メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『氷点』

2007-03-10 20:45:26 | 映画
『氷点』(1966)
原作:三浦綾子 監督:山本薩夫
出演:若尾文子、安田道代、船越英二、山本圭、津川雅彦、森光子、成田三樹夫、鈴木瑞穂ほか

半額キャンペーン中のTSUTAYAで物色中にたまたま見つけた今作は、
「40年以上にわたり何度もテレビドラマ化されている名作」らしい。
その時代、時代の旬の俳優が何度も演じた人気の人間ドラマ。

story
家柄にも恵まれ、真面目なヒューマニストで通っている医師・辻口は、
幼い娘・ルリ子が通り魔に殺された責任は、妻の不貞にあると疑い、復讐心から
その後養女が欲しいという妻に、犯人の子ども(陽子)を育てさせる。
そうとは知らずに陽子を溺愛していた妻は、あるとき夫の日記で真実を知り、
娘に辛くあたるようになり、BFの北原には嫉妬にも似た感情を抱き、
ついには2人に過去の秘密を暴露してしまう。

美しく、カンペキな妻役の若尾文子の美しさがだんだん狂気に映る様は見応えあり。
(老けた特殊メイクもないから子どもたちが成長しても全然変わってないしw
彼女に強い想いを寄せる、どこか影のある眼科医役の若き成田三樹夫がステキ・・・

わたしは、人間が生まれながらにしてもつという「原罪」の考え方は信じていないけれども
どんな立場・状況にあっても、許しあう心が大切だというテーマには共感した。
あらゆる過酷な運命に翻弄されて憎しみあわざるを得ない夫婦、親子、他人同士であっても
そこから自分を冷静に切り離して見たときに、どんな憎しみも許しに変えられるチャンスがある。

ラストの何の変哲もない町の1カットは冒頭にくるべきのような妙な違和感があったなw

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約束

2007-03-10 15:42:07 | 日記
いつものクセで目覚まし時計をセットしてしまい、夢の途中で早朝に起こされた/苦笑
洗濯機をかけながら映画を観て、そーじをして、冬物のセーターを少ししまって、
春物を少し出してみた。
紅茶を飲みながらゆったり過ごす穏やかな時間がとても好き。
今日はウソみたいに咳もおさまっているし。

ポストに派遣会社からホワイトデーの粗品が届いた
今年はベルンのミルフィーユ
そいえば渡しそびれたチョコレートもまだ冷蔵庫に眠っている

Aさんがこの間、家でお湯を沸かしたときに、やかんのフタが外れて
熱い蒸気でヤケドをしてしまって、右手の指が全体的に変色して
見ているだけでも痛そう!
会社近くの皮膚科に行って戻ってきたとき、違うフロアにいるだんなさんが
心配して来てくれて、いろいろ言葉をかけていた。
いいなぁ~優しいだんなさまで
日常でお互いに気遣いあうってできそうで、なかなかできなさそうだもんねw


花粉の時期ってゆーのもあるけど、わたしの春のイメージはあまりよくない。
否応なしに環境が変わって、慌しくて、なにより新入社員の痛々しかった頃を
思い出して、そのたびにその頃の自分に同情してしまうw
慣れないスーツにパンプスをはいて、何をしてるか分からないままひたすら仕事を
こなしていた必死だった日々。
結局カラダを壊して10ヶ月ほどでリタイア。このときひいた風邪が長引いて、
結果、花粉アレルギーも発症した記念年になったり。

毎年、桜の咲く頃、電車にあふれるフレッシュマンを見かけると、
つい同情に似た感情を持ってしまう。
がんばれ。
いや、がんばりすぎずにマイペースでいいんだよー。
あ、今年は図らずも、自分も4月から環境が変わるんだったw
先のことはその時にならないと分からない。
でも、また新しい職場、新しい出会い、新しい経験が待っているということは
ドキドキして楽しいものだ。


春がきた。
「また会いましょう」とわたしは約束をしよう。
あなたに。

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『華麗なる一族』

2007-03-10 14:32:21 | 映画
『華麗なる一族』(1974)
監督:山本薩夫 原作:山崎豊子
出演:佐分利信、月丘夢路、京マチ子、仲代達矢、田宮二郎、山本陽子、目黒裕樹
香川京子、二谷英明、志村喬、小沢栄太郎、西村晃、北大路欣也、大滝秀治ほか

会社のSさんが現在ドラマで放送されている今作は面白いから映画を観たって
話をしていて興味を持って借りてみた。

原作とドラマを見てしまうと映画のほうはどうしても時間的制限があるため
ストーリーをはしょったり、大勢の登場人物の細かい描写が抜けたりする部分で
物足りなさを感じるのは仕方ないだろう。
それでもナレーターやテロップを入れたりして複雑な相関図の説明などに
苦労や工夫が感じられた。

政治や金融界の話にはもともと疎いから全体的に難解で途中何度も
意識が落ちかけたw
哀しい家族のドラマとして見るとかなりドロドロもの。
家庭教師とは名ばかりの愛人が同居しながら昔の武家みたいな政略結婚を
画策したり、長男が先代(祖父)と母との間にできた子どもではないか
なんて疑惑もあったり。

銀行の合併にしても、経営状況が分かるマル秘書類を持ち出したり、
政界に働きかけていろんな取引に使われたりなどなど。
著者の山崎は当時実際にあった事件をモデルにして書いたみたいだから
フィクションだと片付けられないリアルな社会問題も浮き上がる。

夢に燃える長男のアッサリした幕引きや、ここまで一族を影で牛耳ってきた愛人
も意外とあっけなく金で身を引いてしまう結末もなんだかそっけない。
仲代達矢の一徹なキャラ、京マチ子の妖しい熟女な魅力がそれぞれ効いてる。
あらゆる役柄を見事に演じる佐分利信も好きな役者のひとり。

わたしの大好きな原田美枝子さんが出ているからドラマも気になるけど
連ドラってどうしてもめんどーなんだよね

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