メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ザ・ノンフィクション 犬とネコの向こう側(前編)

2018-06-30 18:43:24 | テレビ・動画配信
語り:石田ゆり子

ゆり子さんがインスタで「ぜひ見て欲しい」と言っていたので興味深く見させてもらった
前・後編ともに55分の番組

いきなり大勢のネコを1部屋に飼っている女性のインパクト大な映像
最初は、この方が「多頭飼育崩壊」なのかと思ってしまった




【内容抜粋メモ】

以下ナレ:
日本は今 空前のペットブーム
イヌとネコの可愛い表情が連日メディアをにぎわしている





でも、その影で飼い主のいないイヌ・ネコが
年間5万5998匹(2016年)も殺処分されている




広島県広島市



飼い主がいなくて殺されるなら、私が引き受ける
広島市の郊外で殺処分と戦っている人がいます

「犬猫みなしご救援隊」本部 代表・中谷百里さん



全国から保護したイヌ140匹、ネコ1000匹(!)と暮らしている(取材当時





中谷さんは元は飲食店のオーナー(毛色の似た仕事だな
フィリピンパブで踊っていた経験もある





もともと動物好きな中谷さんはイヌ・ネコを拾い、店の2階で飼うようになり、
それが保護活動のきっかけになる(自身も救われていたんだな





そんな中谷さんを公私共に支えたのは、店の常連客で
6歳年下の建設会社社長だった田原好巳さん 現・副代表



タハラさんは中谷さんの活動を体を張って手伝うようになる
以来、25年間、2人で保護活動をしている




【2013年】



「広島市動物管理センター」からすべてのネコを引き取り、
結果、広島市のネコの殺処分はゼロになった





今は広島市全体で処分を行っていない
中谷さんの大胆な行動が社会を動かすきっかけとなった

ネコたちはゆったり余生を楽しんでいる

中谷さん:この子たちの天命で死んでいくならいいけど、人間が殺しちゃいけん



活動を支えるのは年間費3000円からの支援者からの寄付
1匹でも多くの命を救って欲しいという支援者の数は3000人以上


中谷さん:
やればついて来る やらなければ誰もついて来んし
私は何がしたいと聞かれたら、これしかない


●2017.10 岡山市 保健福祉局 保健所



中谷さんは岡山市の保健所に行き、行き場のないイヌを引き取ると掛け合う
岡山近郊で飼い主が30匹近くのイヌを放置
このままでは処分されてしまうと聞きやって来た



(まず殺処分制度をなくすことからかなあ

中谷さん:
飼い主としても、うちが引き取ることになったって言うのと言わないのとでは
今後は少し違うのかなとは思う

スタッフ:それは保健所が言っても全然信用しない



中谷さん:そりゃそうだろ 殺すだろみたいな
スタッフ:中谷さんが言ってくださるなら助かります


山間の現場に向かうと、野犬化したイヌたちがいる



(昔は野良犬も野良猫もたくさんいて、みんな普通に共存していたけどな いつから共存できなくなったのか?
 クルマがたくさん走るようになって、轢死が増えていったんだ

法律で禁じられた罠にかかったイヌがカゴに入れられている



中谷さん:罠にかかってるじゃん これ誰が仕掛けたん?

証拠写真(?)を撮る中谷さん

中谷さん:イヌ殺しても何もええことはないでしょう

男性:この辺走り回って困る
中谷さん:たとえば?

男性:履物くわえて無くなる

中谷さん:
それは飼い主のせいでしょう
だからこの子らに対してこういう棒を持つのはいけんことと思うよ

男性:襲ってきたら防がなきゃ これ1匹じゃない 他にもおる
中谷さん:誰か実際に噛まれた?


<保健所の職員が仲裁に入る>

中谷さん:ここの飼い主とキチっと話すべきだったよ こんなに増える前に

飼い主の女性が来る

中谷さん:おばちゃんがちゃんとしなかったから、この子見た?
女性:うん、そうらしいな

中谷さん:
イヌを殺して済む問題じゃない ちゃんと人道的なことをせにゃいけん
話し合うなりなんなりせんといけん おばちゃんはイヌを手放すことを納得したんでしょ?

