メランコリア

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ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

1990 French Open

2004-01-11 18:01:22 | テニス
 

なんと、なんとエドベリも、ベッカーも1回戦で敗退。
4大大会で第1、2シードが1回戦で姿を消すのは初めて、と突然ファンをビックリさせて始まった。

女子はサバティーニが、またもや期待を見事に裏切ってくれたのと裏腹に、
モニカ・セレシュは期待以上のものを私たちに与えてくれた。

そんな中で、目が向けられたのは第3シードのアガシ×ディフェンディングチャンピオンという肩書きを初めてもったチャンの一戦。
チャンはヘアスタイルを少し変えて、すっかりカッコ良くなって、エジプト壁画の鷹のような目は鋭いものがあったが、
アガシを前にして、目を見張るようなショットもなく、見どころもないままに敗れ去った。

18、19歳の新鋭が次々とのし上がってきて、今年は残りの3つの大会も目が離せなくなった。

その中で唯一頑張ったのは、30歳のヤボったいおじさん(失礼アンドレス・ゴメス

体が大きいから、普通、手の届かないボールも見事に拾って、
サーヴはベッカーを思わせるブンブンサーヴ。
せっかく人気を一手に引き受けていたアガシも踏ん張って、踏ん張ったが、
結局、マッチポイントでは粘れず、優勝カップをもぎとられた。



女子で人気を集めたのは、14歳でベスト4まで、それも4大大会初出場で飛び込んできたアメリカの期待の星、カプリアティだった。
モニカ・セレシュ16歳×カプリアティ14歳の試合は、記録に残るカードだった。
しかしセレスにはまだ力が及ばず、エバートも期待していたが敗退。

決勝は、第1シードのグラフ×第2シードのセレスというカードになった。

セレスは1打1打に全力を込めて、まるで爆弾のように炸裂した。
「頭の中をカラッポにしてグラフの球を拾いまくる」というコメントの通り、
拾うどころか、彼女の両手打ちのショットは、威力があるだけでなく、とても安定していて、
ストロークの打ち合いでは完全にグラフを押していた。

相変わらずの絶叫を発しながら、あの細く華奢な体つきで1人のプレイヤーとして、頼もしささえ感じた優勝だった。



その後のコメントで「皆に本当にお礼を言いたい」と言っている通り、
彼女の精神力の強さを支えているものの1つに観客の応援も大きい。

カプリアティに対しては、こうも言っていた。
「カプリアティ、ああ記者会見の時に、私より人気のあるコね」

昨年、彗星のごとく現れて、テニス記事の一面を華々しく飾ったことを思い出してのひと言だろう。
しかし、この優勝で可能性を十分に証明した彼女は、これからおおいに女王グラフを脅かす存在として
記事を彩ることは間違いない。


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