メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

少年少女21世紀のSF 10 火星地底の秘密 瀬川昌男/著 金の星社

2023-06-04 21:11:17 | 
1969年初版 1984年 第11刷

装幀/塩崎英一 カバー・表紙/岩淵慶造 挿画/坂本健三郎

「ジュヴェナイルまとめ」カテゴリー内に追加します







このシリーズは日本の作家だけなんだな
欧米文学が好きな私はちょっとガッカリ

6人のキャラが立ってて分かりやすいけど
次から次とトラブルが起きすぎて息切れがする

設定が2023年!
世界が平和に統一している設定がいいね
銃などの危害を与える武器が禁止されているし

ロボッタンはなんでも出来るってゆったのだから
壊れた無線の代わりに、基地に連絡できるのでは?
それだと子どもたちの冒険話じゃなくなるか

すごい発達したところと、昭和的な部分があるのはご愛嬌か


【内容抜粋メモ】

登場人物
ボス ガキ大将のボス 14歳
ノーヘル ノーベル賞がとれそうなほど物知り 額が広い 14歳
アクビ のっぽでいつも眠そうにあくびをしている 13歳
コロ 食いしん坊 11歳
ケンジ ノーヘルの弟 8歳
チーコ ボスの妹 5歳
ロッテ ドイツ人の少女
ハンス ロッテの愛猫






●わんぱく6人組
宇宙船第13マルス号は、地球から火星開拓移民に来た





大人は着陸準備で忙しいが、6人の子どもたちはすっかり退屈している





宇宙服を着て外に出て体をロープでつなぎ
ボスが推進ガンを発射すると前に進む








後ろから誰か来る気配を感じるが、気のせいだと忘れる

食べ物が詰まっている貨物ロケットの操縦席で宇宙飛行士ごっこで盛り上がる



●動きだしたロケット
なにかの機械を動かして、ロケットが母船から離れていることに気づく
無電機は壊れてしまった

火星に向かっているから、誘導電波で中央都市に着陸できるかもしれないと希望をつなぐが
気づいた大人たちは、ロケットを近づけるのは危険だと判断

火星中央都市宇宙港も大騒ぎ
記録的な太陽面爆発の被害もあり
子どもたちの乗ったロケットがどこに着陸するか予測不可能
ロケットに備わる高等な電子頭脳に賭ける



●猫を抱いた女の子
ドイツ人の母親が娘のロッテがいないと泣いて騒ぐ

ロッテは猫のハンスとともにボスらのロケットに乗っていた
エスペラント(宇宙標準語 国際語)がまだ上手く話せないがなんとか気持ちが通じる






緩衝をやわらげる席にチーコとロッテを座らせ
その他は火星に送る水のタンクに飛び込む(頭いいな







火星着陸した衝撃でハンスは足の骨を折る



●不気味な口笛




外は一面雪景色で北極地方だと分かる
食べ物はロケットにあるが、酸素が不足したら危険
雪を溶かせば飲み水にもなるし、酸素もとれると気づく

ヒュー ヒュルルル という謎の口笛のような音を聴くボス

火星に移住した人々の間で時々、火星人の噂は出るが
学者たちは幻覚だと決めつけている



●消えた酸素製造機
水と砂を入れて酸素をつくる酸素製造機を使うと液体酸素が出てくる
安心していたら、機械が消えている







●開拓用ロボット5963




日本神成(かみなり)電機製火星開拓用ロボットは2m以上の巨人
ヒトの命令を忠実にこなすと言うから
酸素製造機を探すよう命令すると
穴を掘って酸素製造機を探し出すロボッタン

火星の1か月の55日が過ぎると、人々は諦めて、捜索隊は1/3に減らされる

ボスらは農園に野菜の種を植えて芽が出たと喜ぶが、それも消えてしまう
50平方メートルの気密テントになにかが侵入したのか?