女性:納得はしてない
中谷さん:可哀相とは思わん?
女性:可哀相

中谷さん:
このままだと地域の人との軋轢はどんどん酷くなって被害に遭うのはイヌよ
何の罪もないのに骨が出とんよ これを見て何とも思わん? 人間として
とりあえず、早くイヌを捕獲して、イヌの身の安全を確保してあげよう

保健所職員がイヌの捕獲を始める 逃げ回るイヌたち
(捕獲の方法も荒っぽい、慣れない手つきだなあ





飼い主は30匹あまりのイヌを残して、数年前に引越し、時々エサをやりに来るだけ
増え続けたイヌたちは、正確には何匹いるか分からない

“公衆衛生上の問題”として保健所が捕獲に乗り出した
捕まれば、殺処分される可能性がある(もっと悪いじゃん
そうさせないために中谷さんらがひきとる



中谷さん:多くの野犬たちは、殺処分じゃけんね この子たちの心情を思うと・・・

飼い主は20年にわたり保健所から飼い方を改めるよう言われてきた

保健所職員:20年前の約束が守られてないからこういう状態になる

(保健所の仕事って何だろう? 殺処分所と名前を変えたらどうだろう?
 やっぱり「動物愛護法」改正に頼るしかないのか?

2018年動物愛護法改正に向けて

28匹引き取り、まずは、世話の必要な子犬を「救援隊 岡山拠点」に運ぶ


「救援隊 岡山拠点」





中谷さんにこの場所を提供した「にゃんともライフ」代表・渡辺桂子さん
もともと中谷さんのファンで、5年前から衣料用品の事務所の一角を貸している



渡辺さん:保護犬・保護猫のために仕事はせんといけんけど、仕事の時にネコがいると楽しい
Q:何匹いる?
渡辺さん:今は16匹

罠にかかったイヌも運ばれる 拠点あってこそ救われる命
罠を外す 彼は獣医さん? 一命は取り留めたが酷い怪我



まだこういう罠が売ってるのか 何のため?
イヌでなくても、タヌキなど「害獣」と呼ばれる動物たちかもしれない

『なぜハクビシン・アライグマは急にふえたの?』(農山漁村文化協会)


【2017.11】



観光バスを改装した「みなしご号」
中谷さんを応援するバス会社の善意で所有することができた
(使わないバスがあれば、使い方を変えればいいよね

このバスで全国のイヌ・ネコを救いに向かうタハラさん
バスには世話の必要なイヌ・ネコの他、途中で保護したヤギ、シカも乗せている






「多頭飼育崩壊」の知らせを受けて出動

中谷さん:
一人暮らしの女性がネコを自称17匹飼っていて、生まれたネコは死んでいるとか
私から保健所に言って、ちょっと行って来いと言われて、まあヤバいんでしょうよ

下見に行った保健所職員と合流

保健所職員:昨日電話してみたが出ない
(これは動物と同時にヒトを救わないと根絶しない

部屋から異臭

女性かえでさん(仮称):
会いたくない! 帰って! 困ってねえから!
これ以上怒らすな! 親猫が子猫を殺すから勘弁してよ!


中谷さん:今日、フード持ってきたんよ

Kさん:
結構です ほっといて! 警察呼ぶから 外に出るなら私、包丁持ってから出るわ
私は家族を失ったばっかりなの これ以上この子たちを取られたくないの


<警察が来た>

警察:こんな状態だから、今日はネコのことは中止にしません? また後日、話をしましょう
(こうして引き延ばしてきたんだな

タハラ:後日は分かるんですけど、次はいつにする?

警察:
そんな連れて帰るかどうかは分からんですよ そんな約束は出来ません
今ここで開いたとして、あなた方が入れるような状態ではないでしょ

膠着状態となり待つこと1時間半 ドアが開き、警察官、保健所職員が入る

警察官:中谷さんと話したいそうです

中谷さんが中に入ると、いわゆるゴミ屋敷のような部屋にたくさんのネコ
40歳のKさん 2DKの部屋に、30匹近いネコがいた





Kさん:あ、分かった 広島は今殺処分ゼロ
中谷さん:そうそう、うちが全部助けてます

中谷さんは広島の施設の様子を見せる

Kさん:
なんかの本で見た うちの内装業(友だち)しよるのが言った
結構キツイおばちゃんだけど、ネコのためだけにしかせん人や

Kさんは現在闘病中
仕事も出来ず、経済的にも逼迫し、一人でネコの世話をするには限界を迎えていた



中谷さん:
本当にうち責任もつんで、可愛がってあげるし、環境いいし、どうかなと思うんよ 子猫だけでも連れて帰る?
ネコも大事だけど、頑張って欲しいんよ
今から生活立て直さんといけんじゃない?
その協力はいくらでもするんで

Kさん:なんか死ぬまで可愛がるって

中谷さん:
そうよ じゃけ、信用して渡してくれて、病気を治しんさいよ
治ったら、うちで働きんさいよ いっぱいネコおるけ、どう?

Kさん:いいわw 子猫だけなら今いいんで

まずは9匹の子猫を引き取ることに
(行動するってスゴイことなんだな 人の心を動かすのはコミュニケーション

中谷さん:
また来るけ 病気を治そう最初に ネコのゴハンは持ってくるわ
で、この子たちをどうするかは考えよう いっぺんに言ってもね

Kさん:オスは引き取って欲しいんよ
中谷さん:男の子は去勢する?

