混沌の中に僕は居た
説明や、ファッションや、色事や、
怪物や、レイザーがうじゃうじゃと取り巻いて
全て君を待っていたのさ
みんな君にひとつ選ばれたがっている
僕はひどく恨んだものだ
なぜならあの娘が口にせざるを得なかった
ドラッグアディクトなんて語の存在と、
その状況とを
みんなはそいつが好きなんだ
だって彼は奇数の様な不安定さで
ずっと僕らの前に立っているから
口からうす緑色の陽光を吐いて
しきりに僕たちに何かを
訴えようとしていた
カリスマ性を持った人間の出現は
結局彼が最後だったけれど
老人たちは今も口々にこう云うよ
「彼と同時代に生きて幸せだったよ」と
世紀末や、世界滅亡の日から
何年か経って、
昨晩は大変だったらしいね
会談中のある政治家のスイッチが切れて、
突然動かなくなり
彼を支持していた大勢の労働者が
いっせいに職をなくした
あの娘は十代の時すでに五十男のむくろを
暖めていた
そのしわのひとつひとつにも
その枯れた鷲鼻にも
温かいキスを与えさえしたのだ
(過去作)
説明や、ファッションや、色事や、
怪物や、レイザーがうじゃうじゃと取り巻いて
全て君を待っていたのさ
みんな君にひとつ選ばれたがっている
僕はひどく恨んだものだ
なぜならあの娘が口にせざるを得なかった
ドラッグアディクトなんて語の存在と、
その状況とを
みんなはそいつが好きなんだ
だって彼は奇数の様な不安定さで
ずっと僕らの前に立っているから
口からうす緑色の陽光を吐いて
しきりに僕たちに何かを
訴えようとしていた
カリスマ性を持った人間の出現は
結局彼が最後だったけれど
老人たちは今も口々にこう云うよ
「彼と同時代に生きて幸せだったよ」と
世紀末や、世界滅亡の日から
何年か経って、
昨晩は大変だったらしいね
会談中のある政治家のスイッチが切れて、
突然動かなくなり
彼を支持していた大勢の労働者が
いっせいに職をなくした
あの娘は十代の時すでに五十男のむくろを
暖めていた
そのしわのひとつひとつにも
その枯れた鷲鼻にも
温かいキスを与えさえしたのだ
(過去作)