火星名物の砂嵐が舞い、子どもたちは生き埋めになりかける
目の前にぼうっと光るひと形を見る







●ガラクタ探検車
気づくとみんな助かっていた
テントは飛ばされ、宇宙服も破れたから火星用気密下着を着る

なんとか一番近い基地か都市に行こうと
組み立て式探検車を2台つなげて
中央に荷物を載せたソリをひいて南を目指す






緑色の蜘蛛の糸のような植物にからめとられ身動きできなくなる
車内にまではびこり、酸素ボンベから酸素が漏れると逃げることが分かり
酸素をかけながら逃げ出す










●温泉
火山の近くまで来たら、今度は、キャタピラーが穴にはまる
ボスが温泉にはまるが熱くない
火星の気圧が低いため、沸点が低いと分かる






温泉プールをつくって、ひさびさのお風呂を楽しむが
チーコとロッテがいないことに気づく

探そうとすると、急に具合が悪くなる
風呂のせいで火星の細菌が感染したと思われる

高熱が冷めると、お城の中で目を覚ますチーコとロッテ
なんでも欲しいものが机から出てきて
シンデレラ気分になる







心の中に自分の声で別のなにものかが話しかけてくる



●氷をさがせ
チーコとロッテが溺れ死んだと思い、後悔ですっかり気落ちするボス

タンクの水が一滴もないことに気づき
穴掘り機械で地面を掘れば氷があるだろうと推測する

そうとう深く掘った頃、谷底に歩いていくと
以前聴いた口笛のような音が鳴り、砂の幽霊を見て驚く







●ゆうれい火星人
青白くかすかに光る人の形をしたものが氷のありかを教えてくれる

ロボッタンはチーコとロッテを連れて戻る
2人は人工冬眠状態から目覚める



●ロボッタンはうそつき?
ロボッタンをずっと胡散臭く思っていたボスは
2人を見つけた城に連れて行けと命令

谷底に着いてみると、そこにあったはずの洞穴がなくなっている

ロボットはウソをついてはいけないという絶対の憲法を破ったと思い混乱する



●火星の主
ふたたびさっきのゆうれい火星人が現れる

火星人:
白か黒か 正しいか間違いか 科学か非科学か
世の中にはそう割り切れることばかりじゃない
割り切ると危険なこともあるんだぜ


おれたちは地下にしみこんで住んでいる
正確にはオレでもオレタチでもない
1人でもあり、何億とも言える(ワンネスみたい
火星そのものが生命を持って生きていると言っても構わな

地球人の頭の程度はとっくに分かっているが
この火星でどれくらいのことができるか見物してるんだ
おれたちの科学、哲学は少なくとも10万年は進んでいる

ロケットは北極地方に着陸した
ここからバローズ市なら歩いて行ける距離だ
捜索隊はもう向かっている



●生き埋め
ボスはここまで自分たちでやって来たのに
今さら大人たちに救助されるのはカッコ悪いから
火星人に道を聞いて、みんなで出発する

ここら辺は地震がひどいと火星人が教えてくれた通り
途中で大きな地震が起きて、地下道の天井や壁が崩れ落ち
子どもたちもロボッタンも生き埋めになる

気づくとベッドの上
ハンスがバローズ市に行って、助けを連れて来た






これまでのことを話しても信じてくれない大人たち

ボス:
大人たちが僕たちの話を信じないのは
火星人がそうしむけているのかもしれないぞ

ヒュルルという音と一緒に笑い声が響いてくる



解説 瀬川昌男
もとの題名は「わんぱく火星旅行」
読売少年少女新聞に1964年に連載されたものを編纂した

ロケットによる観測以前の事実をもとに書いたため
その後分かった新事実と異なる箇所がある


火星




太陽を1まわりするのに1.88年かかる
約15年に1度地球に大接近する

自転していて、1日は24時間40分
地球とほぼ同じ約24度傾いているため、四季があるが
太陽と離れているため気温が上がらない

2つの衛星フォボスとデイモス

1965年 初めて火星の近接撮影に成功した火星ロケットマリナー4号
表面に無数のクレーターがあり、大気、水がほとんどないことが分かる

火星は月と同じ死の世界と信じられる

1971年 マリナー9号
何千kmという大峡谷を発見
昔、水が流れた跡だと思われる

1976年 バイキング計画による火星探査体 アメリカが軟着陸させた
火星に植物があるか、答えが出るのもそう遠くない



その後、どうなったんだっけ?

【4K】NASAの探査機が撮影した火星の様子をご覧いただこう....

キュリオシティ、かわいいなあ






こうして見ると、地球がどれほど多様性に満ちた美しい星かが分かる
いまだに火星に生命が見当たらないのは、地下に文明を築いているからかも?





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