Kさん:うん
中谷さん:電話番号交換せん?

電話番号を交換し、記念撮影



警察:助かりました

中谷さん:エサを持ってきて、去勢手術をして、もっと信頼関係を構築していけば、いけますね

バスに子猫を乗せて、広島に向かう

中谷さん:
人間関係がうまくいかない、人と付き合えない、だから動物にいったと思う
私もそうなんで 私もニンゲンより動物のほうがいいと今でも強く思っているんでね


ああいう風に酷い家にいると、ますます世間から疎まれて、自分も出られなくなって悪化の一途
注意とかはしてはいけない 間違ってはいるけど、ネコ好きなのは事実
同じネコ好きの観点から話を進めて、ネコとその人の関係はネコ見たら分かるんで

ネコが非常にお腹を空かしていたのは見てとれたから ネコが動かない
ネコは賢い生き物だから、動いただけ体力を失うと分かっているから

これは飢餓状態と分かったので 本人もエサを与えたいという気持ちが一番にあると思ったんで
フードをすぐ持っていくと言ったら「ほんとですか?」と言うので、雪解けを待ったほうがいいと思う

(うしろでずっと小首かしげてるヤギさん可愛い




しかし、大変なのはこれから

10日ぶりに本部に帰った中谷さん
各地で保護した動物をスタッフが専用の部屋に運ぶ



まず避妊去勢手術を受ける(そんな設備も備えてるのか/驚 専門スタッフがいるってこと?
中谷さんは、去勢手術がもっとも大事だと言う





中谷さん:
去勢手術するしかない それしか道がないの
コントロールとか、飼い方とか、つべこべ言うなって話
今のネコブームをなんとかしたい
可愛いばっかりで写真撮られて 命はって生きてるんでね



無責任な飼い主が増えれば、待っているのは処分
絶対それは許せない中谷さんの戦いは続く

(あら、ハニ坊にそっくりなコもいる! そういえば、ゆり子さん宅の3人も元保護イヌ・ネコだね
 BGMは♪ファイト/中島みゆき





保護した子犬はトイレトレーニング中 多少の失敗は想定内



罠にかけられたイヌは3本脚になったが元気





ここでは住み込みのスタッフと、パート従業員、10名ほどが働いている
お昼はみんな一緒に中谷さんの手料理を食べる




そこにKさんから「ネコのフードがいつ届くか」と電話が入る

中谷さん:
今日の夕方 ちょっと待って 必ず持っていくけ
毎日かかる すぐに折り返ししないと大変なことになる


●「多頭飼育崩壊」の背景には飼い主の孤立がある
誰にも頼れず、イヌ・ネコに癒しを求めた結果、気づくと大量に増えている
誰にも相談できないまま自体は悪化していく

数日後、みなしご号で向かい、すべてのネコに避妊去勢手術することにKさんが同意した

夜に到着 ネコを預かる



Kさん:
チャコです ごめんな クルマまでお母さん運んであげるから
(黒ネコが)子どもを食いよって、腹がたってお湯かけた
上から下まできれいにしっぽまで大やけど 20匹くらい食った






中谷さん:子猫を食べるのはいろんな理由があって、頭いいコは食べる やっぱり生存競争だからね





17歳のネコ



Kさん:ちっちゃい頃に子宮取られた

すでに手術を受けているアララだけ残ることになった

Kさん:
うちが苦しい時に近寄ってくる しっぽがパッタンパッタン体に当たって
何か訴えてるの 一緒に悩むんだろうと思う 家族だね
なにかしら来てくれるし、一緒に寝てくるし



中谷さんが飼ってくれるのは分かってるんですけど、
オペをしてもらった後、全部返して欲しい
一気に消えちゃうと、うちの神経がもたないんです


(中谷さんに心を開きはじめ、事情を話し出すKさん

Kさん:
オカンが水商売しながらうちができた
小さい頃から親父がどつくんで、小学校の頃、背中にみみず腫れになるまで布団叩きで叩かれて
くくられるから、ずっと家に帰りたくない病で、裸足でオカンの店まで逃げて行ったり
包丁持ってきましたよ 殺してやる言うて

あれダメ、これダメ、全部する前から 何もさせてくれないんですよ
だから私、暴走族入ってましたから
17歳の時に男に目の前で死なれました

大人になって、生きようが死のうがもういいわと思いながら
ただネコだけは生かさにゃいけんと思って



ナレ:
父は数年前、母は1年前に亡くなった
1人で生きる彼女にとって、ネコにすがるしかなかったのかもしれない


中谷さん:
やっぱり社会を変えていかないと、あのコのせいじゃないよ
(同じことを、クリニックで言ったけれども「社会は変えられない」と言われたな
病気治して、うちで働きたいって言うなら、別に私は構わんよほんとに
やっぱり寄り添うものがないと



