メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『翼よ!あれが巴里の灯だ』

2008-09-21 18:23:30 | 映画
『翼よ!あれが巴里の灯だ』~THE SPIRIT OF ST. LOUIS(1957)アメリカ
監督:ビリー・ワイルダー 原作:チャールズ・A・リンドバーグ
出演:ジェームズ・スチュワート、マーレイ・ハミルトン、バートレット・ロビンソン、マーク・コネリー、パトリシア・スミス、アーサー・スペース、チャールズ・ワッツ ほか

近所のレンタル屋の1週間100円VHSシリーズ。大好きなビリー・ワイルダー監督作品。名作ながら初見。
「史上初の大西洋横断無着陸単独飛行を行ったチャールズ・A・リンドバーグの自伝回想録を基にした」とのこと。
2時間ちょっとの映画の大部分が空の上。強い睡魔と闘いながらも今までの回想をはさんでる。

story
史上初の大西洋横断無着陸単独飛行を自分なら可能だと確信を持つ航空便の郵便配達人リンドバーグ。
資金集めをして、飛行機を買いに行くと「専属パイロットもつけるのが条件」と言われて諦めかけるも
小さな町工場みたいな工場が安価で引き受けてくれて、設計から関わって2ヶ月前後で完成。
ライバル達はさまざまな理由で出遅れ、世界の注目を浴びながら、雨でぬかるんだ滑走路を飛び立つ
なるべく軽量にするためにラジオも付いてないため、コンパス、地図、星を見たりして方向や距離をはかる。
前夜ロクに眠れないままの飛行は強烈な睡魔との闘いでもあり、飛行しながらこれまでの人生を振り返る。
空中サーカスや遊覧飛行で生活費を稼いだり、航空学校に通ったり。
途中、上空の冷たい空気で機体が凍ったり、眠ってしまって海に堕ちそうになったりしながらも、
ついに大西洋横断を横断して陸地を発見。パリの空港まであと1時間てところでプロペラが停止し。。

映画の中でもかなり破天荒な人物として描かれているけれども、実際はさらに波乱万丈な人生だったみたい。
生きて帰れるか分からないような冒険をやり遂げるような人はきっとそんなブッ飛んでる部分もあるんだろうな
人情ものが心情のワイルダー作品にしてはセリフも少なめで物足りないかもだけど、
主演のJ・スチュワートの親しみやすさと共にドキドキハラハラしながらも安心して観ていられる名作。
眼下に広がるパリの夜景がひときわ感動的に映ってほんとにキレイ。

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『カラマゾフの兄弟』

2008-09-21 14:40:07 | 映画
『カラマゾフの兄弟』~The Brothers Karamazov(1958)アメリカ
監督:リチャード・ブルックス
出演:ユル・ブリナー、マリア・シェル、リー・J・コッブ、リチャード・ベースハート ほか

近所のレンタル屋の1週間100円VHSシリーズ。最近、史劇や名作もの、自伝的作品なども観たくなってる。
今作はこないだ読んだ『罪と罰』の著者ドストエフスキー最後の作品の映画化とのこと。
これもまた罪と罰的な話。好きな題材なのかな。ダークな展開でも最終的には救いのあるラストがいい。
裁判や常識だけで人を裁くのではなく、グレーな部分も不条理な感情もひっくるめた勧善懲悪みたいな。

story
女好き・酒好き・金の亡者の父フョードルの4人の息子のうち、長男ドリトミイはギャンブルですっては父から金を貸してもらっているが、それは亡き母の遺産で自分には正式に受け取る権利があると主張している。
腹違いの次男イワンは「もし神が不在ならすべての悪行は合法」などとゆう論文を書き、
フョードルの隠し子とされる召使いスメルジャコフはそれを信奉している。
神職についている三男アレクセイはすべてを許し、特にドリトミイの心の救いとなっていた。
ドリトミイは元上司の令嬢カーチャの父を不名誉から救い、その後祖母の大きな遺産が入った彼女は結婚の申し出を喜んで承諾するが、ドリトミイは父が執拗に追っかけてる酒場の若く美しい女主人グルシェンカにひと目惚れ。店の客の相手をする彼女に強烈に嫉妬をする。
スメルジャコフはそれを利用して父殺しを計画。嫉妬に狂ったドリトミイは罠にかかり、雪の降る晩、グルシェンカを探して父と争う。。

信心深いカーチャが、愛する男を他の女に譲るくらいなら監獄に送ってしまおうとするって凄い。
そんな愛情ホンモノじゃないってことだよね
一方、娼婦まがいに思われてたグルシェンカが実は5年もあてのない男を想って待っていた女性だったのが意外。表面だけで物事は計れないんだな。
身体の弱い少年と貧しい父親がプライドを巡って必死に闘うシーンも涙を誘う。

父への反発ゆえにさまざまな過ちを犯したことを恥じ、ドリトミイが裁判でゆう最終弁論シーンがイイ。
「すべての罪を認める。父殺し以外は。私は人生に飢えている。生きたい。生まれ変わりたい。
 それには罰を受けねば。罰なくては救済はなく、救済なくては再生はない。私の悪徳に罰を」

素晴らしい人間ドラマと豪華なキャスティングでたっぷり2時間以上、見ごたえ大満足。
とにかくユル・ブリナーは逆らえないほど強烈な魅力。あの眼光。ストイックさ。
舞台に映える、ドラマティックな表情は、観客の視線を捕らえて離さない。
あんな風に嫉妬して雪降る中玄関で待つくらい愛されてみたいなぁ・・・
出演作の中では『ウエストワールド』がわたしの中のベストだけど、1959年の『悶え』もほんと心酔したなあ!もう一度観たい(タイトルは怪しいが/苦笑
ピーター・セラーズやMPメンバも出ていた『マジック・クリスチャン』にほんのワンシーンだけゲイの役で出ていた時は仰天した

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