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「日々これせっせとお薬作り」 -製薬会社新米研究員SIUの日常-

新薬の研究に営む毎日・・・のはず。製薬会社研究職の日常をつたない文章でつづります。

入社時に必要な書類

2006年01月26日 | 製薬研究職を目指す人向け
新入社員向けのコンテンツを作っていくと言いつつ
まったく作ってなかったので書いていこうかなと思います。

まず、来年度の新入社員には3月中には書類が送られてきます。
そこには入社式・新入社員研修などの日程説明してある紙
入社日に提出しなければいけない書類が何枚が入っています。
と、入社当時の書類を見ながら書いてみる(笑)

提出書類は
・入社契約書
・卒業証明書
・成績証明書
・免許・資格等証明書(コピー可)
・当日の交通費明細書

などなど…

たぶん、どこの会社でもこれらは必要になります。
入社契約書は自分が入社する意思を示すもので
捺印が必要です。
卒業証明書・成績証明書は早めに学校の学務に
頼んでおかないとギリギリになって大変なことになります。
特に3月は実家でゆっくり過ごそうと思っている人は
学校に取りに行ったり、郵送してもらわなければいけなくなるので
気をつけてくださいね。
免許・資格等証明書は薬剤師・獣医の資格を持っている人は
それのコピーを出します。(あとで取る人は取ったらすぐ出す)
MRさんは車の免許のコピーを提出するのかな。
当日の交通費明細書は新幹線代とか飛行機代とかの明細書と
領収書。グリーン車料金とかタクシー代は出ません(笑)

説明用の書類には雇用条件について書いてある紙もあります。
入社研修についてはまた明日以降にします。

博士号を取った方がいい?

2005年12月26日 | 製薬研究職を目指す人向け
最近、博士号を取ることの是非についてご質問を
いただきました。また以前にもメールで
質問いただいたこともありまして、そういう意味でも
皆さんの興味がある話題かなと思い、お返事した内容を
再編集して載せていきたいと思います。

大きく分けて
・製薬会社で研究するに当たって博士号を取っておくべきか?
・製薬会社に入った場合、博士号を持っていた方が金銭的に得なのか?

ということについて、結論は出ないにせよ考えていきたいと思います。


まず、仕事内容について…
SIUの会社(オクスリ・ツクル製薬)では
修士卒と博士卒では仕事内容は同じです。
お給料は博士卒のが年齢の分は高いですが
修士卒の方が長く働けるので、一概にどちらが得とは言えないです。

研究において「博士号」というライセンスがあって
悪いことは無いと思いますが、あれば研究を続けられるというものではなく
ある一定の実力を示す印だと思います。
TOIEC何点以上みたいな・・・
そういう意味では博士号を持っていなくても
博士号取得者と同等やそれ以上の方もいらっしゃいます。

ただし海外留学するに当たって、博士号取得が前提であったりしますし
(やっぱり海外ではPhDが無いとテクニシャン扱いなのかも知れない)
まったく影響が無いわけでもありません。
また、海外の会社と打ち合わせする時に「PhD」の文字が名刺に入っていないと
最初は軽く見られるという話を、有能だけれどPhDをもっていない方から
聞いたことがあります。
(ただし話しているうちに、実力の有無は理解してくれるそうです)

では会社が国内留学をさせてくれれば、論文も書けて
ドクターを取れるといいなあ、って思ったりしますが
国内留学(海外もですが…)できるかどうかは
会社の体力にあるかどうかにも関係してくると思います。
聞いた所ではO塚なんかは海外留学行ってこいって
雰囲気らしいですが…

以前も書きましたが、論文博士も無くなる方向性です。
論博が無くなったとしたら、会社の仕事で
論文を書いておいて、お金だけ払って大学院に在籍して
過程博士という形で貰うという方法は考えられますが
国立大学で年間五十万強、入学金等も込みに考えると
200万弱かかりますね。
これは会社は出してくれないので自腹です…

この値段を高いと考えるか、安いと考えるかは難しいですね。
大学で過程博士を取るより、企業に所属しつつ博士を取るのは
難しいということは確実です。


では次にお金を基準に修士卒と博士卒について考えて見ましょう。

<修士から博士の進む場合の3年>
収入[年間]
0円(学振・TAなどの収入なしと仮定して)

