メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

染色家 志村ふくみ@アートシーン

2020-06-06 12:10:54 | アート&イベント
2014年6月29日放送 日曜美術館より

観始めて、これは一度観たかもと思ったけれども
ブログ内検索にひっかからなかった


【内容抜粋メモ】
志村さんは草木染めによる紬織の第一任者です
農村の手仕事だった紬織を芸術の域まで高めたと評価され
1991年人間国宝に認定されました


京都府嵯峨野







志村さんの作品作りには自然との触れ合いが欠かせません
草木染めの材料になりそうな植物を見つけました
木苺の葉です







志村:
なんか向こうから見た時に、あー染まりそうと思った
染めたことないけどね
やってみたいわ
面白いじゃない
初めてやるもののほうが






娘のようこさんや弟子たちと一緒に
早速染めてみることにします

葉を煮出した液を濾してみると
志村:こんなにすぐ色が出ると思わなかった





さらに媒染液に浸したり、水で洗ったり
糸は常に変化します


干している時も変化を続け、一瞬たりとも気を抜くことができません
しかしそれは草木染めの魅力でもあります



(人の髪の毛みたい


着物作りは分業が主流ですが
志村さんは糸から仕上げまで
作業の大半を自らの工房で手掛けています


近江八幡の工房にて 30歳代後半





染色家への道を踏み出したのは31歳の時
染色の素養があった母や
民芸運動の柳宗悦等の指導を受け、早くから注目を集めました


志村さんの作品の魅力はなんといっても色使い
独特のぼかしは他に真似できないとさえ言われます






近づいてみると驚くほど複雑な色使い
それが微妙なニュアンスを生み出しています
この表現を実現するために欠かせないのは草木染め





その繊細な色合いが魅力ですが
繊細であるがゆえに安定した色を出すことが難しい
それでも草木染めにこだわります


志村:
色は定着するものだ 剥げないものだ
と思う方は化学染料でがっちりやれば安心ですが

退色するかもしれない どうなるかわからないような
不安を持った色ではある

だけど、その不安をもったというところに
何か一つの美がたゆたっているんです






蚕の繭が届きました
志村さんの工房では蚕の繭から絹糸を作ります
絹糸は色を吸収しやすく、草木染めに最も適しているそうです

蚕の命をいただき、糸を作る
毎年欠かさず感謝のお供えをします



(絹は繭の命を頂いているのか
 この時点で繭の中の蚕は生きてるんだろうか?
 昔、祖父の家でも蚕を飼っていたと聞いたことがある



絹糸づくり
繭を煮て、糸を取り出す
繊維をよりあげ、その場で糸にくせがつかないように巻き取る








大好きな画家の絵からインスピレーションを得る



(これは私の好きなクレーか?


CD ジャケットのデザインからもアイデアが浮かぶ(!






藍、石灰などを瓶に入れて拝む







藍は新月に仕込み、満月の日に染め始める







ある日、志村さんたちは、月の満ち欠けに合わせて作業を進めると
上質の染料ができ、藍が美しく染まることに気づきました
染色が自然と分かちがたい営みのあの中にあることを確信したといいます


仕込みから15日目
藍の状態を見るために少し舐めてみる

志村:
ピリッとしたような甘い感じが一番いいんです
みんな昔は舌でなめた


糸を染める
糸をつけては絞り、またつけ
慎重に染まり具合を見極めます
この作業中、最初に引き上げた時の色を志村さんは「奇跡の色」と呼びます







志村:
一瞬緑 それがパッと消えちゃう
そして青になっていく
これは誰が仕組んだことでもない
自然が瞬間に私達に見せてくれる幻

それが不思議でね
命じゃないですかね
色に命があること教えてくれたのは藍

そういうものがなかったら色は色
でも私たちは色は色ではないと思っている
色は色ではないんじゃないかなという思いで色を染めている



志村さんは染色にかける思いを「一色一生」という言葉で表します
命が宿る色に生涯を捧げる

「夜の湖」






志村さんは今年で95歳




新型コロナウイルスの最中、染色に何ができるか思いを巡らせました
そして工房では草木染めのマスクに取り組んでいます


志村さんから番組に贈られたメッセージ

今この厳しい時代に人間がより強く求めるもの
その究極は美しいものだと思います

悲しいこと、今の苦しいことを含めての美しさ
本来人間は、素朴で、そういう美しいものをひたすら求めてきました

知識なんかじゃない
救いになるのは美ですよ










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