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メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ザ・ノンフィクション 犬とネコの向こう側(後編)

2018-07-01 10:32:23 | テレビ・動画配信
語り:石田ゆり子

ザ・ノンフィクション 犬とネコの向こう側(前編)





私が思うに、イヌ・ネコ含む「ペットブーム」の裏には、「癒されたい」と思う社会の生きづらさがあって
それを取り上げるだけでは、前編の女性Kさんのように不安定になってしまうヒトもいるし

ブームを金儲けにして経済効果を上げているヒトもいれば、
「動物を大事にしよう」「自然保護」「保護犬・保護猫」の意識を上げた効果もあって

「譲渡会」で里親を探すにも、「殺処分」をなくそうという運動の裏にもブームが関連している部分もあるし
一概に流行り=悪とも言い切れない気もする

この施設の1部屋に大勢で暮らす生活も、単独行動を好む性質のネコにとっては相当なストレスでは?
「譲渡会」の里親探しが追いついていない+外国のようにに広い施設が確保できない事情があるのかな
ほんとうなら、各地域で解決しなければならないが、もうそれを超えちゃってるんだ


「多頭飼育崩壊」
今回「みなしご号」が向かったのは中部地方
飼い主の男性は1人で一軒家に100匹のネコを飼い、どうしようもなくなり中谷さんに助けを求めてきた
男性の家に行くのは3回目 今回で全員を引き取る

中谷さん:部屋がキレイになったんだってね
男性:とにかく床が見えるようになりましたw

中谷さん:ネコは1部屋に閉じ込めた?
男性:今そうしました



クツを履き替えるようタハラさんに言う
入ると床はネコの糞尿とゴミにまみれている
(なるほど、すごい現場だなあ・・・ 菌を施設に持ち込むかもしれないからクツ大事かも



次々とネットでネコを捕獲してケージに入れていく
コタツの中には死体もあった
衛生状態が悪いため、これまでに30匹近いネコが死んだ





男性が現在暮らしている部屋
男性:19時過ぎると弁当が半額で買える



もとは5LDKの一軒家 数年前まで両親と3人で住んでいた

男性:
商売失敗して、自己破産して、何も失くなって、その時離婚もしたし
子どももいるけど、母親に親権いって、僕もこんなだから寄りつかない
親父が死んで、母がアルツハイマーになって、10年くらい母の介護生活している間にネコが増えた


おふくろさんが死んでから誰も来ないから掃除する必要もないわって
誰も来ないとだんだん面倒臭くなって、何もしなくなってくる


その時、唯一、心を開ける相手がネコだったそう

(その間、近所のヒトや、福祉課は何も働きかけなかったのだろうか?
 これは心の問題だ この部屋がそのままこの男性の心象風景
 それでも生きてこられたのはネコがいたから

男性:
自分の思う通りの子分だね やっぱり主従関係になるよね
ネコは従順だし、人間の気持ちが分かるところがある
(動物に関する正しい知識も必要だ


<地元の愛護団体の野村まりさんが応援に来た>

野村さんは何度もこの家に通っている

中谷さんは、これまでに86匹を引き受けた
本来なら有料だが、男性の経済状況を配慮して気持ちだけでいいということに
ネコにも男性にも幸せになってほしい

男性:年寄りのネコだけ、なんとかまた



中谷さん:
出来ない ネコのストレスを考えたら、今のままじゃ戻せんよ
ネコが好きなら掃除をせにゃダメなんだって ネコはキレイ好きなんじゃけえ

男性:お蔭で今回はいろいろ勉強させてもらった


<地元の自治会長が来る>

会長:
みんなクレームが自治会のほうに次々来るもんで
本当にいろんなことがありましたけど、ここまでいくのに1年かかって
どうしたらいいか、ずっと話してきて、今回こうして持っていってもらえることになって
本当に良かったなと思って

(クレームはしても、ほんとうの助けが来なかったのか
 頭ごなし否定したり、「もっと頑張れ」とプレッシャーをかけたり、いろいろ的外れだったのかも
 このままでは、またネコを拾って元の木阿弥になるかもしれない

