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アカデミー外国語映画賞、ノミネート作や受賞作が決まるまで

2010-03-03 13:00:15 | 映画 - その他
アカデミー賞の授賞式が、日本時間の来週月曜に迫ってきました。そこで、今回はアカデミー賞の外国語映画賞について。

賞にエントリーするまでなどは、詳しくは下記の参照にリンクを載せた、アカデミー賞のルール14などを見てください。今回は、エントリー作からノミネート作を絞り、そして受賞作を決めるまでについてです。

昨年の『おくりびと』のノミネートの際のことを、アメリカ在住の画家・作家の米谷ふみ子さんが書いておられたので、該当箇所をそのまま引用します。夫のジョシュ・グリーンフェルドさんが、映画『ハリーとトント』 Harry and Tonto (1974) の共同脚本でアカデミー賞にノミネートされた経験があるということもあって、取材をたくさん受けたようです。


彼ら(注:日本のテレビ局のロサンゼルス支局の人)は夫(注:ジョシュ・グリーンフェルド)に、どのような過程で外国語映画部門が賞を決めるのかを質問していた。

「会員にはアカデミー賞受賞者や候補者がなる。他の人でなりたい人は会員二人の推薦を取り、各部門の委員が会議をして決める。

外国語映画の賞を決めるのは、十月以後の毎週一日外国映画(各国が選んだ一本)を四本ずつ会員に見せ、それで投票して五本に絞る。

その後最終の賞を決めるには、候補の五本の映画を決まった日に決まった劇場で一本ずつ上映するのを観に行かねばならず、その時、入り口で名前をサインしなければならない。五本全部観た人だけが投票できるのだ。

会員は全部で六千人位いるが、半分以上が年寄りで夜出たがらない。観ずに投票する人が多いので、公平を期するために国内の映画だけはDVDが各会員に送られるようになった。だから外国語部門の投票をする人はとても少人数になる」

と説明していた。

――米谷ふみ子「アカデミー賞のとばっちり ―異文化を伝えることの難しさ―」(『波 2009年4月号』新潮社)より


アカデミー賞の主要部門と違って、劇場で上映会が行われ、5本全部に出席した人のみで投票されるというのは、これを読むまで知りませんでした。投票者がちゃんと全作品の上映会に出席したかチェックするのが大変そうです。実際に何人くらいが投票権をクリアしているのか、投票数は何票か気になりますね。


参照:
アカデミー賞の外国語映画賞のための特別ルール (Rule Fourteen: Special Rules for the Best Foreign Language Film Award)
アカデミー外国語映画賞 - Wikipedia - ウィキペディア日本語版