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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

名作冒険全集18 『失われた世界』 コナン・ドイル 偕成社

2021-04-24 12:58:39 | 日記
白木茂/訳
沢田重隆/装幀
岩井泰三/カバー絵、口絵、挿絵(少年探偵団シリーズと同じでは?

昭和32年初版 定価180円





「ジュヴェナイル」カテゴリーに追加します


昭和52年に寄贈されたもので、寄贈した女性の名前が書かれていた/驚
貴重な図書を持っている方がいたら、図書館寄贈したらいいよね
本によっては断られてしまうけれども


 





ワクワクしながら本を開いてみたら、挿絵が多くて
文はすっかり子ども向けに訳されている気がする

子ども向けでも十分夢中になるが
原作とどう違うのか、ストーリーが端折られていないか
ずっと気になりながらも3時間ほどで読み切ってしまった!


映画『ジュラシックパーク』と同じかと思ったら違った
『ロスト・ワールド』のほうか


今では人工衛星や飛行機、ドローンなどで
アマゾン川流域に恐竜がいないことは分かっても
まだまだ知られていない動植物はたくさんいるに違いない
地底世界説もあるし


いろんな猿人類がいて、私たちの先祖が生き残ったのも
こうしたヒト科同士の殺し合いも続いたのかなあ
なんだか複雑…


ちなみに前回読んだ『地球さいごの日』はこの探検を共にした3人なんだな
博士の性格がちょっと違っている感じがするけれども


『名作冒険全集』(全30巻)







『児童名作全集』(全70巻)






『児童伝記全集』(全30巻)










【内容抜粋メモ】(ネタバレ注意







(記者の一人称で書かれていく


■かわりものの教授
ロンドンのデイリー・ガゼット紙の新聞記者エドワード・マロン
編集長マッカードルに動物学者チャレンジャー教授を取材するよう命令される
チャレンジャーは2年前、南アメリカに行き、途方もない発見をしたそう

記者が大嫌いで有名なため、友人のヘンリーの力を借りて手紙を出すと
返事が来て、家に呼ばれる


■とっくみあい




部屋に入るなり

チャレンジャー:わしと知恵比べをしに来たのか、へっぽこ記者め と小細工は通用しない

言い合ううちに取っ組み合いになり
階段を転げ落ちて外まで出てしまうw
警官が来て、こんなことが何度もあるため注意するが
マロンは教授を立てたために気に入られる


■うそのような話
部屋に戻り、5時間近くも冒険談を聞く





2年前、アマゾン川の奥地の不便なインディアン部落に行き
アメリカ人のメープル・ホワイトを訪ねたが疲れで亡くなった直後だった

彼のスケッチブックと動物の骨を見せてもらう
巨大な動物は実際見たままを描いたそう


■いがいななりゆき
その夜、チャレンジャーのすすめで
有名な動物学者ウォルドロンの講演「世界のはじまり」を聞きに行く

ウォルドロン:すでにいなくなった恐るべきトカゲ類が・・・

チャレンジャー:
異議あり!
これらの生物は今も生きているのです
嘘だと思うなら実際に調べに行っていただきたい

ペテン師だという野次の中、学者サマリーが行くと言い出す
有名な貴族で探検家ジョン・ロックストンも名乗りを上げ
チャレンジャー、学者、探検家、記者の4人で出かけることになる


■アマゾンの奥地へ
マナオス市で1通の手紙を12時まで開けるなとチャレンジャーに言われて
じりじりと待つ3人





ようやく開けると中は白紙
代わりにチャレンジャー教授本人が現れる

ザンボウというくろんぼ(本文そのまま)の大男と
ゴメズ、マニエルという2人のあいのこ、3人の土人も連れている

(あいのこって双子?と思っていたら、混血のことか


■鳥か、かいぶつか




アマゾンの川の幅はだだ広く、小さい川に入ると途端に狭くなる
小舟に乗り換えて、ホワイトに会ったインディアン部落に着き酋長が迎える
酋長は2人のインディアン土人をつけてくれる