 この番組を見て、ただ怒りをぶつける声も多いだろうな
 それがまた弱いヒトを追い詰める

男性:何回も何回も遠い所から足を運んでもらってありがとうございました 何度も頭を下げる男性

中谷さん:行くたびに「それでね」って話して、どんどん明るくはなってますよ

(話を聞くだけでも大きな癒しになる
「多頭飼育崩壊」の裏にはヒト同士のコミュニケーションがなくなった背景が深い



全国を回る時はバスで寝泊りしている中谷さんら
朝はバスに乗せた動物たちの世話から始まる



カリカリを食べずに団子状態に固まっている保護ネコたち



野村さんがどうしても中谷さんを連れて行きたい場所があるとクルマに乗せていく
この地方特有の豪華なモーニングセットが400円!



中谷さん:私ら朝ご飯は食べられないんでね 6時に起きたら、イヌもネコもみんな起きるから


野村さんにとって中谷さんは動物愛護の師匠
昨日の男性の家も下見に行くよう言われていた

野村さん:
ネコに殺されると思いました
一斉にみんなが見るので1回(ドアを)閉めた
初めて見る光景 あとニオイがやっぱりすごいので、それでも入りました



中谷さん:汚い所に入る恐怖と、入れませんでしたと私に報告する恐怖とw



【2018.1 栃木県那須塩原市】

「犬猫みなしご救援隊」栃木拠点でお正月を過ごす







ここは東日本大震災後、原発20km圏内から救い出した動物のために造った
活動を支援する人が土地を貸してくれた(マンションや駐車場にするよりずっとイイね

今は全国から来たイヌ・ネコも暮らし、中谷さんらは月に10日ここに滞在する





毎日、キレイなミステリーサークルを作るように歩くアトムくん
1歳の時に「噛むから要らない」と言われて捨てられたが、ここではヒトを噛むことはない





ヒトを噛む、怖がるという理由で捨てられたイヌたち



ネコ舎のほうには約300匹
全国から保護したネコのほか、飼い主から有料で世話を頼まれたネコもいる(高齢者かな
みんなここ以外に行き場のないネコたち









全国からのさまざまな支援物資



中谷さん:
(みなしごの)イヌを飼ってくれている人で、料理屋をしている人がいて、鰹節の二番だしをとる
このパンの耳は、毎週、那須のパン屋さんから支援物資で届く







ここには全国からさまざまな支援物資が届き、イヌたちのごちそうになる
(毎日捨てられる食品ロスをこのコたちに分けてあげたらいいね

中谷さんとともに、400匹の動物の世話をするのは
5名の常駐スタッフと、日替わりで来るパート従業員
朝早くから夜まで絶妙なチームワークで働いている



ここで働くハビさん(仮名)も元「多頭飼育崩壊」の当事者だった



1年前、ネコ120匹を抱えて困り中谷さんに電話した
(こうしたヒトのココロも癒す活動なんだな



Hさん:
もうゴハンを買えないと中谷さんに突然電話して、食べ物の支援をお願いできないかと話した
少ないながら貯金から手術のお金をとっておいたのを、お友だち(同居人)が勝手に使っちゃった
そこから(ネコが)だんだん増えていった

誰かにあげるとか、捨てるとかいう発想はまったくない
でも、今日のゴハンがあげられないんじゃどうしようもないので

違法ではないが、人には言えない恥ずかしい仕事をしていたので
その前は昼夜いろいろ掛け持ちしていた

保健所とかいろんな所に電話をしていた時期があったが、ただ怒られるだけで
「勝手にこれだけ増やしたんだから愛護団体に相談してみたらどうですか こちらにお電話されても困ります」的な感じだった

(保健所も、福祉課も助けてくれないんだもんな おかしな国だ
 助ける人と、助けない人の偏見があるのか 国の規定があるのか?

