メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

ドラマ『獄門島』(2016)(ネタバレ注意)

2017-01-03 10:56:17 | ドラマ
ドラマ『獄門島』(ネタバレ注意)
著者:横溝正史
脚本:喜安浩平
演出:吉田照幸

出演:
金田一耕助 - 長谷川博己
了然 - 奥田瑛二
早苗 - 仲里依紗
磯川警部 - 小市慢太郎
荒木村長 - 菅原大吉
幸庵 - 綾田俊樹
清水巡査 - 山中崇
竹蔵 - 谷田歩
了沢 - 岡山天音
月代 - 堀田真由
雪枝 - 秋月成美
花子 - 吉田まどか
儀兵衛 - 古田新太
お志保 - 山田真歩
鵜飼 - 柳俊太郎
嘉右衛門 - 瑳川哲朗
与三松 - 山崎銀之丞
お小夜 - 中西美帆
千万太 - 石田法嗣
梅吉 - 八十田勇一
漁師A - 師岡広明
漁師B - 大津尋葵
海賊 - 吹上タツヒロ
船員 - 石井テルユキ


【ブログ内関連記事】

長谷川博己さん@スタジオパークからこんにちは
『獄門島』(1977)

「長谷川博己さん出演作まとめ」に追加しました。


冒頭とラストにかっけー音楽が流れて、もしやイギー?と思ったら違った

KILLING STRANGERS/Marilyn Manson


この島は、映画と同じ?

ロケ地&撮影場所(新潟県内と佐渡ヶ島)
離れ島は、昔は罪人の流刑場所になったものね

金田一さんは、なかなか殺人を止められない探偵なんだよね
木に吊るすとかって、こないだ観たドラマ『神の舌を持つ男』(2016)も思い出した
あ、これは『八つ墓村』だったか 紛らわしい

敗戦後間もない事件で、戦争の悲惨さを訴えているところも重要

ラストには次の事件の依頼が等々力警部から届く!
長谷川さんが「“金田一と言えば、長谷川博己”と言われるようにシリーズ化したい」ってゆってたのも夢じゃないかも!?

最初は、難事件に悩むシーンから入って、現代版の金田一が長谷川さんでもなんの違和感もなく溶け込んでいた



あらすじ(ネタバレ注意

昭和21年9月

ものすごい船酔いの金田一はある島へと向かっている
太平洋戦争の戦地ニューギニアで、同じ部隊にいたチマタが復員船の中で亡くなり、実家に報告しようと思うと
同じ船にいた了然和尚とともに鬼頭家へ向かう

本家と分家が一緒に住んでいて、それぞれに跡取りがいて、どちらも戦地に駆り出された


(横溝さんは、大勢の複雑な登場人物の相関図が必要だ
 しかも、どこに伏線が隠れているか、伏線だらけだから、1つのシーンも、セリフも見逃せない緊張感

祖父・嘉右衛門が一代で築き上げた
そこに村長、医師・幸庵がくる
ヒトシの妹3人を紹介される




寺に逗留2日目 島を見て回る

村人はみんな漁業をしていて、網元との関係は封建的
実質的支配者はキトウだが、病死して、今、家を守っているのは、和尚、村長、医師

お、早速、相関図有り難い
 




駐在から「分(わけ)キトウは、分家ではない」と聞く



逗留3日目
戦地に駆り出された釣鐘が戻り、山の上に備えることとなる


(出た! でももうストーリー忘れたから、犯人も忘れていてよかった

サナエの兄の復員通知が届く 分家が残ったことでざわつく周囲

和尚から頼まれ分キトウへ行く金田一
キトウシホが迎える 主人は病気
昼間会った謎の美青年ウカイもいる




通夜

金田一が島に来た本当の理由は、熱病や、飢えで次々と亡くなった戦友の中の1人の
チマタから復員船で「俺が帰らんと、妹が殺される」と言われたから

ハナコが消えた
最後に見たのはサナエ
ウカイが山に行くのを見たというコウアン医師

みんなでハナコを探しに行くと宙吊りに殺されていた

和尚「キチガイじゃが仕方がない」

三姉妹の父・与三松は、心の病で座敷牢に入れられ、外では死んだことになっている
彼の仕業か?

駐在は不在
鈴の音で驚く和尚

英語の字引きで包んだタバコを見つけるが、吸う者はいないと言われる

和尚「この世には及びもつかない恐ろしいことがある」

検死の結果、7時頃、絞殺の前に殴られた
ツキヨ宛ての「寺に来てくれ」と書かれた手紙が見つかり、ウカイが疑われる
ご飯が盗まれていることに気づく早苗

サナエ「この島の人間が犯人に決まってる!」



庭には祈祷所がある
そこにも傷のついた足跡がたった1つだけ残っている
タバコはヨソマツのものだと分かる

清水巡査にも話すが、金田一が捕まり犯人にされる

金田一「オレは狭い所苦手なんだよ!」(同じく!

