メランコリア

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ミキハウスの絵本 『鳥箱先生とフゥねずみ』宮沢賢治/作 三起商行

2022-11-02 14:17:20 | 
「作家別」カテゴリー内「宮沢賢治」に追加します


賢治の素朴な文章に思わず笑ってしまうけれども
内容はとても深くて、大人のもっとも臭い道理に
子どもたちが命を落とすほど虐げられる様子は
自分のことのように思われて見につまされた

ちょうど今取り組んでいるインナーチャイルドとアダルトチルドレンにリンクした


青空文庫



【内容抜粋メモ】




無機質な箱に意識が宿ると同時に
バタつくな、泣くなと命令し
急に自分が先生なんだと納得するあたりは
年上だからというだけで
小さいものを思う通りに教育しようとするエゴがコワイ







ヒヨドリは、先生が嫌いなあまり
ずっと目をつぶっているのも

どこにも逃げ場がないため
いないかのように振る舞わなきゃならないほど
追い詰められているのが分かる







エサを忘れたり、腐った水で病気になったりしても
なお箱に入れるヒトのエゴもある

猫大将に連れて行かれて
「哀れなことだ」という同情にも愛が感じられない







竜の住処だと思い込んでいた穴からネズミが出てきて
死んだヒヨドリがさも立派に育ったとウソをつく










それを盲信して子どもを預ける親ネズミも同じ

チョロチョロ歩いたりするのを止めさせようとするのは
ネズミがネズミであることを止めるようなもの







ネズミの友だちが蜘蛛、虱、ダニっていうのもリアルで面白い





なぜもっと立派なものと付き合い、比べないかと諭すも
いつも一目散に逃げて行くネズミを追いかけることも敵わない箱

猫大将がウソを見破るセリフにつけられた絵がまた現代教育の様子でコワイ
国の未来が思いやられるのも納得する














ミキハウスの賢治シリーズは素晴らしいな
絵もとても分かりやすい
こういう絵本を大人も子どもももっと読んで欲しい

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