1人で困っていたHさんを救ったのは中谷さん
すべてのネコを引き取ることを条件に、避妊去勢手術をし
タハラさんがアパートの床を張替え、生活を一新させた







Hさん:
「これはもう手術をしましょう この子たちのために」っていう言葉がすごく響いた
寂しいはものすごく大きくて、ロスにかかりました 急に涙が出たり
けど、今日のネコのゴハンをどうするとかの精神的負担がなくなった
相談してすごくよかったなと思います

ネコを手放した後、Hさんはここで働くことにした

Hさん:自分が少しラクになった分、お手伝いができないかなって 週3日だけなんですけど充実している

(こうしたヒトのこころを救わないと、ヒトに依存して生きるイヌ・ネコたちも救われない



「多頭飼育崩壊」を招くのは、もとはイヌ・ネコが好きなヒト



中谷さんが今取り組んでいるお宅
今は40匹だが、最初は数を確認できないほどいた
近親交配が進み、みんな同じ顔



中谷さん:この子たちは全部くくられていて、この辺(外)には子犬がわらわらいた





1年前、イヌであふれ、近所から苦情がきて対処できない状態だった
飼い主の秋江さん(仮名)は大きな一軒家で一人暮らし

東京で単身赴任していた夫を2年前に亡くした
20年以上、保険の営業をしていたAさんは、クルマで県内を回るうちに子犬を拾うようになった

Aさん:
(動物が)嫌いではないので、捨てられているのがすごく気になって
後のことを何も考えないでかなり拾って
お金があったらとっくに避妊できたのに、エサ代だけでいっぱいいっぱいで



保護しているつもりがイヌを増やしてしまったAさん
中谷さんに相談し、地元の保健所も協力して、すべてのイヌに避妊去勢手術をした





(そんなに捨てイヌが多い地域なのか? まず“捨てる人たち”の意識を変えなきゃ
 殺処分する費用を避妊去勢手術の補助金にあてたらどうだろう?

Aさん:これ(縁の下の犬小屋?)はボランティアの方に作っていただいた



手術後、中谷さんは7匹を引き取り、環境を整備しながら、その後を見守っている

Aさん:
ほんとに涙が出るほど嬉しかった
手術するのは金額的にどれくらいかかるか聞いたら、とても払える額じゃなかった
毎日のエサ代も大変だったので、払えないんですけどって言ったら、気持ちで結構ですと言われて
恩がいっぱいでどうしたらいいでしょうと言ったら、働かない?と言われたので

その後、栃木の拠点で働きはじめたAさんは、改めて動物との向き合い方を学んでいる

Aさん:
生きがいです 参考にもなるし みなさん動物が好きな方ばかりだからあったかいです
こうしてまた癒されて幸せです





いろいろなことがあって大きくなった「犬猫みなしご救援隊」は最初からうまくいったわけではない





●中谷さんを大きく変えた「東日本大震災」
地震の2日後、中谷さんらは家を飛び出し、1000kmの道を走った
絶対、私の助けを必要としている動物がいる
(この行動力がある人と、ない人とでは、天と地の差 すごい





2人が広島を出発した日、福島の原発20km圏内には避難勧告が出され、
着の身着のまま避難した住民はやむを得ずイヌ、ネコを置き去りにしていた


野犬になったイヌに「おいで」とエサを投げる中谷さん
ガリガリに痩せたイヌに水を飲ませる
窓を開けるとすでに亡くなっているダルメシアン








中谷さん:
助けられない子がたくさんいて、昨日まで来てた子が来なくなって
でも町には人がいなくて、その子たちの死を無駄にするかしないかは
今後の私だなとは思っていました



(東京電力は、こうした愛犬・愛猫被害の責任も取るべきでは? 電気値上げなどせずに


飼い主の依頼を受けて、エサを運んだり、行方不明となったイヌ・ネコの捜索・救出に明け暮れた
飼い主が家に戻ると、影に隠れていた愛猫がいて、「良かった」と号泣する





クルマの下にしがみつくネコも救出 「ずっと怖かったねえ」






タハラさん:
「福島第一原発の近くに行って、この子たちを置いて私は帰れない」と まさにその通りだった
それがなかったらここまで出来ていたか分からんし、それがあるから出来たんだと思う
その光景だけは、一生忘れないと思う

2人は1年9ヶ月通い続け、1200の命を救った
(みんなそれぞれの家族に戻れたかなあ?
 あの子たちの浴びた放射線量はどれくらいなんだろう?