「探偵だったのか」とチマタの霊に言われる

金田一「知りたいんだ 人が人を殺すわけを」


金田一は牢から出される
今度は、ユキエが釣鐘の中で見つかる 
港で使われる棒があり、テコの原理で開ける
そこでなにかつぶやく和尚



「この島には悪魔がいる 海賊も罪人もいる小さな島じゃけんなあ!」と大笑いするシホ

シホの主人・儀兵衛に会う


シホは、網元の一人娘 チマタを追って断られ、ヒトシにも言い寄って失敗し、
敵対する分キトウの、30歳も歳の離れた男と結婚して笑い者になってからキトウ家を恨んでいる


磯川警部が来る 金田一と知り合い

磯川「海賊が流れ着いた事件とつながっているのでは?」


いろんな時間経過と、その時いた人物の動きを真似して考える金田一
1つだけ消し忘れた足跡とは?

タケゾウを呼ぶ ハナコを探していた時は振袖はなかった
コウアンの叫び声を聞いた時は、本降りの雨で鐘は確認しなかった
コウアンは、見知らぬ男と格闘して腕の骨が折れたという
外に出ていた部分のほかは、振袖は濡れていなかった


改めて葬儀を行う
警部は村人を集めて山狩り
本キトウの家紋の入った風呂敷が見つかる

ツキヨは「私の祈祷は効くから、姉妹を殺した奴を呪い殺すの」と言って笑う



オシホの言った「茶人」とは祖父・嘉右衛門のこと
嘉右衛門は風流な男で、お小夜という芸人を呼んだ
彼女は『道成寺』という芝居が得意だった



ヨサマツは妻を亡くしていて、オサヨを後妻にしようとして、よそ者だと反対された
オサヨの加持祈祷は効果があると村人に人気が出て、和尚は面白くなかった



同盟を結び、オサヨを孤立させると「山が割れ、火の雨が降る」と言って村人を脅し、
幼子に火箸を押し付けたため、誰もよりつかなくなり、座敷牢に閉じ込められ自殺した
その時はもうヨサマツの3人の娘をもうけていた
ヨサマツはショックで心の病となり座敷牢に入れられた


武器を持った男が見つかり、「殺される」とまたチマタの幻を見る金田一

後頭部を殴られて崖から落ちて男は死んでいた
サナエの姿を追う金田一


弟子はツキヨの死体を見つける
そばには萩、鈴 キトウケの家紋が入った風呂敷が凶器で絞殺
祈祷に熱中していた間に殺された


金田一はサナエに服の切れ端を見せる
海賊を兄ヒトシだと思い込みかばっていた

軍靴の跡を見つけて、三姉妹を殺したのが兄だと思い、靴跡を消した
風呂敷を渡したのはサナエ

金田一:
たった3日でハナコと同じ傷口で賊は殺された
島の人間も三姉妹が危ないと分かっていた
なんなんですか、この島は!



サナエ:
あなたには分からない
私にだって分からないんですから!


最初のシーンに戻る 6日目(そうだ、思い出した!

ギヘイに会いに行く
ウカイがツキヨに手紙を出した
木のうろに手紙を入れていたことをハナコは知っていて横取りした

手紙はシホが書いた
ウカイは島に駐留していた復員兵で、シホはツキヨとくっつけたいと思っていた

防空監視所の兵隊らが「物資の調達だ」といっては強奪を繰り返し、村人は怒ったが
ウカイだけはモテて、三姉妹も入れあげた
シホは彼を助け、本キトウを破滅させようとしていた



ギヘイ:
今あの女が生きている理由は、本キトウへの復讐だけ
あの女と生きることが、私の生きる理由です
(病気って通風なんだ 昔は今より悪い病気だったの?