支出[年間] 
学費50万/年(国立)
50万/年*3年=150万

博士をとる場合の3年
0円(収入)-150万円(支出)=-150万円

[ 一人暮らしなら10万×12ヶ月=生活費120万/年程度もかかりますが]

一方、修士卒で製薬会社に入社したときは

<修士で就職する場合の3年>
収入[年間]
[約24万/月(税引き前)×(12ヶ月[給与]+α[ボーナス3~8ヶ月]]
=約400万/年
400万/年*3年=1200万

支出[年間]
学費に関しては0円

1200万(収入)-0円(支出)=1200万円


このような仮定が成り立つのであれば
修士卒と博士卒では金銭的には
かなりの差が開きます。この考え方では
修士卒のメリットも見出せるのではないかと思います。
この収入格差が会社人生で埋まるかどうかは未だに不明(笑)

博士号を取るか取らないかに関しては
(研究職全般に対しても問題で、製薬研究職だけでないですが)
以下の本があります。

「博士号とる?とらない?徹底大検証!―あなたが選ぶバイオ研究人生」白楽ロックビル (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4897066492/qid=1135534457/sr=1-2/ref=sr_1_10_2/249-3766112-4763552

学生には結構いいお値段(¥3,045なり)だと思うので、とりあえず立ち読みしてみては?(笑)


SIUが「博士進学するか否か?」に迷っている学生さんに
できるコメントは
「今やっている研究をもっと続けたければ博士へいってみたらどうでしょう?」
ということです。すごくオーソドックスですが…
たぶん博士進学で得るものも、失うものも人によって異なると思いますので
まず今の研究が続けたいかどうかが、一番の問題かな?と思います。

最後にまとめると
「現状では博士進学が製薬研究職に有利だとも不利だともいえない」
というのが結論です。迷っている皆さん多少は役に立ちましたでしょうか?

アス社合併内部事情

2005年11月28日 | 製薬研究職を目指す人向け
アス社合併内部事情

合併してA社になった会社に勤めている、友人と久しぶりに話しました。
いくつか内部事情を聞いたので、ここでこっそり暴露
って、思いっきりworld wide web上なので
まったくこっそりでないという話もある(笑)

Yama社とFuji社の合併してできたA社ですが
出身会社による給料格差は、まだ是正されていないそうです(2005年11月現在)
そのため友人は(Y社出身)「オレより若いやつが、同じくらい給料貰っている」
と影で言われているそうです、かわいそうに。
まあたくさん給料貰っているからいいじゃない(笑)

あと住居についても聞いときました。
寮は筑波センターやや南の巨大公園のそばで
男子寮が2つあって、女子寮は1つ。
二つとも近くにあるのに(目の前っていったかな?)
異性は入れないため、社内カップルは苦労しているそうな。
どうやって逢引(古い表現だ)しているかも聞きましたが、
これは内緒。この寮に入ることになった方はメールで聞いてください(笑)

ちなみに男子寮はいわゆる寮!だそうで
風呂・トイレ共同。そりゃ女の子を連れ込めませんね(笑)
対して女子寮は普通のワンルームマンションだそうです。
バス・トイレ各部屋完備。
男性諸君、差別されているな、がんばれ(笑)

ちなみに元F社の寮については情報なし。
タレコミ求む(笑)

関係ないけど、SIUの知っている製薬他社の寮は
異性が入れないどころか、混合寮(男女同じ建物)でかつ
同じフロアーに異性がいるそうです。
「そんな状態では乱れているのでは?」と
女性週刊誌的な妄想を抱きますが
社内カップルが少ないせいか、健全なんだそうです。
そんなもんですかね、つまらん(なにが?)