【2018.1 栃木県那須塩原市】



午前6時
中谷さんは誰より早く起きて母屋のストーブをつける

7時
世話をしている動物と一緒にバスで寝ているタハラさんを起こす
寝覚めのコーヒーを一緒に飲むのが習慣になった スタッフが来るまでの2人だけの時間



中谷さん:動物保護するにはこの人(田原さん)がなくてはならない
Q:人生のパートナー?
田原さん:運転手w

Q:いろいろ辛い局面いっぱいあるじゃないですか?
中谷さん:辛い局面しかない 2人で乗り越えてきたよね?

田原さん:ケンカしながらね
中谷さん:ずっと前を向いてたんでね、見つめ合ってないんで(それが理想像だね



福島で被災したチビ
2018.1 みなしご号は福島に向かう
(ヤギさんずっと旅をともにしてるね



震災後、飼い主さんから中谷さんに預けられたチビ
その後、精神が不安定で唸るのを止められない





自分のシッポを追いかけるのを止めさせるため、
獣医さんに切断してもらった(!)が追いかけるのは止めない

中谷さんはチビに寄り添い、一緒に寝るなど心を開こうとしてきたため
チビは中谷さんと田原さんだけにはなつくようになった





田原さん:他の人は噛みます この毛も自分で掻いて抜いてしまう 抱っこは大好き

震災から3年後、チビを飼い主の元に連れて行く
飼い主は避難所を出て、福島市で暮らしているが
ある事情で飼うことが出来ず、中谷さんはチビを連れて時々訪れるようになった

飼い主を見るととびつくチビ とくにおじいちゃんが大好き
一刻も早くチビと暮らしたいが、呼吸器系の病気を患い、入退院を繰り返しているので
家にいるわずかな時間をチビと過ごすことにしている



おじいちゃん:ゆうべ、2人で歩いてる夢を見たんだ



病気が治ったら、絶対にチビと暮らす
中谷さんは、その日が来るまで通い続けることにした



あれから4年、通い続けていたが、数ヶ月前から連絡が取れない
家に着くと暗くて、誰もいなかった



【2018.3 栃木県那須塩原市】

北へ帰る白鳥の群れが春の訪れを伝えた/驚



ようやくおじいちゃんと連絡が取れ、夫婦2人とも入院していたと分かった
どうしても会いたいということで福島の病院にお見舞いに行くことにした
会うのは1年ぶりくらい

まず、家に寄り退院したばかりのおばあちゃんと合流
おばあちゃん:尻餅ついて背骨が折れた

車イスに乗ったおじいちゃんと再会



おじいちゃん:
広島からイヌが来ると言ったら、みんながウソだと言った
あんな遠い所からなんで来るんだって ウソはつかねえ

田原さん:
最初はチビくん連れて行った時は、預かるのが悲しかった
おじいちゃんも泣くし、チビもすごい鳴くし
また連れて来る 頑張って、早く元気になって
(だから、みんなに吠えまくっていたのかもね

おじいちゃん:今度は退院してるからな



中谷さん:
4月に来るから頑張ってね
未来は明るいと思いますよ 自信持ってます、私は

(今回の番組で)底辺の、底辺の姿を見てもらえたら
うちにはリボンつけたようなコは来ないんで


みんな明日に死ぬようなコばっかり来るんだけど、変えていきます
もう変えていっているような気がします


***

ネパールに旅行した時、たくさんカルチャーショックがあった中で、
道に野良犬がたくさんいる風景がいまだに忘れられない

皮膚病にかかっていたり、ガリガリに骨が見えるほど痩せていたり
「不衛生だから、野良犬には触らないでください」とガイドに注意された
予防注射もないし、そんな知識も意識もない

朝昼夜と鳴き通していて眠れなかった
やっぱりイヌはヒトがいないと幸せになれないのかな




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