ギヘイ「戦前に有名な事件を解決した探偵だとみんな知っていますよ」
金田一「すべて見られていた・・・」



「釣鐘が動いたのを見た」という村人 鐘は2つあった?!
『道成寺』を踊った時の張子なら、本キトウの蔵にあり、真ん中から2つに割れる仕掛けになっているという

海に隠されていた張子の鐘を見つける


金田一「この島の人間はみな気が・・・」



7日目 和尚を呼ぶ金田一


金田一:
あなたを縛りに参りました
あなた、村長、医師、3人が1人ずつ三姉妹を殺したんです

ウカイだといってハナコを呼び出して殺したのは和尚


海賊に見られた可能性があり、殺した
和尚が「キチガイ」と言った意味は、春の句だが、今は秋「季節が違っている」の意味

張子の釣鐘を本物に包んでユキエを殺した犯人は村長


左腕の使えないコウアンが、吹流しに風呂敷を混ぜてツキヨを殺した



金田一:
カエモン、あの男こそ、このおぞましい事件の真犯人だ
チマタくんのメモには3人の名前が書かれていた



和尚:
最期がいかに哀れだったか
息子はオリの中、三姉妹はあのザマじゃ
左半身が不随になった時、3人が呼ばれた



「三姉妹を殺す夢を見た それがなんとも美しい殺し方で」と話して俳句を書いた色紙を渡し、
「志を継いでくれ もし、チマタが死に、ヒトシが生き残ったら、姉妹を殺してくれ!」

(あれ?逆かな? もう誰が誰だか・・・
 なぜ三姉妹を殺さなきゃいけないのか、ワケを聞いても分からない

金田一:
何の罪もない子どもを殺した理由が、頼まれたから?

カエモンさんは鐘が戦争にとられたことを知らなかった
だが、鐘は戻った ヒトシが生き残り、条件が揃った


和尚:
枕屏風を置いたのは、あなたが探偵だと知ったからだ
これから果たす世にも恐ろしい行いを知ってもらい、止めてもらうため
じゃが、まったくのムダだった

金田一:
村長は昨夜、逃げましたよ 医師も自白
これからもずっと怯えて生きていかなきゃならない

ヒトシは戦死したんだ! 復員詐欺だった!
みんな無意味に死んだんだ ざまあみろだ!

思いも及ばぬこと? そんなものはない、ないんだ
(なんと悲しいことよ/涙





狂ったようにひとしきり笑って、金田一も倒れる
え、和尚はショック死?




金田一:
一緒に行きませんか、僕と 出ましょう、島を
あなたならどこでもやっていける

サナエ:私が残らなければ島が終わってしまいます

金田一:守るほどの島でしょうか

サナエ:すべては定めです


金田一:
戦争は、本当に酷いものでした
目の前でたくさんの人間が死にました
たくさんという言葉では言い表せないほどです
なにも出来ないまま、ただ死んでいきました
それが今更、娘3人を救うために、こんなに必死になるなんて妙な話ですね

本当は、救う気なんかなかったのかもしれません
ただワケがほしかったんです
今日を生きるワケが




船の上で手紙を受け取る ウカイも一緒


ウカイ:
どうして私なんかが生き残ったのか
世のことわりとは妙なものです

国に帰ります 何もありゃしませんが


鐘が鳴る

ウカイ:あなたはどちらへ?
金田一:さて、どこに参りましょうか






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『図説 般若心経』(講談社)

2017-01-03 10:38:35 | 
『図説 般若心経』(講談社)
金岡秀友/著 初版1982年 1200円

※2002.5~のノートよりメモを抜粋しました。
「読書感想メモリスト2」カテゴリーに追加しました。

(本書も、『歎異抄』同様、とてもためになった1冊
 関連本は無数にあるが、初心者には分かり易いと思う 2016


【内容抜粋メモ】


<タイトル>

「仏説摩訶般若波羅蜜多心経」

仏説:仏の説いた
摩訶:大きい、立派
般若:仏の智慧
波羅蜜多:彼岸(仏の国)に着く
心経:中心となるお経

意味:
仏の優れた智慧によって、仏の国に着くお経である



<訳者>

唐三蔵法師玄奘訳

唐:中国
三蔵法師:経・律(仏教徒の生活の規律を書いた書)・論(お経の注釈)の3つが入った蔵
→仏教の文献の総称が「三蔵」+それに通じた者を「三蔵法師」、その代表が「玄奘」

意味:
翻訳者の名

経:仏の教え
律:僧の戒律
論:経の研究

インド→中国→日本 高楠順次郎『大正新修大蔵経』


<本文>

「観自在菩薩行深般若波羅蜜多時」

観自在菩薩:漢音様・般若心経を説いた教主
行:行う、修行する

意味:
観音様がすぐ実行に移る深い仏の智慧によって、仏の国へ行くことを一心不乱に修行していた時に


如来(釈迦如来ほか

菩薩(観音菩薩ほか

明王(不動明王ほか

天(帝釈天ほか



「照見五蘊皆空度一切苦厄」

照見:見極める
五蘊:人間世界を構成する5つの力の集まり
度:乗り越える、渡る


<人の精神の基本>

①色蘊:目に見える色や形の世界
②受蘊:見た時に受ける働き
③想蘊:受けたものを頭に伝える、想う作用
④行蘊:実行にうつす
⑤識蘊:自分は今こうしているという認識作用