他に聞いたのはドクター(博士号*)取得についてですね。
修士で入った人がドクターを取ることになったら
その研究費も会社が出してくれるって言ってました。
他の会社はよく知らないけれど、この制度は
結構、素敵なのではないでしょうか?
普通は自分の業務で出てきたデータをまとめて
論文にすると思うんですよ。
自分の業務内容(テーマ)に関係なく、博士論文の研究が
できるって事だもんな。よい制度だ。
ちなみに友人は論博*は今後厳しいので、過程に形式上登録する
って言ってました。

あ、あとなんか筑波にもう一つ建物を建てるって言ってたな
今までの敷地内なのか、新しい場所なのかは聞いてませんが。
ちなみに筑波には元Y社研究所も元F社研究所も存在してます。

ちなみにすべて伝え聞いたことですので(2005年11月現在)
情報が正確かはまったく保証しませんのであしからず。


<補足>
博士号
「ドクター」って言ったりする。
「博士号」を意味するドクターは
「Dr」ではなく「PhD」と表記する。
ちなみに「お医者さん」を意味する
ドクターは「MD」と表記する
([発音:エムディー]メディカルドクターの意)
つまり「お医者さん」が「博士号」を持っていると
「MD」かつ「PhD」なんですね。
今度、お医者さんに行ったときに
「先生はPhDをお持ちですか?」と
聞いてみよう、嫌がられることうけあいです(笑)

博士号についてよく言われる
たとえ話は
「博士号は足の裏に付いたお米粒である」
そのココロは?
「取らないと気になるし、取っても食べられない」

取るか取らないかはあなたしだいでです。

論博
「論博」=「ろんぱく」と読む
「論文博士」の略
大学院の博士課程に所属せず
自分の業績(つまり論文)を
大学に審査してもらうことにより
博士号を取得する、日本独特の制度。
論文だけで博士号を取ることから
「論文博士」とよばれる。
ちなみに博士課程に所属して博士号を
取得することを「課程博士」という。
昔、家庭教師センターのCMで
「フクロウ博士」というのがあったが
これが「課程博士」か「論文博士」かは
SIUは存じないが、どちらでもないと考えられる。
(このネタが通じない方はスルーしてください)
これまでは、修士(もしくは学士)で製薬会社に
入った人の多くは「論文」のみで「博士号」を
取得したが、これからこの制度はなくす方向性に
なっている。その理由としては
1.日本独特の制度であること
2.大学の独立行政法人化によって課程博士を増やした方が
収入が増えること
等が大きな理由である。

来年以降につくばに暮らす方々へ

2005年11月07日 | 製薬研究職を目指す人向け
みんな「筑波は田舎だよね」と言います。
事実です(笑)
来年、もしくはそれ以降に筑波(もしくはその近郊)に
住む予定の方は生活に不安になったりしてませんかね?
そんな方にお勧めなのが

「つくばスタイル―都心から45分の粋な田園生活」
「つくばスタイル Vol.2」
どちらもエイ出版社から出版

美味しいご飯が食べれるところなど載ってますよ。
都内の大きい本屋さんならあるんじゃないかな?
お近くで見つからない方はアマゾンかなんかで買えると思いますよ。
筑波暮らしのイメージがわかない方で、いいイメージを膨らませたい方は
いかがですかね。

もう一つの薬理・薬効部門の醍醐味

2005年10月25日 | 製薬研究職を目指す人向け
薬理・薬効部門の魅力は何か?
以前の記事で書いたとおり一つは
薬理作用を見るためのルーチンをきっちりこなせる
職人になること。
ではもう一つは?

それは新しいテーマを立ち上げることです。
新規のテーマを立ち上げるのにたずさわる部門は
薬効・薬理部門か探索部門、もしくは合成部門です。
(主にですよ)
そのために常にめぼしい論文をチェックして
新薬のヒントになるものを探しているのです。
(プリントアウトして読んでない論文がいくつあることか…涙)

また論文だけでなく、すでに臨床入りしている他社化合物の
情報を元にターゲットを決めたり、特許の公開公報(でいいのか?)を
見て他社の動向や新規の化合物をチェックしたりします。
製薬会社は論文を出すことがメインの仕事でないので
かなりプロジェクトが進んでからじゃないと
(もしくはよそから論文が出てしまってからじゃないと)
仕事の内容が論文化されません。

しかし、有望な化合物が見つかった場合は権利を抑えるために
論文より早く特許化をしているのです。
(まあ、論文が先だと特許取れないしな_笑)
非公開の期間が1年だとしても(たしか)
特許の方が先行して情報が取れることも多いですからね。
ただSIUの周りは、あんまり特許を確認している感じないですけど
独学です(笑)
その分、勉強会とかで言うとインパクトがあったりして…
話がずれました戻しましょう。


