メランコリア

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メルトダウンした2号炉の炉内調査実施@「ビッグイシュー日本版」

2017-04-02 18:00:42 | 
「ビッグイシュー日本版 BIGISSUE JAPAN」
“1冊350円で販売。180円が販売者の収入になります。”

ツイッタの「The Big Issue Japan」のリツイートを見て知り、気になったので1冊買ってみた

【THE BIG ISSUE JAPAN306号】
特集:7年目の福島 ーー帰りますか
スペシャルインタビュー:『モアナと伝説の海』


【内容抜粋メモ】

メルトダウンした2号炉の炉内調査実施 文/伴英幸
東電は、メルトダウンした2号炉の炉内調査を実施し、順次公開した
原子炉容器の下部までカメラ、放射線測定器を挿入して映像、データを得た

「燃料デブリ」(燃料が高温になり、周囲の金属とともに溶けて固まったもの)があちこちにある


放射線量は、530シーベルト/時
人間は積算7シーベルト被爆で死亡すると言われるため、1分と生きられない数値
これは下部ではなく「ペデスタル」(原子炉自体を支える構造物)の外側で観測
下部は20シーベルト/時



従来の説明とつじつまが合わない
これまで「燃料が溶けて、原子炉下部を貫通して、炉外へ落下した」などと説明されてきた
しかし、調査では外側が非常に高い数値
下部へ落下しただけでなく、原子炉の脇を溶かして漏れ出たことを疑わせる
東電は、今後さらに内部の様子も調査を継続するとしているが果してできるのだろうか?



「グレーチング」(格子状の足場)は一部が大きく脱落
調査ロボットは走行できない
電子機器は強い放射線のために短時間で破損してしまう


「ガラス固化体」(高レベル放射性廃棄物)
「ガラス固化体」は、約1トンの使用済み燃料を処理して出る
放射性物質約50kgを閉じ込めたもの

表面の放射線量は1500シーベルト/時
わずか20秒ほどで致死量となる高さ

2号炉には60トンほどの燃料が入っていたため
今後の作業の困難さをうかがわせる



廃炉に40年、費用は8兆円以上
1つのロボットが開発中だが、これがグレーチング上を移動できるか疑問
これまでも途中でひっかかり、回収不能になった調査ロボットは1つ2つではない
廃炉費用は従来の2兆円から8兆円に見直された



アメリカで起きた燃料溶融事故「スリーマイル島原発事故」を参考に
費用見積もりは、「スリーマイル島原発事故」をベースにかなり荒っぽく数十倍に見積もった結果
東電は「40年で廃炉作業を終わらせる」というが、最大の難関は燃料デブリの取り出し

方針の決定は2016年前半、方法は2017年前半に確定するという
これは当初計画から3年ほど遅れている

『メカニック大図解10 原子力発電所』(福武書店)



長期的、柔軟な対応が必要
福島県知事は、「廃炉の遅れが復興の妨げになる」と計画の先送りに強く抵抗しているが
現実的には、費用の点でも、長期的で、安全な対応のほうが国民負担も減るのではないだろうか



[伴英幸]
三重県生まれ 原子力資料情報室協働代表・事務局長
著書『原子力政策大綱批判』(2006)




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