意味:
人は生きているうちは五蘊があるが、死ねばなくなる(形あるものは必ず滅する)
すべて移ろい変わると見極めたため、観音様は物に執着することから生じる苦しみや災厄から乗り越えることができた



<エッセンス>

「舎利子色不異空空不異色」

舎利子:仏十大弟子の1人 智慧第一 この経の聞き手
空:こだわらないこと、こだわると自由でなくなる

意味:
舎利子よ、目に見えるもの(色)は、見えない「空」と同じで、
逆に実態のない「空」という世界は、目に見えている世界と同じなのだよ


「二我」
「人我」自分にとらわれること
「法我」教えにこだわること

この「二我」があるかぎり、般若の境地は得られない



<仏教の発展>





「色即是空、空即是色 受想行識亦復如是」
亦復:~もまた

「空」こだわりのない智慧で真実を見ること

意味:
色は空そのものであり、空は色そのものである
受想行識も、色・空である
目の前にあるものが仏の世界
空は目に見えているものだ



「舎利子 是諸法空相、不生不滅、不垢不浄、不増不減」

意味:
舎利子よ、世の中のもろもろのものは空の婆で、すべてのものは、今は目に見えていても
その真実を仏の目で見れば、すべては空なのが、本当の姿だ

神が生んだものでも、誰かが滅すものでも
本来穢れたり、清らかでもなく、
宇宙は増えたものでも、滅ってゆくものでもない

この世の真実は「因縁」によって物が生じ、滅する
固定した性質はなく移り変わるもの
世界は「無始無終」という考えで見なければならない


「因縁」
フシギな原因が働き、熟成する条件



「是故空中、無色、無受想行識」

空中:“空”という大真実の中

意味:
こういったわけで、空の中には色も受想行識もないのだよ
一瞬一瞬に働きがある

観音様は、生きている今日ただいま「五蘊」を働かせて、大勢の人を救おうと努力している
空の世界では、大きな仏の力の中で生かされている

「代受苦」
すべての人の苦しみを代わって受けている


『十牛図』(ウィキ参照
1.尋牛(じんぎゅう)
2.見跡(けんせき)
3.見牛(けんぎゅう)
4.得牛(とくぎゅう)
5.牧牛(ぼくぎゅう)
6.騎牛帰家(きぎゅうきか)
7.忘牛存人(ぼうぎゅうぞんにん)
8.人牛倶忘(にんぎゅうぐぼう)
9.返本還源(へんぽんげんげん) :もともと自然とは無為
10.入鄽垂手(にってんすいしゅ):人も自分のあるがままに生きるのがよい



「無眼・耳・鼻・舌・身・意、無色・声・香・味・触・法」

眼・耳・鼻・舌・身・意:「六根」体の器官+心
色:目
声:耳
香:鼻
味:舌
触:身
法:精神 「法界=六堺」

意味:
大きな仏の働きの中では、1つ1つの感覚器官にこだわってはいけない
感覚だけでは、仏の世界の中に入れない
心眼で見ること



「無眼界、乃至、無意識界」

乃至:中略

意味:
六根の世界がない、体の6つの器官、5つの働きだけでなく、仏の世界に入ってものの真実を見よ





「無無明亦無無明尽、乃至、無老死、亦無老死尽」

無明:人は生まれつき知恵を持たず、磨いて出てくる 生まれながらに持っているというのは「人間過信」
無無明尽:無知から抜け出せない

意味:
人は明と無明の中間で努力するもので、明や無明にこだわるべきではない
老死も同じく、若い時は若さに感謝し、老人をいたわる

二重否定により人生の肯定的な態度を教える
「無明」に始まり、「老死」に終わる
仏の眼では固定事実ではない



「無苦集滅道無智亦無得」

苦集滅道:「四諦」(4つの真実)

「四諦」(ウィキ参照
苦諦:人生、苦しいことが多い(経験論的真実)
集諦:「縁起」(原因と条件で結果となる)それが集まって苦となる
滅諦:煩悩が消える(宗教的真実)
道諦:そのための方法(実践哲学的真実)

頭だけでなく、腹(全身)で学ぶ

意味:
ただ仏の教えを字の通り学ぶのから一歩進むと、“智”も“得”(得た・失くした)もなくなる
いつ修行が完成するか、煩悩はいつ消えるのか、という結果や期間もなく
仏道にひたる喜びのうちに覚りに至る