イメージとして大まかですが、探索部門はgenomicな情報などの
比較的新規なターゲットを得意として、薬理部門は
現行の既存薬の弱点を補う薬やすでにPhaseに入っている
他社化合物と同様の作用機所を狙うのに長けています。
合成部門は天然物や他社特許化合物からの展開等に長けています。
もちろんそこの境目はアバウトなので薬理部門が
かなりアーリーなテーマを提案したりしますし
合成部門や探索部門と協議してプランの実現性を
確認しつつ共同でテーマを提案したりします。
と言うか、一つの部門だけで提案することはほとんど無いですね。

このように新規のテーマ(できればまったく新しい概念の薬)を
提唱することがもう一つの薬効・薬理の仕事
言い換えれば、薬効・薬理部門の醍醐味なのです。
そういう意味で考えるとルーチンの実験系というのも
それを数多くこなす事によって、さまざまな薬理作用を
評価できるようになってきます。
すなわち自分が考えた新規テーマをより適切な方法で評価できる実力が
付くということです。伝わりますかね?

だからSIUは多くの実験系を確実にこなせるようになりたいと思ってますし
(ここが薬理職人としての腕)
常に最新のサイエンスに触れていたいと思っています
(これが薬理学者としての頭)
この両方がバランスを保ちつつ高いレベルに達している人間が
真に画期的な新薬の研究・開発を担えると考えてる毎日でございます。
いかがでしょうか?

薬効・薬理部門のやりがい

2005年10月24日 | 製薬研究職を目指す人向け
後輩に「先輩は薬効・薬理ですよね、仕事は楽しいですか?
やりがいはなんですか?応募書類を書くために企業のHPを
見てるんですけど、なんか表面上のことしか書いてないと言うか
よくわからないんですよ」と言われました。

それについてのSIUは、まず
「薬理部門の日常業務はスクリーニングがメインだから
それにまったく面白みを感じないとつらいかもね」と言いました。

実際、他社の知り合いの方(探索部門)に
「薬理って毎週同じような作業で、飽きない?オレは無理だねー」と
言われてしまいましたし…

「スクリーニングがメイン」と言うのは1つのプロジェクトが
あるとしたら、合成部門・薬効薬理部門・動態部門・毒性部門が
一体となって仕事をしていくのです。
最初に「合成」が化合物を作る、それを「薬理」が薬効確認する
さらに「動態」が体内動態を確認する、最後に「毒性」が毒性を確認する。
という「合成→薬理→動態→毒性」という化合物の一連の流れがあるわけです。
例えばこの作業の中で自分の受け持っている試験系で
(SIUで言えば薬効を見るためのvitroとvivoの試験系ですね)
1週間に100化合物を評価することがルーチンだったりするわけです。
もちろんプロジェクトや各部門によってこの数は変わってくるんですけどね。
例えば薬効の方が毒性よりも化合物を評価する数は多いです。
なぜなら毒性を評価するに値する化合物がなかなか無いから(涙)

では毎週同じ作業で面白いのか?SIUにとっては答えは「YES」です。
まず、同じ試験系であっても本当の薬理作用を確認するために
日々ブラッシュアップすることを考えます。それはある実験系に対して
自分なりの変法を考えることであったり、いくつかの実験を組み合わせて
真に知りたい情報を得たりするのです。
また、思いもよらない作用がでた場合、それに対する対処法も
考えなければいけません。
(例えば抑える気は無い酵素の阻害作用が発見されてしまったら
それが無い化合物を見つけるために、カウンターアッセイとして
酵素阻害実験を組んだりするとか)

シグナル伝達をカスケードって言ったりしますが
まさに「行く川の流れは絶えずして、しかし元の水にあらず」と
言うわけです。日々、一緒の作業のように見えて実は同じ日など
一日も無いのですから(いまSIUカッコいいこと言ったな_笑)