Kさん:うちが寂しいだけ うちのほうがもたん(本人もほんとうは分かってるんだよね

21匹のネコを渡してくれた

Kさん:よろしくお願いします



岡山県 備前市日生町 牡蠣の養殖が盛んな港町







「日生総合支所」で野良猫の一斉避妊去勢手術を行う







処分される命があるかぎり、増えないようにするしかない
ボランティアが町中から野良猫を集めてきた
ここでKさんのネコも手術する計画

岡山TNR実行委員会・平木のぶ子さん:
私は地元で昨日6匹捕獲した
牡蠣の養殖が有名で、ここにいるとゴハンがもらえるということで、ネコを遺棄する人がいる

港町にネコはつきものとは言え、増えすぎると問題が起きる





岡山TNR実行委員会・橋本一子さん:
虐待されて、殺されて、海に捨てられたりとか
エサやりさんが、すごい攻撃の対象になって
野良猫が増えて、避妊去勢手術が必要になった


大阪から獣医師・後藤さんが到着(1人で全員やるの?!
中谷さんとこの活動を続けて6年になる



地元のボランティアがネコを集め、中谷さんが獣医さんを手配して行う共同作業
費用は寄付でまかなう

こうして麻酔するのか 手伝うのは中谷さん1人?!




<備前市長・田原さんが来る>
手術のためにこの場所を提供してくれた



田原さん:
こういうことをやっていただけてる 正直、初めてでビックリしました
ボランティアということで、場所の提供くらいなら進んでお手伝いしましょうということです

(テレビの取材がなければ、こうして見学をしに来たかどうか・・・
 これまでのトラブルも知らなかったろうし、知っても手を打ってくれたかどうかも疑問

中谷さんはこれまで全国200箇所、約5000匹の野良猫に避妊手術をしてきた
後藤さんは活動当初から執刀している

後藤さん:
誰かがやらなきゃいけない 日本の事情が変わってくると一番いいとは思うんですけど
その日が来るまで、できるかぎり、体がもつかぎり頑張ろうかな

毎回会うたびに、中谷さんにはパワーをもらえる感じですね
私の母親と同い年なんですけど、そうは思えないくらいエネルギッシュで
第2、第3の母親と思えるくらい尊敬している

(目開いてるけど麻酔効いてる?
 手術シーンは少しボカしてほしい とても辛くて見ていられない・・・





中谷さん:長生きしようね 幸せになろうね






手術が終わった野良猫たちはボランティアの手で元いた場所に帰る
(エサやりだけだと、増える一方で、ニンゲンとの軋轢が生まれるという悪循環なんだよね

Kさんのネコたちの手術に取りかかると、3、4匹妊娠していることが分かる
高齢で、栄養状態が悪く、出産には命に危険な状態
望まれない命なら、生まれる前に手術する
この活動につきものの苦渋の選択



手術は夕方まで続き、手術代の下で仮眠をとる中谷さんにKさんから電話

Kさん:
17歳のネコ(アララに噛まれて)血だらけで腫れてます
うちの腕が貫通でボロボロになりました

中谷さん:そこいこうか?
Kさん:できたら

(医者やカウンセラーさんより親身だな


夜中にみなしご号で向かい、21時に到着 腕が真っ赤なKさん
(他のネコがいなくなって、今度はアララさんの心が不安定になったかな?



これ以上トラブルが起きないよう中谷さんが引き取ることになったが、ケージに入れようとすると

Kさん:
もうちょっとおってもいい? 今年いっぱいおらせたいかなと思って
うちのオカンの1周忌くるんで その後でもいいですか?(腕は大丈夫?

部屋は少しだけ片付けられていた

Q:外にゴミが出してあるのは、自分でまとめたんですか?

Kさん:
うん、で、お金ちょっとでも稼ごうかと、アルミ缶売ったら、今1kg85円なんで
(すごい! ヒトってこんなに劇的に変わるものだなあ 医療じゃないんだ

スタッフ:ネコちゃんがキレイな所でお水飲んでるし
Kさん:捨ててあった炊飯器のお釜だけもらって



Kさん:ここに猫っていう字見えます? 同じステッカーを中谷さんにあげる



Kさん:中谷さん、来てくれて良かった

今後もKさんとネコの暮らしを見守っていくことにした


後編につづく

ザ・ノンフィクション 犬とネコの向こう側(後編)



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