「以無所得故、菩提薩埵、依般若波羅蜜多故」

所得:人が手に入れる全てのもの
菩提薩埵:菩薩

意味:
何ものにもとらわれることがないから、観音様ら救済者はみな、仏の智慧で
仏国に行こうとしている人ばかりであるから

「覚りをひらきたい」もこだわりの1つ
利益にとらわれるとなくなり、得たいという思いを忘れる頃にふと利益はくる



<功徳>

「心無罣礙、無罣礙故、無有恐怖」

心無
罣:自然界のさしさわり
礙:人間界のさしさわり

意味:
無所得ゆえに、心の中に雲もないから、恐怖もない

誰かに何かしてもらいたい、何かになりたい、と想うと、みんなに気を遣う
求める人は、必ず怖れる人



「遠離一切顛倒夢想、究竟涅槃」

究竟:完成させる

「涅槃」=ニルヴァーナ 吹き消す
暑いインドで火が消えて涼しくなるように、
煩悩が消えて、覚りがひらけること

意味:
だから菩薩らは、すべての間違った考え方や、夢のような考え方を遠のけ、離す
言葉もこえて、背後にある世界を見極めることで、本当の仏の「空」に入れる



「三世諸仏、依般若波羅蜜多故」

三世諸仏:決して消えることのない仏たち
三世:現在・過去(現在が過ぎ去ったもの)・未来(未だ来ない現在)

意味:
三世諸仏は、仏の智慧で仏国へ行く修行をしているのだから
「悟後の修行」仏教では死ぬまでが修行



「得阿耨多羅三藐三菩提」

阿耨多羅:この上ない
三藐:同じ、正しい
三菩提:覚り

→無上・正等・覚

意味:
この上ない、いつでも正しい、変わることのない仏の覚りを得られる



「故知、般若波羅蜜多、是大神呪、是大明呪、是無上呪、是無等等呪」

故知:~のために分かった
大神呪:偉大な心のはたらき
大明呪:私たちの無知を照らす
無上呪:この上ない
無等等呪:比類ない

「呪」言葉の背後にある真実の世界
「マントラ」呪、真言

意味:
仏の智慧で仏国に行く修行について、いろいろ説いたが
「般若波羅蜜多」が偉大で素晴らしい呪文であることが分かった

4つの呪:声聞・縁覚・大乗・秘蔵



<結論>

「能除一切苦、真実不虚」

意味:
『般若心経』は、素晴らしい呪文だから、本当に心から読む人は、心にある全ての苦しみを取り除く
教理・実践・功徳が具わっている



「故説、般若波羅蜜多呪即説呪曰」

意味:
「般若波羅蜜多」とは、どんな呪文か説いてみせましょう、つまり・・・



「羯諦 羯諦、波羅羯諦、波羅 僧羯諦、菩提僧莎訶」
(ガテー ガテー パーラガテー パーラ サン ガテー ボードヒスヴァーハー)

羯諦 羯諦:往きて、往きて
波羅羯諦:彼岸に往って
波羅僧羯諦:よく着いて
菩提僧莎訶:覚りよ、栄えあれ

呪文のため梵語のまま訳さなかったが、弘法大師は上のごとく訳して
意味を知った上で、意味にとらわれないのをよしとした



「般若心経」

意味:
経題の繰り返し





法数(数のついた仏教用語)

「三界」(ウィキ参照
欲界:感覚的欲望の世界
色界:感覚的欲望は少なくても、まだ物質的
無色界:純粋精神の世界


「五戒」(ウィキ参照
人間完成のための戒め
殺生
偸盗
邪婬
妄語(ウソ)
飲酒


「六波羅蜜」(ウィキ参照
彼岸へ行く修行の徳目
1.布施
2.持戒
3.忍辱
4.精進
5.禅定
6.智慧


「十二縁起」(ウィキ参照
人の一生の因果
1.無明
2.行
3.識
4.名色
5.六処
6.触
7.受
8.愛
9.取
10.有
11.生
12.老死


「四万六千日」
7月10日 観音様の特別な功徳の日
この日に参詣すると46000日分の功徳がある



写経
仏教経典を自分の手で書き写すこと 布施行
五感(六根)を使って書くことで大願成就

五種法師の功徳:
受持・読・誦・解説・書写

「十戒」(地獄から仏界にいたる10の世界)のあらゆる者の
慟哭・悲嘆・恐怖・苦悩・悦楽・歓喜等を
自在に駆使することが可能となる

主なのは『法華経』(『観音経』)と『般若心経』



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