メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1989 French Open

2004-01-07 23:55:55 | テニス
フレンチオープンは、ガビィが突然消えた中でも、それなりの見応えがあった。

すべての話題をかっさらったモニカ・セレシュ
「グラフ危うし!」とアナウンサーがどれほど叫んだか。
髪をピンと編んだ15歳という年齢でグラフを十分に脅かした。

1球1球、たまに悲鳴さえあげて、重いボールを打ち返し、最後までもつかと疑いたくなるほど全力を出していた。
結果はグラフの勝利。

そのグラフは、17歳のサンチェスに、体調不良で敗れる。
途中、突然コートを抜けて、2~3分ほど戻ってこなかった場面があった。

ウィンブルドンでは、再びこの2人が顔を合わせるがあっけなくグラフが勝った。
シード選手が、やはりなんといっても残ってくる大会だから。

男子シングルも、レンドルが全然知らない韓国系アメリカ人、マイケル・チャンに敗れて波乱で始まった。

エドベリは次第に疲れが見え始め、恋人が観戦しているにも関わらず、ついに力が尽きる。
チャンは家族総出で、お兄ちゃんまで観客席にいた。

全仏は毎年、波乱が必ず起こる大会らしいから、果して優勝したのは、17歳のチャンだった。



ナブラチロワとエバートは全仏を休み、マッケンローも皆ウィンブルドンに賭ける。


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1989 東レパンパシフィックオープンテニス@青学記念館

2004-01-07 20:48:59 | テニス
東レパンパシフィックオープンが2月4、5日の2日間に渡って行われた。

なんといっても決勝戦のナブラチロワ×マクニールの試合は今まで観た中で1番といっていい最高に内容の詰まったものだった。
フォアハンドの弱いマクニールのフォアをついてナブラチロワは攻め、
左利きのナブラチロワにバックへのサーヴを入れるマクニール。
ベテラン相手に互角に張り合った。

マクニールは25歳の黒人選手、サバティーニ、クリス・エバート・ロイドを敗って、
親友ジーナ・ガリソンと苦戦の後の試合。

「2人は過去5戦して、いずれもナブラチロワが勝利をおさめています。しかし今大会のマクニールは最高潮ですからねえ」

ナブラチロワは、今年33歳。17歳の若い実力派の選手を敗って、決勝戦に来た。


第1セットはマクニール。
第2セットは軽くナブラチロワが返して、
第3セットも第1セット同様タイまで持ち込んだ。

信じられない、人間技とは思えない反射神経の鋭いこと!

「技術は、もうここまでくると全く同等ですよね。あとは精神力でしょう。しかし・・・はぁ・・・」

手に汗びっしょりかいて、身を乗り出して、目を見張った

お互いミスしてもリカバリーが素早い!

「強いというのは、回復力の速さ。リターンバックの要素も十分ですねえ」

タイブレイクも5-5、5-6ときて「神さま、どうかナブラチロワが勝ちますように!」と何度もつぶやいた
そしてついに勝利はナブラチロワの手に


本人のコメント

「力としては同等です。ラストで少し私に運があっただけ。
 取れるべきボールが取れず苦しかった。
 もし、あの時取れなかったら、今夜の夢にも出てきますよw 神の恵みです」

「最近はマルチナも努めてジョークを言うようになりました。
 以前は、練習している時でも近寄りがたいイメージが強かったんですけれども」

「マルチナは、自分でデザインしたユニフォームを着ていますね」
「ピンクですね」
「ええ、ピンクです。本人も一応は女らしくしようと努めているのでしょうか」(ヒドイ・・・

2日目はジーンズ風なスコートだった。
彼女は尊敬に値する選手。



「彼女は意外と場面、場面で表情に表すプレイヤーですね」
「ええ、とても繊細な方だと思うんですよ」

今回も両手を上げたり、ラケットを投げたり、相手のサーヴィスエースが「フォルト」とコールされ、
「エースだった」ラインをよく見て下さいというジェスチャーを見せる場面もあった。

スキッと決まればガッツポーズをする。イラつくとブツブツつぶやく。
ひどいミスで悲鳴を上げた時は正直驚いた

サバティーニも、グラフも、マクニールも全くと言っていいほど表情に出さない。気分が乱れるから。
ラケットのガットを見つめて神経を集中させる。

クリス・エバート・ロイドは表情に出るタイプ。私はクリスの大ファン。彼女のプレーが大好きだ
仕草も、容姿も、女性としてステキ。
まだまだナブラチロワと戦ってほしい。それを観たいし、同等の技術がある。
風邪などでなかなかメインから外れているのが寂しい。

小学校の時にクリスに憧れてテニスを始め、中学でもテニス部を続けた。
結婚後も、ベテラン選手として、天才ナブラチロワと何度も何度も対戦してほしい。



天才といってもナブラチロワは練習の鬼だそう。

「コーチは、彼女を世界一、練習するプレイヤーだと言って褒めてましたよ」

「レンドルと同じく作り上げられた体ですね、本当。
 あれだけの体を維持しているだけでも全く素晴らしいことだと思いますよ」



コートは東レ開発の人工芝。
走るにも、サーヴトスを上げる前に、ボールを叩く時も妙な音がする。

そのコートに立って、「エバートはガッカリし、ナブラチロワは思わずニタッと笑った」という。
どの外国人選手も、日本の大会だという意識はなさそうだ。

トッププレイヤーの人間離れしたボールのスピードに目がついていけない。
オンラインの争いにコールを間違えたり、審判の慣れない英語も気になった。
ボールガールのボールを渡すタイミングも遅い。
インタビューで、せっかくナブラチロワの心境を知りたくても、通訳を通して伝わってこない。

でも、いいと思ったのは、1位、2位の上がる段が同じ高さだったこと。
他ではどうか知らないが、勝敗はついても、実力は同じ。
2人の立つ台が平等だったことが新鮮で、とても心地良かった。

「グラフとサバティーニの時代」という意見には反対。
私は今でもナブラチロワの全盛と信じている。
まだ世代交代の時期じゃない。

トップにはいつでもナブラチロワとエバートがいる。
素晴らしい試合をファンに提供してくれる。

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