3日目、奇妙な太鼓の音がする
人食い人種の人間狩りの音だと言う

震えあがるマロン
チャレンジャーとサマリーは大声で木や鳥の名前で始終言い合っているw

目印のシュロの木を見つけ、4日目は舟を捨てて歩くと
ホワイトのキャンプ跡を見つける

遠くをなにか黒いものが飛ぶのを見て
チャレンジャーはプテラノドンだと言うが
信じないサマリーはコウノトリだと言い張る


■人間のがいこつ
300mもある崖に出て登る道を探すが見つからない
さらに歩くとホワイトが立てた道しるべを見つける

その先には人間のどくろがたくさんある
崖から落ちたか突き落とされたか





死体はまだ新しい
ホワイトとともにいたジェームズ・コルバーの死体もある

チョークの印があり、崖に深い裂け目を見つける


■消えたやき肉
崩れ落ちた岩で行き止まりになり
そこから巨岩がいきなり落ちてきて、すんでで避ける





ロックストンは野ブタのような獲物を狩り
久々に焼肉が食べられると喜んでいると

あたりに風が起こり、気味の悪い鳴き声がして
ヘビのような首、ワニのように裂けた口の化け物に
焼肉を盗られて、消えてしまった

サマリーはあれがプテラノドンだととうとう認める





■おもいがけない敵
13日目 崖を1周して元の場所に戻ってしまい
チャレンジャーは岩の上に登ろうと言う
頂上からは遠くまで見渡せた

マロンが1本のブナの木を切り倒して
崖の上に渡る橋をつくる





ゴメズはその木の橋を崖から落として帰り道をなくしてしまう

ゴメズ:おいらはお前に殺されたロベスの弟なんだ

ロベスは白人と土人のあいのこで
たくさんの土人を奴隷にして酷い仕打ちをしていたため
ロックストンが“殺してやった”のを恨んで
手伝うフリをして復讐を企んでいたと分かる

