていない

「長官の間」に入ると、金庫の中にあった小さな金庫が持ち去られている
バルコニーには親指が入るほどのすり減った箇所がある

広場の時計が10分すすんでいる
ハーバートが執事バッジに直せと言った

ドロシーはチモシーが書いた妙な詩を見せる
宝のありかと、自分がどう殺されたかを示した暗号と思われる

すり減ったところからロープをおろして下りたため
宝の隠し場所はその途中にあると思われる

暗号はクロスワードパズルのようで
「井戸の中の印を探せ」という意味になると分かる

フェル博士はランポールに井戸に下りるよう言う(そんな無茶な!
井戸の中にはハーバートの死体とT.S.と刺繍されたハンカチがあった

トーマス・サンダースが逮捕される
彼の地下室から壊されたバイクが見つかる
本物のトーマスは船で病死して、彼になりすましていた

昔、意地悪な友だちにお金を盗んだ罪を押し付けられて困っていた時
トーマスになりすますことを思いついた

宝のことを知って犯行におよんだ



二つの腕輪
クリス・ケントは20代の南アフリカ生まれの青年
亡き父が財産家で、一度も働かずに過ごしていた

父の友人ダン・リーパアは苦労してお金持ちになったため
人生経験を積まないと小説家にはなれないと苦言する

3か月前、ヨハネスブルクからロンドンまで無銭旅行できたら
1000ポンドあげると約束して
ロイヤル・スカーリット・ホテルで待ち合わせした

昨日から何も食べていないクリスの前に
ホテルの朝食券が舞い落ちてきた







707の客になりすまして、朝食を食べると
ホテルの従業員がたんすの引き出しに
昨日泊まったアメリカ女性の腕輪があるはずだから
取って来てほしいと言われる









一か八かで部屋に入ると、腕輪はなく、顔を潰された絞殺死体を見つけて
恐ろしくなって裏口から逃げる

交流のあったフェル博士を訪ねると、ハドリ警視がいて
これまでのことをすべて話す

死体がロドニー・ケントの妻ジェニーだと聞いて驚く

ロドニーはダンの秘書で、1月14日に妻と同じ方法で殺された
場所はサセクスのガイルズ・ゲエ卿の屋敷(なんて名前だ/汗

事件当夜、ひどく酔ったベロウズが屋敷に侵入していて逮捕した
屋敷はもともとベロウズの父が建てた
隠しドアや秘密の通路がある
刑務所も彼の建築

ベロウズの妻は病死し、財産をすべてなくし、酒びたりの日々を送っていた
左手が不自由なため、殺人は無理と思われる

廊下でホテルの従業員を見たと証言

707から腕輪は発見された
クリスが逃げ出した時間とホテルの従業員がドアを開けた
空白の2分間が気になるフェル博士

事件当夜、ホテルの従業員がジェニーの部屋の前に
タオルを山のように積んだ姿が見られている

ハービーはジェニーと結婚する約束をしていて
死体を見つけて動揺し、クリスが逃げた間に腕輪を元に戻した







今夜、犯人が現れたところをおさえると
フェル博士、ハドリ警視、クリス、タナ警部らは門を張る

タナ警部が火かき棒で襲ってきて、クリスと格闘となる
それは警官に扮したベロウズ
これまでホテルの従業員と思われていたのは警官の制服だった

ベロウズはタオルを入れる戸棚から侵入した
(なぜ戸棚の奥に窓があるんだ!?

左手が不自由なため、ジェニーはタオル
ロドニーはベッドの仕組みを利用して殺した

刑務所の秘密通路のことを父から聞いて悪用した
途中にある署長室から制服を盗んだ

ジェニーはベロウズの妻だった
財産目当てで結婚し、お金を全部持って逃走

ベロウズはダン一行の写真の中にジェニーを見て
自分の財産を狙っているロドニーを逆恨みして殺した
(妙な話だ ロドニーも犠牲者かもしれないのに

腕輪は結婚の際にジェニーに贈ったもの
ホテルの引き出しには別の腕輪があり、間違えて盗んだ

クリスを狙ったのは、どうせ捕まるなら誰でもいいから道連れに・・・て/汗






作者と作品について 内田庶







ジョン・ディクスン・カー
魔法使いの作家といわれる
クイーン、クリスティーらと並ぶ本格派推理小説の代表

1906年 アメリカのペンシルベニア生まれ
イギリスで活躍していたチェスタートン、ドイルに心を奪われ
憧れのイギリスに渡り、暮らすようになった


読書の手びき 滑川道夫
作者は推理の材料を文章に入れている
時間の問題はとくに注意が必要

名探偵にはそれぞれ謎の解き方のパターンがある
名探偵を生み出し、事件を組み立てる作者の違い







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