その他にやりがいがあることがもう一つあるのですが、それはまた後で。

試験を受けてる人はがんばってね

2005年10月20日 | 製薬研究職を目指す人向け
後輩が「今日、第一三共のテストがボロボロでしたー」って
連絡がありました。
もう実際にペーパーテストを受けてる時期なんですね。とりあえず
「三共のペーパーはSIUの時も難しかったし、毎年難しいみたいだから
気にせんでええよー」って、言っておきました。

SIUが受けた時も全然解けなかった記憶があるな…
あの時は負け惜しみ的に
「あれはペーパーを受けさせているフリして、学校名で決めているんだっ」って
負け惜しみ的な噂が流れましたね。。。真偽のほどは未だにわかりませんが。

あと最近、後輩などの履歴書と研究概要にアドバイスしているんですが
(少し直したりします)
結構頭使うので、少し大変(笑)
でも後輩たちが喜んでくれるのが嬉しくてがんばってしまいます。
…会社には内緒よ(笑)

明日、第一三共を受けるMさんがんばってきてね。
と、ブログに個人的な応援をのっけてみたりする(笑)

残業の功罪

2005年10月16日 | 製薬研究職を目指す人向け
残業や休日出勤についてSIUが思うことを、もう少し…

終わらない仕事を終わらすために会社に長くいるってことは
会社にはプラスかもしれませんが
個人的にはあんまりプラスになっていないわけです。
給与を貰っている分は個人にプラスだろうがマイナスだろうが
やらなければいけない義務がありますが、給料の範囲外の時間だと
(サービス残業ってやつですか)
それを行う義務は無いのですね。
文献を読んでいたり、論文を書いていたりするんならいいんですよ
必要以上に会社にいても、それは自分の実力を上げるための時間ですから。
いわゆる『自己啓発』ってやつで「仕事か?そうでないか?」というのは
個人によって考え方がわかれるところですが、SIUはこれをやってて
遅くなるのは(もしくは休みの日に会社に行くのは)あんまり気になりませんね。
そこの分の給料ももらえなくても、あんまり気にならない…

…イヤくれるなら、欲しいな(笑)
ただこのご時世、残業代の抑制であったり
裁量労働制の導入であったり、なかなか会社もお金出してくれないんですよね。
当たり前といえば当たり前ですが。論文書くのは仕事か否かってのも
意見が分かれるところですから(これは昔書きましたね)
まあドコまでお金出してくれるかというのは、上司の考え方にもよります。
この間の学会、飛行機代・宿代・学会参加費など全部あわせて10万円くらい
かかってましたからね、そんだけ何かを学んできたかというと…
ノーコメントで(笑)

ただ広い意味では貰っている給料以上の働きはしているつもりなんですよね。
つまり人材市場で同じ金額を出して、自分と同じだけの
働きをする人がすぐに見つかるか否かという話で
それは常に「否、見つからない」という答えが
出せるようにがんばっているつもりです。

まあ結局、年功序列の給料なんで若い分、
給料が安いからコストパフォーマンスの良い仕事が
できるだけで、40歳とか50歳になったら給料に
見合った働きができる自信はないですねぇ。
今の自分の2~3倍くらいのお給料でしょうが、
今の2~3倍の成果は…、難しいと思うなぁ。

権利だけを主張しても通らないので
『本来もらえるはずのお金』と『もらえなくても仕方ないお金』というふうに
自分中で分けて、その中で収支が取れていれば「まあいいかな」って考えています。
そうでないと精神衛生上悪いし(笑)

いつも9時~18時勤務で帰れるとか、絶対残業したくないとか
そんな虫のいいこと考えているわけでなく
(っていうか、残業してない日は基本的にないな…)
実験であればルーチンでこなせる以上の量をこなす
というのは、どっかがおかしいんですよ。
(単発でどうしてもという時はしょうがないですが)
それに気づいているかどうかという問題。

そのスクリーニングフローがうまく設定されていないか
人が足りていないか、実験のやり方がマズイかなにかを変えねばならんのです。
個人ががんばってフォローするのもありですが、そのためにはまず
その実験がどのくらい必要で、いつまでに取得しなければいけないか
ということをまとめた上で、個人に落とし込む。