巨岩を落としたのもゴメズとマニエル

ロックストンは躊躇わず、ゴメズを撃ち殺す
逃げるマニエルをザンボウは殴り殺す
(なんて野蛮な知識人だ・・・





ついてきた土人はクルプリと呼ぶ悪魔を怖れるため
ザンボウ以外はに返す


■草をたべる恐竜
吸血虫に吸われて足がゾウのようにふくれあがるマロン

イチョウの木を真ん中にして
周りをイバラで囲み砦を造るロックストン
中にはきれいな水を湧き出る泉もある





翌日からいよいよ不思議な土地の探検に出る

大きな鳥の足跡を見つけたと思ったら5本指で
その近くにバカでかい首長竜の家族を見つける





母と父親、3匹の子どもがわかめを食べている
(可愛い♪ でもなぜ平原にわかめ?ww

かれらは草食動物だから動物は襲わない
まさにプロントザウルスだった



■怪鳥のしゅうげき
2人の博士は子どものように叫びながら珍しい草花や虫を追いかけているw

すり鉢型の窪みにたくさんのプテラノドンの群れがいて
卵を抱いているのもいれば、子どももいる





チャレンジャーが興奮して岩を落としたために気づかれて大騒ぎで追って来る
大きな口ばしであちこちをつつかれて血が出る
森の中に逃げ込むと大きな体では入ってこれない





チャレンジャー:いい体験だった と豪語

砦に戻るとあらゆる物が引きずり出されて散乱している

プテラノドンの口ばしには毒があり
熱を出す3人を介抱するロックストン


■すばらしい火の力
巨大なサイのようなブロントザウルスに食らいつく
テラノザウルスの戦いを見たと言うロックストン





ロックストン:
生まれて初めてあんなむごたらしいものを見た
弱いものが食われ、強いものがのさばる
地球ができてから繰り返し行われている生物たちの戦いだ


鉄砲の弾など効かないから一番大きな焚火の木を持ち
テラノザウルスの鼻先に突きつけると回れ右をして逃げていく





ロックストン:動物どもは火を見ると大人しくなるもんですよ/笑

戦いの場を見に行くと、辺り一面血の海で
小山のような肉の塊が転がっている

2人の学者はここでも、あれは骨だ脊髄だと喜びの声をあげる


■サルか、人間か
サマリーはこの土地を完全に調べるには
もっと大がかりな科学的設備を持つ探検隊が必要だから
早く引き返して用意をするべきだと提案する

この場所がどこなのか、大イチョウの木にのぼって確かめるマロン
木の上でサルとも人間とも分からない生き物と遭遇して
猿人ではないかと推測するチャレンジャー





この土地は古い火山跡で、中央に大きな湖がある
反対側の縁には洞穴が並んでいる

夜、どこかに出口はないかと話し合う


■ひとりぼっち
見張り当番のサマリーは寝てしまい
マロンは銃を持って湖まで出かけてみる

その向こうに赤い光が揺れている
火を使えるのは人間だけだ

湖から恐ろしく首の長い水棲爬虫類が現れる
ホワイトがスケッチブックに描いたステゴサウルスだと分かる





砦に戻ろうとすると、大きな黒い生き物に追いかけられる
マロンはラグビーチームの名選手の脚を活かして走るが
地面がでこぼこなため追いつかれて、体が宙に浮かぶ


■消えた三人
気づくと深い穴に落ちていた
太い杭があり、いろんな死体の臭いにガマンできなくなる
こんな仕掛けは人間が作ったに違いない

鉄砲の音がして、キャンプの方角
砦に戻ると焚火はめちゃめちゃで
そこら中血だらけで3人はいない


■猿人にとらえられる
頬も目も窪んで血だらけのロックストンが戻ってくる

ロックストン:
猿人に襲われ、棒や石を武器にし、言葉も喋っていた

縄で縛られ、頭と思われる猿人が来て
チャレンジャーにそっくりでサマリーは爆笑した(ww

チャレンジャーだけは猿人に特別扱いされて威張り
木の上の掘っ立て小屋で頭と双子のように果物を食っていた

音楽が好きらしく、チャレンジャーが歌うと機嫌がいいんだ

ここには土人もいて、先日見たどくろの山は
猿人に崖の上から落とされたもの

僕は綱を切って逃げ出した
猿人は体がデカくて、足が短く、がに股だから走るのが遅い


話している時に猿人の一隊が通り過ぎる


■危い! サマリー博士
恐ろしい儀式が始まり、崖から土人が次々と落とされていく
いよいよサマリーの番になる





ロックストンのライフル銃で頭が一発で木から落ち
サマリーを捕らえていた猿人もバタバタと倒れて大騒ぎになる

マロンも銃で撃つと“面白いように”倒れていき
4人は必死に砦に戻る

4人の土人がロックストンの足にかじりついていて
一緒に砦に入れてあげる

チャレンジャーはロックストンに
猿人の頭と自分が瓜二つだと言われて
新聞に書くのかとマロンに聞く(w

チャレンジャー:猿人の王は品も威厳もあって実に素晴らしかった


■さいごのたたかい
水を汲みに行った土人が帰ってこないため
見に行くと殺されていた

マロンも毛むくじゃらの手に襟を掴まれて気絶してしまう
この砦も危ないため、土人の住処に行く

ガラス玉の首飾りをした酋長の老人が丸木舟で現れ
息子と再会して、4人が命の恩人だと歓迎する

土人は戦の用意をして、銃を持つ4人にも加勢を懇願するため承知する





湖のそばに熱いお湯とガスが噴き出ている
青い粘土を見るとロックストンは掘り返し始める


土人兵は4、500人の大軍

石、棒を持つ猿人らが正面からやって来て
土人に囲まれ、槍や矢でやられる








森に逃げ込むと猿人のほうが動きが速いため
4人のライフル銃で撃ち落とす
(一体どれだけ弾を持って行ったんだ?

残り少ない猿人を例の崖から突き落として復讐する土人たち

オスを殺されたメスや子どもはに連れていかれる
(どうするの? ここでも女性、子どもはより弱い立場なんだ


■どく矢の力
洞穴の土人に大切な客として迎えられる4人
ここから外に出る道を聞くが誰も知らないと首を振る

岩には消し炭でいろいろな動物の絵が上手に描かれている
大人しいプロントザウルスが犬や猫のように飼われている

突然叫び声がして、土人らは石段を駆けあがって逃げる
テラノザウルスが3匹も襲ってきたのだ

前足で土人をぐしゃりと踏みつける様は残酷そのもの

弾は当たっても全く効かないが
土人の毒矢が刺さると地面にぶっ倒れる









■ぬけあなを発見
その後、3週間も土人と暮らす

その間、チャレンジャーは動物の皮で気球を作り
温泉のガスを入れて、ロープをつなぐと
勢いよく飛びあがり

マロンはチャレンジャーの足をつかみ
ロックストンはマロンの足をつかみ
ロープが切れて、20mから落下する





その様子を見ていた若い酋長は、その夜
仲良くなったマロンに小さな巻物を見せる





18本の棒線は洞穴の数と同じ
×印は外に出る抜け穴に違いないと話し合う4人

すぐに荷物をまとめて、静かに洞穴に向かうと
石の割れ目から月の光が差し込むのを見る

2時間ほどで崖を降り、ザンボウと大勢の土人の救援隊と再会する







■大かんげい
イギリスに帰る船では、お祝いの電報や
新聞社の問い合わせが相次ぎ寝るヒマもないほど


発表の日
会場にはフランス、ドイツなどの有名な動物学者が並ぶ
サマリーがまず報告するが話を信じない人々もいる

チャレンジャー:証拠をお目にかけましょう

大きな箱を開けると、プテラノドンが飛び出して
開いている窓からロンドンの町に飛び出してしまう





4人はたちまち英雄となる

その後、プテラノドンは西南に飛び去るのを見たという人が出て
生まれ故郷に帰ったのではないかと思う


■光るダイヤモンド
湖の青い粘土から取り出したダイヤモンド2、30個を4人で分けたため
4人はロックストンのお蔭で大金持ちになる

チャレンジャー:前から欲しかった博物館を建てたい

サマリー:大学を辞めて、一生、自分の研究がしたい

ロックストン:
もっと十分な設備の探検隊を作り
もう一度、あの土地を訪ねるつもりだ

マロン:ぜひ今度もおともさせていただきたい



<「失われた世界」について>

ドイルは学生の頃から小説をいくつか書いて雑誌社に送ったが返されたため
かわった小説を書こうと決心して書いたのが『名探偵ホームズ物語』

本書を書いた動機は、サセックス・ダウンにあるドイル家のそばで発見された
中世の生物、恐竜の足の化石を見たからだと言われる

ドイルの科学冒険小説の代表作として知られ映画化された

恐竜が最も栄えたのはジュラ紀
白亜紀の終わりに死に絶えた


地球の気候の変化についていけず
今から6000万年ほど前に全滅してしまった





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