例えば、国のお金も無駄遣いをなくした上で「それでも増税やむなし」と
なったときに「では仕方がない」と思うわけで、山ほど無駄に使っておいて
「やっぱ足りなくなった、だから増税」じゃ、納得いかないわけです。

それと同じに「たしかに時間は(人は)足りない、でもデータを出さなきゃいけない」
というなら、その状態がいつか改善できることを目指さないと
個人のがんばりで組織力のなさを誤魔化しているんですね。
そんなことを感じながらやってると、モチベーションは下がります。
結局仕事というのはモチベーションが高いか否かで
完成度に差が出てくると思いますがいかがでしょ。
どうしてもやらなければいけないけど業務時間中に
終わらないなら、それをしっかり伝えるのが上司の責任。
それをナアナアで行うのが日本風かもしれないけど
そんな和風は嫌だ(笑)

んで、ある期間にどうしてもオーバーワークしなければならないことが
わかったら、そこをがんばって行う。キチンと納得した上なら
個人としてもやらなきゃいけない理由がはっきりわかって
そんなに辛くないんですよね。モチベーションも下がらない。
時間的には同じでも、精神的に疲れないのです。
やりたい実験は土日でも出てきてやりたいって時ありますよね?
無いか?いやSIUにはたまにはそんな日もあるんですけど(笑)

でも、現場では残業して仕事こなすのが当たり前
それが急ぎか本当に意味があるかということは関係なく
休日出勤当たり前っていう風潮がある…ところもある(笑)
ドコとは言いませんが…

残業代にしても、他業種の友人ですが彼女は
転職したばかりで、残業代をドコまで申請して
いいのかわからない、って困ってました。どんな企業にも
ある程度のサービス残業がある現状をかんがみると
「本当の時給」というのを考えた方が良いのかもしれませんね。

「本当の時給」というのは、家を出てから
帰ってくるまでの時間(仕事関連は全部換算)を
一ヶ月足し合わせて、その月の総収入で割る、
(残業代やら定期代やら住宅補助やら全部含む)
とそうしたら案外、月収は低くても時給が良かったり
月給はいいのに時給が低い人とかいるのではないかな。
「月給二十万できっちり8時間しか働かない」のと
「月給五十万で毎日3時間くらいしか寝れない」のだったら
どっちを取るかは個人の価値観ですよね。
仕事の面白みに違いが無ければ、SIUは前者かな。
案外、労働時間が短い方が長生きで生涯年収が上だったりして(笑)

でも仕事自体が面白くってしょうがないんであれば
寝てなくたって問題ないでしょう、やっぱり仕事の内容と個人の価値観ですね。

残業との付き合い方

2005年10月14日 | 製薬研究職を目指す人向け
今日は久々にガシガシ限界まで残業してやりましたよ。
おかげで仕事は結構片付いたんですが…
(いや、まだ山ほどあるか…涙)

仕事が片付いていくのはいいんですが
実はこのやり方はあんまりよくないなって思ってるんですよ。
時間をかけて仕事することが…だって時間をかければ
できる仕事量が増えるに決まってるじゃないですか。
そこを限られた時間量でどれだけこなすか、というのが
オシゴトだと思うのですよ。そうでないと好きな本を読んだり
好きな音楽を聴いたり、好きな映画を見る時間が無くなって
しまうではないですか。あ、ブログ更新の時間もね(笑)
ただ、やっぱり社会人は仕事第一なわけです。

無理やり仕事をしていると、結局
心のゆとりが無くなってきてギスギスしてくる。
少しゆとりが無いとクリエイティビティってのは
生まれにくいきがするのですが、いかがでしょうか?
(誰に聞いてる、ワタシ?笑)

実際、大学院時代にも会社に入ってからも精神的に
参ってしまって研究者を辞めていかれる方を見ていますしね。
入って数年で辞めてしまったら、一時期すごく働いても
結局、会社にとっても十分な戦力になれないのではないかと
思います。SIU個人に限れば、一昨年よりも去年、去年よりも
今年の方が確実に戦力になっていますからね。
「昔が使えなかったんじゃない?」というご指摘には
耳を傾けません(涙)

お薬作りはSIUの人生の中で、とっても大切なものの一つだけど
人生のすべてではないので、うまくバランスを取って
生きて行きたいな思うしだいであります。